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第83話 「活路」

ー/ー



レオとイドはバリアを破らんと、2人で超高速回転し続ける氷の槍を押し込み続ける。

だんだんと刃がバリアに食い込み始めた。

「行ける...行けるぞ...!手ェ緩めんなよ、イド!!」

「分かっている!!」

イドはレオを後ろから押しながら、電磁力を纏わせ続ける。

と、そのときだった。

「「!!」」

ついにオリジンの欠損していた片足が復活した。

オリジンは立ち上がり、2人のほうへ前進し始めた。

「グッ!?ダメだッ...!今度はこっちが押し込まれるッ!?」

足が復活したことにより、オリジンはどんどん2人を押し込み始めた。

レオとイドは必死で耐える。

もし、身体のバランスを崩され、そのまま倒れてしまえば、それは彼らの終わりを意味する。

陰陽道の無くなった2人など、オリジンにとっては敵ではない。

ただし、2人の押し込んでいる例の槍は、当たればオリジンに大ダメージを与えることができることに変わりはない。

オリジンは片手でバリアの強度を上げながらどんどん2人を追い詰めていく。

「こ、ここまで来て負けてたまるか!!イド!!もっと踏ん張れ!!」

「やってる!!」

「「うおおおおおおおおおおおっ!!!!!」」

2人はただ必死で槍を押し込み続ける。

超高速回転することで槍が折れる心配はない。

だが、このままだと確実に2人は押し負ける。

このまま、数分間の奮闘が続いたそのときのことだった。

「あ...ああ...」

レオはそんな声を漏らした。

ついに、オリジンの欠損していた片手が復活したのだ。

オリジンは復活したもう片方の手で、完全に終わらせようした。

が、

「...なんだ?地鳴り...?」

イドがそう呟いた。

そう、辺りから突然地鳴りが鳴り始めたのだ。

オリジンも何事かと手を緩め、辺りを見渡している。

「!!今だ!」

レオはそんなオリジンの様子に気づき、槍を押し込み始めた。

オリジンもそんなレオによって意識を引き戻され、再び両手で2人を押そうとし始めた。

と、そのときだった。

「!?」

イドは突然背中に”重み“のような感触を味わった。

そのままイドは振り返る。

イドは驚愕した。

「み、皆...!?」

そう、イドの後ろには、大人数の『解放軍』の兵士が連なって、イドの背中を押していたのだ。

「大丈夫だイド!!俺たちがいる!!だから...前を向くんだ!!!!」

一人の兵士がそう叫んだ。

イドは噛み締めるようにうなずくと、再び前を見据え、皆とともにレオを支える。

「おい!!子どもたちがここまで頑張ったんだ!!俺たち大人にできないなんてこたぁないよなぁ!?」

一人の兵士のそんな言葉が聞こえると、多くの兵士たちが咆哮で応えた。

それでも、まだ彼らは押され気味だ。

と、そのとき、今度は多くのヘリが着陸する音が聴こえて来た。

その数は、数えるのも気が遠くなるほど。

そのヘリらから、また多くの兵士たちが降りて来た。

『解放軍』のヘリもあるが、その他にも多様な種類のヘリが着陸していた。

もちろんこれらの援軍には、『解放軍』の兵士もその中に含まれている。

しかし、それに限られず、世界各国の軍までもが、ヘリとともに2人の子どもたちを助けるべく、エレノイアに集結していたのだ。

兵士たちは、目の前の状況を瞬時に把握し、彼らに次々と連なっていく。

気づいたころには、兵士の数は数万にも渡るものになっていた。

「...!」

レオは、今度は自分らがオリジンを押し始めていることに気づいた。

「皆!!まだ耐えてくれ!!頼む!!もう少し...もう少しなんだ!!」

レオのその言葉に、兵士たちは先ほどと同じように咆哮で応え、これまでよりも押す力がさらに増した。

見る限り、オリジンもかなり必死で、両手で押し返そうとしている。

と、そのときだった。

ピシッ、という音が聴こえた。

「!!」

レオはその音の鳴る先に目を向ける。

そこには、『活路』があった。




ついに、オリジンのバリアにヒビが入り始めた。




一方その頃、ティエラはエレノイア市内を走り抜けていた。

かつて、自分が生まれ育った街...独り、完全に廃墟となったその風景を見ると、改めて自分の故郷が無くなったのだということを実感させられた。

しかし、そんなことを気にしているヒマなどない。

彼にはやるべきことがある。




あれは、H・タイゾウの死後のこと...

