北海道にいる。もちろんモーグルの大会だ。
今回は前回のようにはならない……気持ちの面ではコースを前にして笑顔が出せる。
フォールラインを選択すると迷わずスタートを切る。視野も広く横もしっかり見えている。焦らず慎重に……エアのことを考えるとほど良い緊張感が保てている。一つめのコブへの入り方は悪くない。
天気は良好過ぎる程の快晴。ここ数日の気温の上昇もあって雪がベタついている。スピードが思ったより乗って来ない。
モーグルは毎回、雪質もコースの固さも、天気や寒さも違う。練習では1本目と1時間後でコブの形が全然違うことだってある。その中で今までやってきたことを全力で出し切らないといけない。
自分がまだできていない技術や体の作り方、メンタルまで整えて、全部揃えて本番を滑るんだって思っていた。なのに、いつもどこか何かが欠けている……。
第一エアを飛ぶ……ヘリコプターをきちんと決める。着地からの滑り出しも悪くない……再びコブへと入る。
気温が高いせいか、冷気の壁を破るような切り裂く風の速さを感じない……スキーが浮いている? ブーツという仕切りを一枚隔てた板の接雪が不十分なのを感じ取る。
それを感じ取っているのなら感覚は良好だ……つまり技術が追い付いていない。
第二エアはバックフリップアイアンクロス……この二つのエアは王道だ。着地時に少し乱れた。崩れたバランスのままコブに入ると雪崩のように崩れてしまう。
踏ん張れ、立て直せ―!!
気持ちと共にグリップしている足に力を込める。お尻の筋力で踏ん張る。足の指に頼らず足首の力を使って下半身を支える。
倒れることなくそのままフィニッシュ。後半のターンはお世辞にも良いとは言えない出来なのは自分で良く分かっていた。
結果17.78/30点満点(ターン9.0、タイム4.25、エア4.53)で25位予選落ち。
千晶は24.50/30点満点(ターン12.8、タイム6.25、エア5.45)で三位だった。