第十七話 夢語り

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 三月初めの土曜日の昼下がりのことだ。
 僕は野平さんの自宅は二階にある作業部屋にいた。いわゆるアトリエルームだ。八畳ほどの広さで窓際に作業机が置かれている。壁際にずらりと並べられた本棚には画材やスケッチブック、液晶タブレットなどが置かれている。
 僕は素っ裸でそのアトリエルームにいた。
 そう全裸だ。
 一糸まとわぬ全裸で僕は部屋の中央でダビデ像のようなポーズをとっている。厳密にはとらされているといったほうが正しいだろう。かれこれ一時間ぐらいはこうしている。部屋の中は暖房がきいているが、さすがに全裸は寒い。
 
 麻里子さんは椅子に座り、一心不乱にスケッチブックに鉛筆を走らせている。かりかりという鉛筆の音がアトリエルームに響いている。
 僕がふれていないので麻里子さんの顔は薄いクレヨンモザイクに包まれている。
 前に麻里子さんの担当医である佐渡綾乃医師にきいたのだが、安心できる環境が整えば僕が触れていないときでも素顔が見れるかもという話であった。
 今のところは極薄モザイクが限界といったところか。
 僕と麻里子さんがもっと心をかよわせたら、あるいは顔喪失症は良くなるかもしれないというのが佐渡綾乃先生の見解であった。
 それには僕も同意見だ。
 もっともっと麻里子さんとラブラブになればいいというわけだ。

 ところで僕が全裸モデルになっている理由だが、それは麻里子さんのリクエストによるものだ。
 夏のコミックカーニバルで配布する同人誌を作るにあたり、よりリアリティのある絵をもとめて、僕がモデルとなった次第だ。
 麻里子さんが描く同人誌のタイトルは「カレンの航海日記」というものであった。
 メタルギアード・レクイエムの乳揺れ要員である宇宙戦艦ヴァルグラムの副館長を主役にそえた二次創作の同人誌だ。
 巨乳の副艦長カレン・ミストレアがクルーたちの性欲を処理管理するという設定らしい。完成したらぜひ読ませてほしい。
 その竿役の男性クルーのモデルを僕はしているとうことだ。
 見られていてかなり恥ずかしいが、麻里子さんの視線が分からないのが救いであった。

 カリカリと鉛筆を走らせていた麻里子さんは椅子を持ち、僕に近づく。
 どうやら僕の局部を凝視しているようだ。
 顔はわからないが、荒い鼻息が聞こえる。
 ふんふんと鼻息荒く、さらに激しく鉛筆がスケッチブックの紙面を駆け抜けていく。
 見られていて、僕もなんだか興奮してきて相棒が元気になっていった。
「ふふふっ見られて興奮しているんですか?」
 麻里子さんに訊かれて僕の興奮はさらに増す。
「こ、これはリアリティのある絵がかけますわね」
 なぜかお嬢様口調で麻里子さんはふんふんと熱い鼻息を漏らす。
 僕の相棒は最大に元気になってしまう。
「麻里子さん、同人誌ではあそこは黒塗りするんですよね。ここをスケッチする意味があるんですか」
 相棒を直近で見ている。麻里子さんの顔はモザイクでわからないが、確実に感じる。視線を感じるとなぜだか気持ちよくなる。
 これは新しい性癖の扉を開いてしまったかもしれない。

「黒い線で大事なところはかくしますけど、やはり知っているとしらないでは絵の説得力がちがうんですよ」
 麻里子さんの言葉に納得してしまった。まあ、彼女の同人誌作成の手助けになるのなら元気な相棒を見られるぐらいなんてことはないだろう。
 しかし僕をモデルとした竿役が描かれるとなると興奮もますばかりだな。

