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Only Time

ー/ー



冬が終わって、春風が吹き始めたばかりのまだ少し肌寒い夜、田舎の田んぼ道を一人行きます。
街灯が少ないせいで道を照らす灯りはほとんどありません。
時折出会う古い街灯の弱々しい橙々は遠くの夜空に輝く星と間違えてしまうほどです。
そんな中、耳元のイヤホンでEnyaの「Only Time」を流します。
すると世界がまるで広がります。
現実の呪縛から解き放たれてどこまでも突き抜けてゆきます。


「Who can say where the road goes?」
「Where the day flows?… Only time」


Enyaが歌い続けるにつれ、ついに私は辺りに潜む特別な世界に気づきます。
その日は瑠璃色の空に浮かぶ一艘の船を銀の髪をした可愛らしい少年が漕いでゆきました。
少年は私を見てニコニコと微笑みます。
けれど、それはEnyaが「Only Time」を歌っている間だけ。
歌が終わると、空に浮かぶ船は三日月に、可愛らしい少年は三日月の横に並ぶ一粒の星となりました。
もう幾度Enyaの「Only Time」を聞き返してもあの時には戻れません。
特別な世界にはなかなか気づくことが出来ないのです。
けれど、きっとまた気づくことが出来ます。
Enyaの「Only Time」を聴きながら歩く夜道に、たった一度だけ。


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冬が終わって、春風が吹き始めたばかりのまだ少し肌寒い夜、田舎の田んぼ道を一人行きます。
街灯が少ないせいで道を照らす灯りはほとんどありません。
時折出会う古い街灯の弱々しい橙々は遠くの夜空に輝く星と間違えてしまうほどです。
そんな中、耳元のイヤホンでEnyaの「Only Time」を流します。
すると世界がまるで広がります。
現実の呪縛から解き放たれてどこまでも突き抜けてゆきます。
「Who can say where the road goes?」
「Where the day flows?… Only time」
Enyaが歌い続けるにつれ、ついに私は辺りに潜む特別な世界に気づきます。
その日は瑠璃色の空に浮かぶ一艘の船を銀の髪をした可愛らしい少年が漕いでゆきました。
少年は私を見てニコニコと微笑みます。
けれど、それはEnyaが「Only Time」を歌っている間だけ。
歌が終わると、空に浮かぶ船は三日月に、可愛らしい少年は三日月の横に並ぶ一粒の星となりました。
もう幾度Enyaの「Only Time」を聞き返してもあの時には戻れません。
特別な世界にはなかなか気づくことが出来ないのです。
けれど、きっとまた気づくことが出来ます。
Enyaの「Only Time」を聴きながら歩く夜道に、たった一度だけ。