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@ 13話

ー/ー





 天地がひっくり返っている。空が光っているのか雪が輝いているのかさえ分からない。いつの間に手や足から伝わっていた雪を感じなくなっていた。重力0の浮遊感。再びゆっくりと天地が元に戻っていく……。


 


 刹那、ものすごい衝撃。体中が押しつぶされるような圧迫感を感じる。痛い、なんて思う間もなかった……。僕は思った……こりゃ……骨が折れたかな……。


 


 


***


 


 


「アイツ……上手くピボット(回転軸)も使えてたな」


 


 目を覚ますと、千晶の声が聞こえてきた。どうやら暖空と話をしているようだ。


 


「アイツ……冴木空澄って言ったか? 無茶しやがって……」


「千晶が挑発するような技、見せつけるから……」


 


 やっぱり僕は転んだらしい……どうやって転んだか、覚えていない。ターンでミスはなかったはず。二人の会話からしてもコブで転んだわけではないようだ。なぜならピボットターンは、ブーツを中心として最小半径で回る技術だ。これがうまく使えていたのならスピードコントロールもできていたはずだから。


 


「アイツ……やったこともないくせにエアなんかやりやがって……」


「いきなりのバックフリップなんて……私たちの方が驚いちゃったわよ……ね?」


 


 そうか……僕、気持ち良くなっちゃって、エアなんて飛んじゃったのか……。そりゃいきなり上手く着地なんかできないよな。


 


 


「あ、気付いたみたい……大丈夫?」


「……ったく……調子に乗ってんじゃねーよ」


 


 僕は笑って誤魔化す。


 


「モーグル……嫌いになっちゃった?」


 


 暖空が心配そうに覗き込んで来る。顔が……近い。僕もあの瞬間……天地がひっくり返った瞬間、見えたんだ……白と黒しかなかった景色に青色のキャンバスが……。




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 天地がひっくり返っている。空が光っているのか雪が輝いているのかさえ分からない。いつの間に手や足から伝わっていた雪を感じなくなっていた。重力0の浮遊感。再びゆっくりと天地が元に戻っていく……。
 刹那、ものすごい衝撃。体中が押しつぶされるような圧迫感を感じる。痛い、なんて思う間もなかった……。僕は思った……こりゃ……骨が折れたかな……。
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「アイツ……上手く|ピボット《回転軸》も使えてたな」
 目を覚ますと、千晶の声が聞こえてきた。どうやら暖空と話をしているようだ。
「アイツ……冴木空澄って言ったか? 無茶しやがって……」
「千晶が挑発するような技、見せつけるから……」
 やっぱり僕は転んだらしい……どうやって転んだか、覚えていない。ターンでミスはなかったはず。二人の会話からしてもコブで転んだわけではないようだ。なぜならピボットターンは、ブーツを中心として最小半径で回る技術だ。これがうまく使えていたのならスピードコントロールもできていたはずだから。
「アイツ……やったこともないくせにエアなんかやりやがって……」
「いきなりのバックフリップなんて……私たちの方が驚いちゃったわよ……ね?」
 そうか……僕、気持ち良くなっちゃって、エアなんて飛んじゃったのか……。そりゃいきなり上手く着地なんかできないよな。
「あ、気付いたみたい……大丈夫?」
「……ったく……調子に乗ってんじゃねーよ」
 僕は笑って誤魔化す。
「モーグル……嫌いになっちゃった?」
 暖空が心配そうに覗き込んで来る。顔が……近い。僕もあの瞬間……天地がひっくり返った瞬間、見えたんだ……白と黒しかなかった景色に青色のキャンバスが……。