 スケッチを終えた麻里子さんに僕の荒ぶる相棒を慰めてもらった。
 このお礼があるからスケッチのモデルはやめられないんだよな。
 すっきりして心地よい疲労感が全身を包む。
 僕は服を着て、寝転がる。
 床には毛足の長い絨毯がひかれていて、直に寝ても背中はそれほど痛まない。
 ウエットティッシュで口を拭いた麻里子さんも絨毯に座る。
 僕は麻里子さんに膝枕をしてもらう。
 この膝枕から見上げる麻里子さんの美巨乳は絶景なんだよな。
 富士山のように立派にそびえるそれの弾力はこの世のものとは思えないやわらかさなんだよな。
 麻里子さんと付き合うようになって何度も触らせてもらったけど、あきるということはない宝の山なんだよね。

「麻里子さんって漫画家になりたいの?」
 以前から気になっていたので僕は訊いてみた。
 イラストレーターをしていて、同人誌を描いているのだから興味はないはずはない。
「そうですね、なりたくはないといえば嘘になりますね」
 今までは顔喪失症のせいで人前にはでられなくて、仕事はすべてwebで受けたものだという。漫画家を目指したいけど、編集者なんかに会うには顔喪失症があるため二の足を踏んでいたということだ。

「じゃあ、僕が麻里子さん手伝うよ」
 そう、僕がいれば人前にでても顔喪失症は発症しない。触っていなければいけないという条件つきだけど今までよりも行動の幅を広げることができるのは確実だ。
 僕は大好きな麻里子さんの夢を手伝いたい。
 後頭部に彼女の太ももの温かさを感じながら、心の底から思った。
 麻里子さんの太ももって頭にぴったりフィットして気持ちいいんだよな。

「本当ですか。私、本気にしちゃいますよ」
 ずいっと麻里子さんは僕に顔を近づける。
 彼女の吐息を吸う。
「いいよ、本気にしなよ」
 さらに麻里子さんは僕に顔を近づけて大人のキスをした。

