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結局のところトモキとはいつもの他愛のない話とか。
あとは学校のタブレットで一緒に勉強したんだけど、コタローの方がトモキより問題スラスラ解けてて、あいつ驚いてた。
「え、これ僕が行ってる塾の受験問題なのに!」ってね。どこの進学校行ってるのって矢継ぎ早に質問投げてくるから、コタローもどう返していいのかすっげアワアワしてた。
案の定、トモキが帰ったら途端にぶっ倒れちゃった。床の上に大の字になって。
「……ごめんなさい、苦手ではないのですが、タケル以外の人と話すのはちょっと緊張しちゃって」
なるほど、人見知りとはまた違うのかな。コタローは修行でずっと1人で旅してたから、他人とは話慣れてなさそうにも思えたしね。

そういや、トモキが話してたっけな。学校からのメールで、保健室担当の先生が新しく入ってくるって。
しかも外国から……ってことは外人!?
大急ぎで俺のタブレットをみたら……うん。オーストラリアからだって、けど先祖が日本人。なんかすっげややこしいな。まあ保健室なんて健康診断の時しか使わないし、俺には関係ない話かな。

⭐︎⭐︎⭐︎
そして翌日。

「リプリス・リー=リカルドだ。出身はオーストラリア。リリーでもプリスでも呼んでいいぞ!」
開口一番めちゃくちゃ威勢のいいデカい声。体育館のマイクが壊れるかと思った。

そう、新たに赴任してきた保健室担当の外人の先生……なんだけど、それほど背は高くない。ギリ160センチってとこかな? それに肩にかかる髪は明るめの茶色。最初は金髪かと思ってたけども。
「私のお爺さんは日本人。つまりはクォーターだ」って。なに言ってるのか意味不明だったけど、隣でトモキが「クォーターは4分の1だよ」って。なるほどよく分からん。

それと……こう言っちゃうのもなんだけど、女性らしくない口調。よく言えば体育会系かな? ちょっと楽しそうだけど、俺には関係ない先生だしね。
でもって赴任初日、早くも厳しいという校内からの評価。
ズル休みに保健室使う6年生から、めっちゃ凄まれて追い出されたって。そりゃ悪いのは上級生の方だもんね。

そんなこんなで一週間が何事もなく過ぎ去っていって。
金曜日の放課後、掃除を終えて帰ろうとした時だった。
「君が狩野タケルくん……だっけ?」
誰も居ない教室で、声をかけられたんだ。そう、あのリプリス先生に。
白衣姿に丸っこいメガネしてて、この前のスーツ姿とは雰囲気全然違ってて。
「はい……そうですけど」内心少しビビってた。怖い人だとは聞いてたから。でもなんで俺に?
「少しあなたと話がしたいんだ。保健室まで……いい?」
「え、ちょ……俺なんかしました!?」
そう言うとリプリス先生はふふって笑いだした。なんか赴任した時とまたイメージ違うんだけど。

「凶暴化したイタチの件……覚えてる?」
……俺の背中に冷や汗が走った。
確かあの時、残った2匹が別のやつに倒されてたよな。いきなり現れて、首筋に刃物突きつけられて。いきなり居なくなって。
「も、もしかしてあの時居た人って!?」
先生のメガネの奥の目が、優しく微笑んでた。

「はじめまして、ワーウルフ」


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結局のところトモキとはいつもの他愛のない話とか。
あとは学校のタブレットで一緒に勉強したんだけど、コタローの方がトモキより問題スラスラ解けてて、あいつ驚いてた。
「え、これ僕が行ってる塾の受験問題なのに!」ってね。どこの進学校行ってるのって矢継ぎ早に質問投げてくるから、コタローもどう返していいのかすっげアワアワしてた。
案の定、トモキが帰ったら途端にぶっ倒れちゃった。床の上に大の字になって。
「……ごめんなさい、苦手ではないのですが、タケル以外の人と話すのはちょっと緊張しちゃって」
なるほど、人見知りとはまた違うのかな。コタローは修行でずっと1人で旅してたから、他人とは話慣れてなさそうにも思えたしね。
そういや、トモキが話してたっけな。学校からのメールで、保健室担当の先生が新しく入ってくるって。
しかも外国から……ってことは外人!?
大急ぎで俺のタブレットをみたら……うん。オーストラリアからだって、けど先祖が日本人。なんかすっげややこしいな。まあ保健室なんて健康診断の時しか使わないし、俺には関係ない話かな。
⭐︎⭐︎⭐︎
そして翌日。
「リプリス・リー=リカルドだ。出身はオーストラリア。リリーでもプリスでも呼んでいいぞ!」
開口一番めちゃくちゃ威勢のいいデカい声。体育館のマイクが壊れるかと思った。
そう、新たに赴任してきた保健室担当の外人の先生……なんだけど、それほど背は高くない。ギリ160センチってとこかな? それに肩にかかる髪は明るめの茶色。最初は金髪かと思ってたけども。
「私のお爺さんは日本人。つまりはクォーターだ」って。なに言ってるのか意味不明だったけど、隣でトモキが「クォーターは4分の1だよ」って。なるほどよく分からん。
それと……こう言っちゃうのもなんだけど、女性らしくない口調。よく言えば体育会系かな? ちょっと楽しそうだけど、俺には関係ない先生だしね。
でもって赴任初日、早くも厳しいという校内からの評価。
ズル休みに保健室使う6年生から、めっちゃ凄まれて追い出されたって。そりゃ悪いのは上級生の方だもんね。
そんなこんなで一週間が何事もなく過ぎ去っていって。
金曜日の放課後、掃除を終えて帰ろうとした時だった。
「君が狩野タケルくん……だっけ?」
誰も居ない教室で、声をかけられたんだ。そう、あのリプリス先生に。
白衣姿に丸っこいメガネしてて、この前のスーツ姿とは雰囲気全然違ってて。
「はい……そうですけど」内心少しビビってた。怖い人だとは聞いてたから。でもなんで俺に?
「少しあなたと話がしたいんだ。保健室まで……いい?」
「え、ちょ……俺なんかしました!?」
そう言うとリプリス先生はふふって笑いだした。なんか赴任した時とまたイメージ違うんだけど。
「凶暴化したイタチの件……覚えてる?」
……俺の背中に冷や汗が走った。
確かあの時、残った2匹が別のやつに倒されてたよな。いきなり現れて、首筋に刃物突きつけられて。いきなり居なくなって。
「も、もしかしてあの時居た人って!?」
先生のメガネの奥の目が、優しく微笑んでた。
「はじめまして、ワーウルフ」