ティエラはハンナに研究室へと招かれた。

「ティエラ、アンタにこれを渡そうと思って」

「...これは?」

それは、銃弾だった。

他と違うところと言えば、何か特徴的な文様が施されている所だろうか。

「これは...ソウル・ブラスターの残骸から作り出した銃弾。確かにあれはもう使い物にならないほど大破したけど、エネルギーはまだ残っていたの」

「それで...これ一発分か」

ハンナはうなずいた。

「私からの提案はこう。オリジンの力の源は、脳にある特殊な器官...あとはもう分るでしょう?」

「...この一撃にすべてを賭けろと?」

「今のあなたがアイツと戦う方法なんて、それぐらいしかないってこと。残酷だけど、それが現実よ」

「......」

ティエラは、数秒無言で銃弾を眺める。

そして...

「...わかった。だが、方法があるだけでも十分だ。感謝する」

そう言うと、ティエラは研究室の前で待っていたヘリの操縦士の元へと向かって行くのだった。




こうして、今、ティエラはエレノイアを駆け抜けている。

数十分走ったとき、ティエラは目の前の光景に驚愕した。

レオとイド、そして数万にも渡る兵士が集団で連なり、オリジンを押していたのだ。

ティエラはそれを、側面から見ていた。

ティエラは、レオがなにかをオリジンに押し込もうとしているのを発見した。

(なにか決定打となる一撃を喰らわせようとしているのか...?だとしたら...チャンスはアレが決まった時...!)

ティエラは、横たわり、坂状になっているビルを駆け上り、頂上からオリジンを見下ろす。

そして、例の銃弾を小銃に込め、使い物にならなくなった片手を、もう片方の手で銃身の上に置くことで、銃を固定させた。

その後、もう片方の手の指を、引き金にかける。

準備はとうにできている。

あとは一撃を喰らわせるだけ。

いつそれを喰らわせるのかといえば......レオとイドによる例の合体技が決まり、その部分の再生に集中せざるを得ない状況にオリジンが陥った時...そのときだ。

ティエラは目を閉じ、祈りをささげる。

(頼む...護ってくれ.........)

「ルナ!!」

そして、目を勢いよく見開くと、ティエラは再び敵を見据えるのだった。




ヒビは広がり続ける。

オリジンは必死で彼らを押しきろうとするも、流石に数万よる力には敵わない。

「いッ......けええええええええええええええ!!!!!!!!」

レオがそう叫び、それに応えるように全員で思い切り槍を押し込んだその時、




ついに、バリアは崩壊した。




レオは勢いもそのままに、その槍をオリジンに命中させる。

その結果、オリジンの身体に大きな空洞が形成された。

オリジンは、かなり焦りを見せている。

なんとか再生させようと、その部分の再生に全エネルギーを消費させ始めた。




と、そのときだった。




パァン!!という銃声とともに、ある一つの銃弾がオリジンの頭部を貫いた。

レオとイドは銃声の源へ目を向けると、ティエラの姿を目にし、驚愕した。

その後、2人はすぐに視点をオリジンへ戻す。

オリジンが頭を抱え始めた数十秒後のことだった。

突然、オリジンを赤黒い火柱が覆った。

火柱はそのまま空高く上がり、“なにか”を分散させ始めた。

そのとき、今度はT・ユカも『決戦場』へとたどり着いた。

イドは彼女の存在に気づく。

「ユカさん!!」

「......あと一息ってとこか...!よくここまで...!」

T・ユカは、自身の弟子たちの快挙に嬉しさをかみしめながらそう言った。

レオも彼女の存在に気づき、笑顔でグッドマークを片手で作ると、彼女にそれを突き付けた。




そして、数十分後...ついに火柱が止んだ。

オリジンは脱力したかのようにうなだれている。

そう、まだオリジンは消滅していない。

戦いはまだ終わっていないのだ。

だが、極限までオリジンを追い詰めたことは事実。




そう、『終幕』は、確かにもうすぐそこまで迫ってきていた...


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レオとイドはバリアを破らんと、2人で超高速回転し続ける氷の槍を押し込み続ける。
だんだんと刃がバリアに食い込み始めた。
「行ける...行けるぞ...!手ェ緩めんなよ、イド!!」
「分かっている!!」
イドはレオを後ろから押しながら、電磁力を纏わせ続ける。
と、そのときだった。
「「!!」」
ついにオリジンの欠損していた片足が復活した。
オリジンは立ち上がり、2人のほうへ前進し始めた。
「グッ!?ダメだッ...!今度はこっちが押し込まれるッ!?」
足が復活したことにより、オリジンはどんどん2人を押し込み始めた。
レオとイドは必死で耐える。
もし、身体のバランスを崩され、そのまま倒れてしまえば、それは彼らの終わりを意味する。
陰陽道の無くなった2人など、オリジンにとっては敵ではない。
ただし、2人の押し込んでいる例の槍は、当たればオリジンに大ダメージを与えることができることに変わりはない。
オリジンは片手でバリアの強度を上げながらどんどん2人を追い詰めていく。
「こ、ここまで来て負けてたまるか!!イド!!もっと踏ん張れ!!」
「やってる!!」
「「うおおおおおおおおおおおっ!!!!!」」
2人はただ必死で槍を押し込み続ける。
超高速回転することで槍が折れる心配はない。
だが、このままだと確実に2人は押し負ける。
このまま、数分間の奮闘が続いたそのときのことだった。
「あ...ああ...」
レオはそんな声を漏らした。
ついに、オリジンの欠損していた片手が復活したのだ。
オリジンは復活したもう片方の手で、完全に終わらせようした。
が、
「...なんだ?地鳴り...?」
イドがそう呟いた。
そう、辺りから突然地鳴りが鳴り始めたのだ。
オリジンも何事かと手を緩め、辺りを見渡している。
「!!今だ!」
レオはそんなオリジンの様子に気づき、槍を押し込み始めた。
オリジンもそんなレオによって意識を引き戻され、再び両手で2人を押そうとし始めた。
と、そのときだった。
「!?」
イドは突然背中に”重み“のような感触を味わった。
そのままイドは振り返る。
イドは驚愕した。
「み、皆...!?」
そう、イドの後ろには、大人数の『解放軍』の兵士が連なって、イドの背中を押していたのだ。
「大丈夫だイド!!俺たちがいる!!だから...前を向くんだ!!!!」
一人の兵士がそう叫んだ。
イドは噛み締めるようにうなずくと、再び前を見据え、皆とともにレオを支える。
「おい!!子どもたちがここまで頑張ったんだ!!俺たち大人にできないなんてこたぁないよなぁ!?」
一人の兵士のそんな言葉が聞こえると、多くの兵士たちが咆哮で応えた。
それでも、まだ彼らは押され気味だ。
と、そのとき、今度は多くのヘリが着陸する音が聴こえて来た。
その数は、数えるのも気が遠くなるほど。
そのヘリらから、また多くの兵士たちが降りて来た。
『解放軍』のヘリもあるが、その他にも多様な種類のヘリが着陸していた。
もちろんこれらの援軍には、『解放軍』の兵士もその中に含まれている。
しかし、それに限られず、世界各国の軍までもが、ヘリとともに2人の子どもたちを助けるべく、エレノイアに集結していたのだ。
兵士たちは、目の前の状況を瞬時に把握し、彼らに次々と連なっていく。
気づいたころには、兵士の数は数万にも渡るものになっていた。
「...!」
レオは、今度は自分らがオリジンを押し始めていることに気づいた。
「皆!!まだ耐えてくれ!!頼む!!もう少し...もう少しなんだ!!」
レオのその言葉に、兵士たちは先ほどと同じように咆哮で応え、これまでよりも押す力がさらに増した。
見る限り、オリジンもかなり必死で、両手で押し返そうとしている。
と、そのときだった。
ピシッ、という音が聴こえた。
「!!」
レオはその音の鳴る先に目を向ける。
そこには、『活路』があった。
ついに、オリジンのバリアにヒビが入り始めた。
一方その頃、ティエラはエレノイア市内を走り抜けていた。
かつて、自分が生まれ育った街...独り、完全に廃墟となったその風景を見ると、改めて自分の故郷が無くなったのだということを実感させられた。
しかし、そんなことを気にしているヒマなどない。
彼にはやるべきことがある。
あれは、H・タイゾウの死後のこと...
ティエラはハンナに研究室へと招かれた。
「ティエラ、アンタにこれを渡そうと思って」
「...これは?」
それは、銃弾だった。
他と違うところと言えば、何か特徴的な文様が施されている所だろうか。
「これは...ソウル・ブラスターの残骸から作り出した銃弾。確かにあれはもう使い物にならないほど大破したけど、エネルギーはまだ残っていたの」
「それで...これ一発分か」
ハンナはうなずいた。
「私からの提案はこう。オリジンの力の源は、脳にある特殊な器官...あとはもう分るでしょう?」
「...この一撃にすべてを賭けろと?」
「今のあなたがアイツと戦う方法なんて、それぐらいしかないってこと。残酷だけど、それが現実よ」
「......」
ティエラは、数秒無言で銃弾を眺める。
そして...
「...わかった。だが、方法があるだけでも十分だ。感謝する」
そう言うと、ティエラは研究室の前で待っていたヘリの操縦士の元へと向かって行くのだった。
こうして、今、ティエラはエレノイアを駆け抜けている。
数十分走ったとき、ティエラは目の前の光景に驚愕した。
レオとイド、そして数万にも渡る兵士が集団で連なり、オリジンを押していたのだ。
ティエラはそれを、側面から見ていた。
ティエラは、レオがなにかをオリジンに押し込もうとしているのを発見した。
(なにか決定打となる一撃を喰らわせようとしているのか...?だとしたら...チャンスはアレが決まった時...!)
ティエラは、横たわり、坂状になっているビルを駆け上り、頂上からオリジンを見下ろす。
そして、例の銃弾を小銃に込め、使い物にならなくなった片手を、もう片方の手で銃身の上に置くことで、銃を固定させた。
その後、もう片方の手の指を、引き金にかける。
準備はとうにできている。
あとは一撃を喰らわせるだけ。
いつそれを喰らわせるのかといえば......レオとイドによる例の合体技が決まり、その部分の再生に集中せざるを得ない状況にオリジンが陥った時...そのときだ。
ティエラは目を閉じ、祈りをささげる。
(頼む...護ってくれ.........)
「ルナ!!」
そして、目を勢いよく見開くと、ティエラは再び敵を見据えるのだった。
ヒビは広がり続ける。
オリジンは必死で彼らを押しきろうとするも、流石に数万よる力には敵わない。
「いッ......けええええええええええええええ!!!!!!!!」
レオがそう叫び、それに応えるように全員で思い切り槍を押し込んだその時、
ついに、バリアは崩壊した。
レオは勢いもそのままに、その槍をオリジンに命中させる。
その結果、オリジンの身体に大きな空洞が形成された。
オリジンは、かなり焦りを見せている。
なんとか再生させようと、その部分の再生に全エネルギーを消費させ始めた。
と、そのときだった。
パァン!!という銃声とともに、ある一つの銃弾がオリジンの頭部を貫いた。
レオとイドは銃声の源へ目を向けると、ティエラの姿を目にし、驚愕した。
その後、2人はすぐに視点をオリジンへ戻す。
オリジンが頭を抱え始めた数十秒後のことだった。
突然、オリジンを赤黒い火柱が覆った。
火柱はそのまま空高く上がり、“なにか”を分散させ始めた。
そのとき、今度はT・ユカも『決戦場』へとたどり着いた。
イドは彼女の存在に気づく。
「ユカさん!!」
「......あと一息ってとこか...!よくここまで...!」
T・ユカは、自身の弟子たちの快挙に嬉しさをかみしめながらそう言った。
レオも彼女の存在に気づき、笑顔でグッドマークを片手で作ると、彼女にそれを突き付けた。
そして、数十分後...ついに火柱が止んだ。
オリジンは脱力したかのようにうなだれている。
そう、まだオリジンは消滅していない。
戦いはまだ終わっていないのだ。
だが、極限までオリジンを追い詰めたことは事実。
そう、『終幕』は、確かにもうすぐそこまで迫ってきていた...