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木村の野望

ー/ー



  浅田の背筋が凍りついた。

「確かに、木村さんの仰る事は全てその通りです! ですから、私共としましては出来る限りの事を……」

「『出来る限り』がコレかよ!」

木村は、先程浅田がしたように三本の指を立てる真似をして喚いた。

浅田の額に滝のような汗が噴き出す。

(なんだよ……この展開はよぉ……)

三百で丸く収めようなんて、とんだ甘い考えだった。

「……では、コレではどうでしょうか?」

浅田は仕方なく、あと二本の指を付け足し、慰謝料を五百万円に釣り上げた。

(頼む!これ以上は絶対無理!)



しかし……それを見ても、なおかつ木村が納得する事は無かった。

「ふざけんなっ! アンタ全然わかってね~な!」

テーブルを荒っぽく掌で叩いて、木村が勢いよく立ち上がった!

(ひえぇぇ~~っ! 殴られるぅぅ~~っ!)

てっきり木村に殴られるものだと思った浅田は、目を強く瞑り歯を食いしばった!












「………………………
…………………ん?」







「センセイ~~!! どうか俺に心臓の診断書を書いてはいただけないでしょうかっ!」

「ハイ~~ッ!! 喜んでぇぇえ~~~」   


翌日の木村が勤務する会社では……

木村に渡された『診断書』を受け取って、わなわなと持つ手を震わす丸山課長の姿があった。

「……本当だったんだ!……しかもこんな難病とは……」




    ―――――――――――診断書―――――――――――――――
  
               病名
            後天性心臓心筋肥大症


   十万人に一人の低い確率で発症する超難度の心臓疾患である為、自然治癒は不
   可能。 バチスタ術式による、心臓心筋切除手術が有効である。


名林大学総合病院
心臓外科担当医師
浅田 大輔

――おわり――


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  浅田の背筋が凍りついた。
「確かに、木村さんの仰る事は全てその通りです! ですから、私共としましては出来る限りの事を……」
「『出来る限り』がコレかよ!」
木村は、先程浅田がしたように三本の指を立てる真似をして喚いた。
浅田の額に滝のような汗が噴き出す。
(なんだよ……この展開はよぉ……)
三百で丸く収めようなんて、とんだ甘い考えだった。
「……では、コレではどうでしょうか?」
浅田は仕方なく、あと二本の指を付け足し、慰謝料を五百万円に釣り上げた。
(頼む!これ以上は絶対無理!)
しかし……それを見ても、なおかつ木村が納得する事は無かった。
「ふざけんなっ! アンタ全然わかってね~な!」
テーブルを荒っぽく掌で叩いて、木村が勢いよく立ち上がった!
(ひえぇぇ~~っ! 殴られるぅぅ~~っ!)
てっきり木村に殴られるものだと思った浅田は、目を強く瞑り歯を食いしばった!
「………………………
…………………ん?」
「センセイ~~!《《せめて全治一週間》》! どうか俺に心臓の診断書を書いてはいただけないでしょうかっ!」
「ハイ~~ッ!! 喜んでぇぇえ~~~」   
翌日の木村が勤務する会社では……
木村に渡された『診断書』を受け取って、わなわなと持つ手を震わす丸山課長の姿があった。
「……本当だったんだ!……しかもこんな難病とは……」
    ―――――――――――診断書―――――――――――――――
               病名
            後天性心臓心筋肥大症
   十万人に一人の低い確率で発症する超難度の心臓疾患である為、自然治癒は不
   可能。 バチスタ術式による、心臓心筋切除手術が有効である。
名林大学総合病院
心臓外科担当医師
浅田 大輔
――おわり――