 ただのオタクだった僕に生きる目標ができた日だった。
 そして後に一世を風靡する漫画家のっぺらぼう麻里の誕生の日であった。
 



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 三月初めの土曜日の昼下がりのことだ。 僕は野平さんの自宅は二階にある作業部屋にいた。いわゆるアトリエルームだ。八畳ほどの広さで窓際に作業机が置かれている。壁際にずらりと並べられた本棚には画材やスケッチブック、液晶タブレットなどが置かれている。
 僕は素っ裸でそのアトリエルームにいた。
 そう全裸だ。
 一糸まとわぬ全裸で僕は部屋の中央でダビデ像のようなポーズをとっている。厳密にはとらされているといったほうが正しいだろう。かれこれ一時間ぐらいはこうしている。部屋の中は暖房がきいているが、さすがに全裸は寒い。
 麻里子さんは椅子に座り、一心不乱にスケッチブックに鉛筆を走らせている。かりかりという鉛筆の音がアトリエルームに響いている。
 僕がふれていないので麻里子さんの顔は薄いクレヨンモザイクに包まれている。
 前に麻里子さんの担当医である佐渡綾乃医師にきいたのだが、安心できる環境が整えば僕が触れていないときでも素顔が見れるかもという話であった。
 今のところは極薄モザイクが限界といったところか。
 僕と麻里子さんがもっと心をかよわせたら、あるいは顔喪失症は良くなるかもしれないというのが佐渡綾乃先生の見解であった。
 それには僕も同意見だ。
 もっともっと麻里子さんとラブラブになればいいというわけだ。
 ところで僕が全裸モデルになっている理由だが、それは麻里子さんのリクエストによるものだ。
 夏のコミックカーニバルで配布する同人誌を作るにあたり、よりリアリティのある絵をもとめて、僕がモデルとなった次第だ。
 麻里子さんが描く同人誌のタイトルは「カレンの航海日記」というものであった。
 メタルギアード・レクイエムの乳揺れ要員である宇宙戦艦ヴァルグラムの副館長を主役にそえた二次創作の同人誌だ。
 巨乳の副艦長カレン・ミストレアがクルーたちの性欲を処理管理するという設定らしい。完成したらぜひ読ませてほしい。
 その竿役の男性クルーのモデルを僕はしているとうことだ。
 見られていてかなり恥ずかしいが、麻里子さんの視線が分からないのが救いであった。
 カリカリと鉛筆を走らせていた麻里子さんは椅子を持ち、僕に近づく。
 どうやら僕の局部を凝視しているようだ。
 顔はわからないが、荒い鼻息が聞こえる。
 ふんふんと鼻息荒く、さらに激しく鉛筆がスケッチブックの紙面を駆け抜けていく。
 見られていて、僕もなんだか興奮してきて相棒が元気になっていった。
「ふふふっ見られて興奮しているんですか?」
 麻里子さんに訊かれて僕の興奮はさらに増す。
「こ、これはリアリティのある絵がかけますわね」
 なぜかお嬢様口調で麻里子さんはふんふんと熱い鼻息を漏らす。
 僕の相棒は最大に元気になってしまう。
「麻里子さん、同人誌ではあそこは黒塗りするんですよね。ここをスケッチする意味があるんですか」
 相棒を直近で見ている。麻里子さんの顔はモザイクでわからないが、確実に感じる。視線を感じるとなぜだか気持ちよくなる。
 これは新しい性癖の扉を開いてしまったかもしれない。
「黒い線で大事なところはかくしますけど、やはり知っているとしらないでは絵の説得力がちがうんですよ」
 麻里子さんの言葉に納得してしまった。まあ、彼女の同人誌作成の手助けになるのなら元気な相棒を見られるぐらいなんてことはないだろう。
 しかし僕をモデルとした竿役が描かれるとなると興奮もますばかりだな。
 スケッチを終えた麻里子さんに僕の荒ぶる相棒を慰めてもらった。
 このお礼があるからスケッチのモデルはやめられないんだよな。
 すっきりして心地よい疲労感が全身を包む。
 僕は服を着て、寝転がる。
 床には毛足の長い絨毯がひかれていて、直に寝ても背中はそれほど痛まない。
 ウエットティッシュで口を拭いた麻里子さんも絨毯に座る。
 僕は麻里子さんに膝枕をしてもらう。
 この膝枕から見上げる麻里子さんの美巨乳は絶景なんだよな。
 富士山のように立派にそびえるそれの弾力はこの世のものとは思えないやわらかさなんだよな。
 麻里子さんと付き合うようになって何度も触らせてもらったけど、あきるということはない宝の山なんだよね。
「麻里子さんって漫画家になりたいの?」
 以前から気になっていたので僕は訊いてみた。
 イラストレーターをしていて、同人誌を描いているのだから興味はないはずはない。
「そうですね、なりたくはないといえば嘘になりますね」
 今までは顔喪失症のせいで人前にはでられなくて、仕事はすべてwebで受けたものだという。漫画家を目指したいけど、編集者なんかに会うには顔喪失症があるため二の足を踏んでいたということだ。
「じゃあ、僕が麻里子さん手伝うよ」
 そう、僕がいれば人前にでても顔喪失症は発症しない。触っていなければいけないという条件つきだけど今までよりも行動の幅を広げることができるのは確実だ。
 僕は大好きな麻里子さんの夢を手伝いたい。
 後頭部に彼女の太ももの温かさを感じながら、心の底から思った。
 麻里子さんの太ももって頭にぴったりフィットして気持ちいいんだよな。
「本当ですか。私、本気にしちゃいますよ」
 ずいっと麻里子さんは僕に顔を近づける。
 彼女の吐息を吸う。
「いいよ、本気にしなよ」
 さらに麻里子さんは僕に顔を近づけて大人のキスをした。
 ただのオタクだった僕に生きる目標ができた日だった。
 そして後に一世を風靡する漫画家のっぺらぼう麻里の誕生の日であった。