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コタローに言われたからかな、自分も思いっきり納得できた。
やっぱりコンビニ強盗の時かな。普通バットとかで殴られればマジで死ぬくらいのダメージなのに、うわ痛え! だけで済んだ。
問題はその後だ。逃げるバイクに組みついて転んで、足首の骨やっちゃって。アレは結局は丸一日休んでなければ治らなかったくらいだし。
そして俺がさっき足の小指思いっきりぶつけて……うん、今でもすっげ痛いし。
別にそんなこと全然気にしてなかった。けどワーウルフとなった俺が、人間の時でも様々な能力が引き継がれているのに対し、治癒の力は特定条件みたいのがあったってことか。
「だからってケガしないように生きろ。なんてこと無理ですもんね」そりゃそうだ。包丁で指切っちゃうこともあるし。体育の授業で思いきり転ぶことだってある。ケガとは無縁の生活しろだなんて絶対できねーよ。
「普段通り気をつけろ。ってことくらいしか無理じゃね?」
そうですよね。ってちょっとため息混じりにコタローは答えた。あいつにも対処方法なんて考えられないかもな。

「けど、そのために僕がいるんです!」
って、いきなり立ち上がって熱弁はじめたし。マジでビビった。
「弱点を知ってこそ人は強くなれるんです。そして出来得る限り、タケルは僕が護ります!」
「弱点なんてそれくらいっきゃねーし。大丈夫だってばそんなボディガードみたいなこと言わなくたって」
「もっと強くなりましょうよタケル。僕もいろいろ手を貸しますから」
その言葉にふと、姉貴に以前言われたことを思い出した。
ボロボロになって帰ってきた俺に泣きながら言ってくれた……

「ヒーローにでもなろうと思ってたの?」

確かにコタローはヒーローだ。けど俺はそうじゃない。
でも……あいつは、コタローは俺をヒーローにさせようとしている。どっちか本当の答えなんだよ。つーかコタローに妖怪ハンターを強いらせてる師匠ってのも酷すぎだよな。俺と年齢変わんねえってのに修行の旅させるだなんて。

俺は、何になりたいんだろう? なにに憧れているんだろう?
ダメだ、頭の中がいろいろ絡まっちまって、答えが出ねえ。
「なあ、俺は何になればいい?」
思わず口から漏れ出てしまった、そのひと言。バカか俺?

「……僕と一緒に悪しき獣たちを退治してもらえれば、それで」
「なんで、俺なんだよ」
コタローは戸惑った。「えっ?」てね。
「それは、せっかくのワーウルフの能力なんですし、有意義に使ってもらえればと」
「コタローみたいに妖怪ハンターしたくて俺はこんなチカラをもらったんじゃねーんだよ!」ヤバい、つい怒鳴っちまった。おまけにテーブルまで思いっきり叩いちゃって。
ヤバい、俺のバカ! あああもう自己嫌悪がもう!

「ごめんなさい……」消えちゃいそうなほどの小さな声だった。俺もゴメンって言いたかったけど、口から出てこない。
「仲間ができて、嬉しかったんです……ずっと、ひとりで旅をしてたから」
ぼろぼろ涙を流してた。正座してる膝の上に、雨粒みたいな涙の染みがたくさん。一気に。
「そうですよね。タケルは僕とは違うんですもんね。僕……調子に乗りすぎて」

その日はもう、お互い話すことなくコタローと離れて寝ていた……けど。
うん。朝起きたら居なくなってた。絆創膏の替えが一枚、テーブルに置いてあって。

俺も思いっきり泣いた。どうしようもない自分自身と、コタローのいなくなった寂しさに。


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コタローに言われたからかな、自分も思いっきり納得できた。
やっぱりコンビニ強盗の時かな。普通バットとかで殴られればマジで死ぬくらいのダメージなのに、うわ痛え! だけで済んだ。
問題はその後だ。逃げるバイクに組みついて転んで、足首の骨やっちゃって。アレは結局は丸一日休んでなければ治らなかったくらいだし。
そして俺がさっき足の小指思いっきりぶつけて……うん、今でもすっげ痛いし。
別にそんなこと全然気にしてなかった。けどワーウルフとなった俺が、人間の時でも様々な能力が引き継がれているのに対し、治癒の力は特定条件みたいのがあったってことか。
「だからってケガしないように生きろ。なんてこと無理ですもんね」そりゃそうだ。包丁で指切っちゃうこともあるし。体育の授業で思いきり転ぶことだってある。ケガとは無縁の生活しろだなんて絶対できねーよ。
「普段通り気をつけろ。ってことくらいしか無理じゃね?」
そうですよね。ってちょっとため息混じりにコタローは答えた。あいつにも対処方法なんて考えられないかもな。
「けど、そのために僕がいるんです!」
って、いきなり立ち上がって熱弁はじめたし。マジでビビった。
「弱点を知ってこそ人は強くなれるんです。そして出来得る限り、タケルは僕が護ります!」
「弱点なんてそれくらいっきゃねーし。大丈夫だってばそんなボディガードみたいなこと言わなくたって」
「もっと強くなりましょうよタケル。僕もいろいろ手を貸しますから」
その言葉にふと、姉貴に以前言われたことを思い出した。
ボロボロになって帰ってきた俺に泣きながら言ってくれた……
「ヒーローにでもなろうと思ってたの?」
確かにコタローはヒーローだ。けど俺はそうじゃない。
でも……あいつは、コタローは俺をヒーローにさせようとしている。どっちか本当の答えなんだよ。つーかコタローに妖怪ハンターを強いらせてる師匠ってのも酷すぎだよな。俺と年齢変わんねえってのに修行の旅させるだなんて。
俺は、何になりたいんだろう? なにに憧れているんだろう?
ダメだ、頭の中がいろいろ絡まっちまって、答えが出ねえ。
「なあ、俺は何になればいい?」
思わず口から漏れ出てしまった、そのひと言。バカか俺?
「……僕と一緒に悪しき獣たちを退治してもらえれば、それで」
「なんで、俺なんだよ」
コタローは戸惑った。「えっ?」てね。
「それは、せっかくのワーウルフの能力なんですし、有意義に使ってもらえればと」
「コタローみたいに妖怪ハンターしたくて俺はこんなチカラをもらったんじゃねーんだよ!」ヤバい、つい怒鳴っちまった。おまけにテーブルまで思いっきり叩いちゃって。
ヤバい、俺のバカ! あああもう自己嫌悪がもう!
「ごめんなさい……」消えちゃいそうなほどの小さな声だった。俺もゴメンって言いたかったけど、口から出てこない。
「仲間ができて、嬉しかったんです……ずっと、ひとりで旅をしてたから」
ぼろぼろ涙を流してた。正座してる膝の上に、雨粒みたいな涙の染みがたくさん。一気に。
「そうですよね。タケルは僕とは違うんですもんね。僕……調子に乗りすぎて」
その日はもう、お互い話すことなくコタローと離れて寝ていた……けど。
うん。朝起きたら居なくなってた。絆創膏の替えが一枚、テーブルに置いてあって。
俺も思いっきり泣いた。どうしようもない自分自身と、コタローのいなくなった寂しさに。