5
ー/ー外に出るとすっげえ量の雨粒。スマホで警報見てなかった、今夜ゲリラ豪雨だったのかな。
とにかくコタロー探さなきゃと思ったんだけど、どうしよう……これじゃあいつの匂い追えない!
雨が止むまで待とうか。いやそんなことしてたらあいつどこ行ってしまうか分からないし。かと言って行きそうな方向すら不明だからなあ……ってそうだ!!
雨がちょっとだけ小止みになって、雲間から光が差し込んできた。
もし俺の考えが間違っていなければ……だけどね。
川が氾濫してるわけでもないのに、道路は水に浸かってた。とはいえ俺の足首くらいかな。もう靴履いてても意味がない。おまけに誰も外を歩いてなかった。そりゃそうだな、なぁんて思いながら……俺はこの前、そう、コタローがテント張ってたスーパーの裏の河川敷を。
じゃねーよ俺のバカ! 増水してたら意味ねーじゃん!
ハイおしまい。考えをリセットしてもう一度、止んできた雨の中をとにかく走る、走る! けどどこへ? あいつの足取りなんてすぐに分かるのかよ?
自問自答しながら俺はばっしゃばっしゃと水たまりのような道路をひた走って、そしたら……
いたぁぁぁぁぁああああ!
なんでよ、普通に外の通りを歩いてたし! それも全然ノーマークだった反対側のバス通り。ちょっとだけ元気なさそうな、トボトボって表現があってるかもしれない。
まずはなんて言おうか。あああもう頭の中が
いっぱいになっちゃって!
「コタロー! ごめんよ」
「タケル……ごめんなさい!」
なんなんだよ、目が合った瞬間同時に謝っちゃったし!
「ごめんよ、俺」
「ごめんなさい、僕」
またシンクロ発言したし! でも……
「タケルのことが、ちょっとだけうらやましくって」
競争に勝ったのは、コタローの方だった。
⭐︎⭐︎⭐︎
「俺は、コタローがうらやましかったよ」
なんでですか? ってあいつはきょとんと、ちょっと驚きの目で俺のことを見てた。
「だって自由なんだもん。学校も行かないで済むしさ、ずっと……」
「それがうらやましいって、すごく間違ってますよ」
言葉に詰まった。けどコタロー頭良いじゃん。もうそこからして学校行かなくていいってのがアドバンテージありすぎて。
「僕には使命があります。この刀で悪しき氣を断たなければなりませんから」と、背負っていたあの日本刀を俺に見せたんだ。
「それが終わったら、故郷に帰れるんだろ?」
「そういうのは……僕には無いんです」
「師匠とかじゃなくてもいるんじゃねーの? コタローの……」
親って言いたかったけど、俺の胸の辛さが邪魔しちゃって無理だったんだ。聞きたかったけど聞けなかったことを。
「僕……物心ついたときから師匠の元でずっと剣の修行してましたから」
つまりは養子ですね。って寂しそうにあいつは答えてくれた。
えっとなんだっけ養子って、子供のいない家庭が別のところから譲り受けて、自分の子供として育てるんだったっけか。
「師匠って、その……厳しかったりとか?」
「剣技の時はいつも泣いてました。辛くって。けど家に帰ればすごく優しいお爺さんでしたよ」
にっこり微笑んではくれたけど、俺はそれ以上聞こうとするのはやめた。RPGゲームとか漫画で散々見てきたしね。ヤバいくらい厳しい修行シーンとか。
「だからタケルに対してちょっと抱いてしまったんです。ワーウルフでヒーローなんて、すごくカッコいいなあ……って」
その言葉につい赤面。カッコいいって、その、初めてかも。
「バディってのかな、こーゆーのって」
俺も考えが浮かばなくって、あいつの前に右手を出したんだ。仲直りの握手かな?
「バディっていったい?」
「えっと、コンビとか相方ってのかな。いっしょに組んで敵と戦うの。だから……」
決める道は一つだけだ。
「俺はヒーローになんてなれないかも知れないけどさ。コタローと一緒なら、どうにかうまく行けるかなって」
あいつは半べそかきながら俺に抱きついてきた。僕からもよろしくって。つーか先に握手だろーがオイ!
でもってトドメに後ろに倒れちゃって……そう。2人とも水たまりへばしゃんと。
洗濯物……どーしよ。
とにかくコタロー探さなきゃと思ったんだけど、どうしよう……これじゃあいつの匂い追えない!
