逢いたいが情、見たいが病Ⅶ Love longs , and longing aches.
ー/ー 正門から紅緒に手を引かれ、ゆるい坂を下へ降りていく。
降りた所で、ようやく横に並ぶことができた。
「川越街道に出たら良いんだよね」
手を繋いだまま紅緒が言う。
「出たらそのまま道なりで行けって、田中が言ってた」
へー、と言いながら紅緒が体を寄せてくる。
いや、僕の方が紅緒に寄せたのかと横を向く。
「あのね」
「あのさ」
思わず手に力が入ってしまった。
紅緒も握り返す。
「何、先に言っていいよ」
「う、うん。あのね、来週崇ちゃんと直ちゃんの誕生日でしょ。だから」
ああ、そうだ。
「うん。誕生日プレゼント帰りに一緒に買おうか」
紅緒が嬉しそうに笑う。
そうか、直樹も一緒に祝うんだ。
「良かった。じゃ、ロフトに行かない?」
「いいよ」
「池袋なんて久しぶりだから、行ってみたかったんだ」
へぇ、意外だな。池袋なんてしょっちゅう行ってるのかと思ってた。
「実用的なのを崇直は喜ぶと思うよ」
「そうなのよ。だからわーちゃんに手伝ってもらおうと思ってさ」
そう言ってまた肩をぶつけて来た。
ばかやろう。
そのまま抱きしめてしまうぞ、本気だぞ。
「でね、崇ちゃんの誕生日が終わったらトールちゃんとデートなんだ」
は?
平川先輩と、デート? 何照れてんだよ、紅緒。おい。
「いつもね、美味しいお店連れて行ってくれるんだ。だからお礼も一緒に買おうと思ってさ」
デートにお礼は要らんだろう、普通。
「どうして礼するの、先輩とデートするんでしょ」
「え、だってご飯遠慮なく食べたいじゃない。でも、トールちゃん割り勘嫌うから」
「そりゃ、そうでしょ。あの人かなり稼いでるんだから全額払うの当たり前だよ。遠慮も要らない」
何だよそれ。紅緒と食事するのにそんな気を遣わせなくても。
「わーちゃん、何怒ってるの」
怒って……。
うわぁ、僕何嫉妬してんだ。
はずかしいっ。みっともないなぁ。先輩相手に。
街灯のない所で良かった。
めっちゃ顔が暑い。
「怒ってなんか、いないよ。ただ、先輩が」
「取ったりしないから、心配しないで。食事の後お店に一緒に行くの、週明けにお店で顔を合わせる人がいるんだって」
は? 別に先輩の心配なんてしてないよ。
誰に取られるってんだよ、な。
「気になるなら時間合わせてお店に来れば? いっちゃんも居るし私も居るし。カウンターだけどお酒も飲めるよ。トールちