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第二話 転校生

ー/ー



「キーンコーンカーンコーン」
 僕の担任の先生はそう言いながら教室に入ってきた。
 チャイム先生というあだ名がついている担任は、いつも何からの時間になるとチャイムを口で再現する。
 本名は誰も知らない。
 今のはホームルームの始まりを告げるチャイムだ。
 僕たちは各々の席へ戻っていく。
 僕は元から立っていなかったけれど。
 立って話す相手が居ないもんでね。
「はーい、今日はなんと!転校生を紹介します!入っておいで〜」
 !
 転校生かぁ、どんな子なんだろう。
 僕はチラリと横の席を見た。
 僕は一番後ろの席、それも窓側から二番目だ。
 よってクラスの人数が一人少ない二組は僕の横の席が空いている。
 転校生はここに来るのだろうか。
 ガラララ、と少し立て付けの悪い扉が音を立てて開き、転校生が姿を見せた。
「「「…⁉︎」」」
 皆言葉を失い、転校生を凝視していた。
「こんにちは、仙芽市立第一中学校から来ました。栗花落(つゆり)麗香(れいか)です。趣味はランニング、小説を書くこと。好きな食べ物は甘いものです。これからよろしくお願いします」
と完璧な自己紹介をした転校生、栗花落さん。
 優香と趣味が合いそうだな、と思う。
 文芸部の俺もランニングをしているのだが、そんなことはどうでも良い。
 へえ、小説書くんだ、僕の興味はそこ一点であった。
 どんなジャンル?
 どんな表現?
 どんな…。
 僕は僕の右の席に座っている、数少ない小説友達、倉津(くらつ)に声をかけた。
「な、気になるよな、栗花落さんがどんな小説を書いて…」
「そうだろ、お前もそうか。栗花落さんってどんな男が好きなんだろうな〜」
 ん?
 僕は周りを見渡した。
 皆が気になるのは、栗花落さんの容姿らしい。
 黒髪を腰まで伸ばし、身長は百五十五センチ程度。
 制服がよく映える、美人系と可愛い系のハーフのような顔立ち。
 笑ったら可愛らしくもあり、すましているとめちゃくちゃ美人。
 そんな感じなのだが…。
 美人は優香で十分。
 優香を見飽きている僕は相当失礼なことを思った。
 まあ優香はもう少しとっつきやすい感じなのだが。
「すっげ、可愛い…」
 誰かが呟いたその言葉に、一同はうんうんと肯定した。
「え〜っと、席は…お、最上の隣が空いてるな、栗花落、あのちょっとクール系でイケメンな男子見えるか?あいつの隣の席が、お前の席だ」
 は?
 おいチャイム先生!
 何言ってんだ!
 僕の顔立ちは至って普通だぞ!
 身長は平均より上だけど…。
 やばい、目立ちすぎてあとで陽キャに殺されるかも。
 今の時点で「なんでお前の隣なんだよ」という視線がグサグサ刺さって痛いのに…。
 何でってくじ引きで僕がこの席になったんだよ!
 栗花落さんは僕の隣の席に腰をかけ、ホームルームが始まった。
「あ、栗花落さん、よろしくお願いします」
「…」
 僕がそう小声で挨拶をするも、栗花落さんは聞こえていなかったのか、ノーリアクションだ。
「あ、あの、」
「…プイ」
 栗花落さんは顔を逸らし、拒絶反応を見せた。
 あれ?もしかして僕、嫌われてる?


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「キーンコーンカーンコーン」
 僕の担任の先生はそう言いながら教室に入ってきた。
 チャイム先生というあだ名がついている担任は、いつも何からの時間になるとチャイムを口で再現する。
 本名は誰も知らない。
 今のはホームルームの始まりを告げるチャイムだ。
 僕たちは各々の席へ戻っていく。
 僕は元から立っていなかったけれど。
 立って話す相手が居ないもんでね。
「はーい、今日はなんと!転校生を紹介します!入っておいで〜」
 !
 転校生かぁ、どんな子なんだろう。
 僕はチラリと横の席を見た。
 僕は一番後ろの席、それも窓側から二番目だ。
 よってクラスの人数が一人少ない二組は僕の横の席が空いている。
 転校生はここに来るのだろうか。
 ガラララ、と少し立て付けの悪い扉が音を立てて開き、転校生が姿を見せた。
「「「…⁉︎」」」
 皆言葉を失い、転校生を凝視していた。
「こんにちは、仙芽市立第一中学校から来ました。|栗花落《つゆり》|麗香《れいか》です。趣味はランニング、小説を書くこと。好きな食べ物は甘いものです。これからよろしくお願いします」
と完璧な自己紹介をした転校生、栗花落さん。
 優香と趣味が合いそうだな、と思う。
 文芸部の俺もランニングをしているのだが、そんなことはどうでも良い。
 へえ、小説書くんだ、僕の興味はそこ一点であった。
 どんなジャンル?
 どんな表現?
 どんな…。
 僕は僕の右の席に座っている、数少ない小説友達、|倉津《くらつ》に声をかけた。
「な、気になるよな、栗花落さんがどんな小説を書いて…」
「そうだろ、お前もそうか。栗花落さんってどんな男が好きなんだろうな〜」
 ん?
 僕は周りを見渡した。
 皆が気になるのは、栗花落さんの容姿らしい。
 黒髪を腰まで伸ばし、身長は百五十五センチ程度。
 制服がよく映える、美人系と可愛い系のハーフのような顔立ち。
 笑ったら可愛らしくもあり、すましているとめちゃくちゃ美人。
 そんな感じなのだが…。
 美人は優香で十分。
 優香を見飽きている僕は相当失礼なことを思った。
 まあ優香はもう少しとっつきやすい感じなのだが。
「すっげ、可愛い…」
 誰かが呟いたその言葉に、一同はうんうんと肯定した。
「え〜っと、席は…お、最上の隣が空いてるな、栗花落、あのちょっとクール系でイケメンな男子見えるか?あいつの隣の席が、お前の席だ」
 は?
 おいチャイム先生!
 何言ってんだ!
 僕の顔立ちは至って普通だぞ!
 身長は平均より上だけど…。
 やばい、目立ちすぎてあとで陽キャに殺されるかも。
 今の時点で「なんでお前の隣なんだよ」という視線がグサグサ刺さって痛いのに…。
 何でってくじ引きで僕がこの席になったんだよ!
 栗花落さんは僕の隣の席に腰をかけ、ホームルームが始まった。
「あ、栗花落さん、よろしくお願いします」
「…」
 僕がそう小声で挨拶をするも、栗花落さんは聞こえていなかったのか、ノーリアクションだ。
「あ、あの、」
「…プイ」
 栗花落さんは顔を逸らし、拒絶反応を見せた。
 あれ?もしかして僕、嫌われてる?