雨が止むまで待とうか。いやそんなことしてたらあいつどこ行ってしまうか分からないし。かと言って行きそうな方向すら不明だからなあ……ってそうだ!!
雨がちょっとだけ小止みになって、雲間から光が差し込んできた。
もし俺の考えが間違っていなければ……だけどね。
川が氾濫してるわけでもないのに、道路は水に浸かってた。とはいえ俺の足首くらいかな。もう靴履いてても意味がない。おまけに誰も外を歩いてなかった。そりゃそうだな、なぁんて思いながら……俺はこの前、そう、コタローがテント張ってたスーパーの裏の河川敷を。
じゃねーよ俺のバカ! 増水してたら意味ねーじゃん!
ハイおしまい。考えをリセットしてもう一度、止んできた雨の中をとにかく走る、走る! けどどこへ? あいつの足取りなんてすぐに分かるのかよ?
自問自答しながら俺はばっしゃばっしゃと水たまりのような道路をひた走って、そしたら……
いたぁぁぁぁぁああああ!
なんでよ、普通に外の通りを歩いてたし! それも全然ノーマークだった反対側のバス通り。ちょっとだけ元気なさそうな、トボトボって表現があってるかもしれない。
まずはなんて言おうか。あああもう頭の中が
いっぱいになっちゃって!
「コタロー! ごめんよ」
「タケル……ごめんなさい!」
なんなんだよ、目が合った瞬間同時に謝っちゃったし!
「ごめんよ、俺」
「ごめんなさい、僕」
またシンクロ発言したし! でも……
「タケルのことが、ちょっとだけうらやましくって」
競争に勝ったのは、コタローの方だった。
⭐︎⭐︎⭐︎
「俺は、コタローがうらやましかったよ」
なんでですか? ってあいつはきょとんと、ちょっと驚きの目で俺のことを見てた。
「だって自由なんだもん。学校も行かないで済むしさ、ずっと……」
「それがうらやましいって、すごく間違ってますよ」
言葉に詰まった。けどコタロー頭良いじゃん。もうそこからして学校行かなくていいってのがアドバンテージありすぎて。
「僕には使命があります。この刀で悪しき氣を断たなければなりませんから」と、背負っていたあの日本刀を俺に見せたんだ。
「それが終わったら、故郷に帰れるんだろ?」
「そういうのは……僕には無いんです」
「師匠とかじゃなくてもいるんじゃねーの? コタローの……」
親って言いたかったけど、俺の胸の辛さが邪魔しちゃって無理だったんだ。聞きたかったけど聞けなかったことを。
「僕……物心ついたときから師匠の元でずっと剣の修行してましたから」
つまりは養子ですね。って寂しそうにあいつは答えてくれた。
えっとなんだっけ養子って、子供のいない家庭が別のところから譲り受けて、自分の子供として育てるんだったっけか。
「師匠って、その……厳しかったりとか?」
「剣技の時はいつも泣いてました。辛くって。けど家に帰ればすごく優しいお爺さんでしたよ」
にっこり微笑んではくれたけど、俺はそれ以上聞こうとするのはやめた。RPGゲームとか漫画で散々見てきたしね。ヤバいくらい厳しい修行シーンとか。
「だからタケルに対してちょっと抱いてしまったんです。ワーウルフでヒーローなんて、すごくカッコいいなあ……って」
その言葉につい赤面。カッコいいって、その、初めてかも。
「バディってのかな、こーゆーのって」
俺も考えが浮かばなくって、あいつの前に右手を出したんだ。仲直りの握手かな?
「バディっていったい?」
「えっと、コンビとか相方ってのかな。いっしょに組んで敵と戦うの。だから……」
決める道は一つだけだ。
「俺はヒーローになんてなれないかも知れないけどさ。コタローと一緒なら、どうにかうまく行けるかなって」
あいつは半べそかきながら俺に抱きついてきた。僕からもよろしくって。つーか先に握手だろーがオイ!
でもってトドメに後ろに倒れちゃって……そう。2人とも水たまりへばしゃんと。
洗濯物……どーしよ。
みんなのリアクション
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
おすすめ作品を読み込み中です…
作者の他の作品
この作者の他作品はありません。
この作品と似た作品
似た傾向の作品は見つかりませんでした。
この作品を読んだ人が読んでいる作品
読者の傾向からおすすめできる作品がありませんでした。
おすすめ作品は現在準備中です。
おすすめ作品の取得に失敗しました。時間をおいて再度お試しください。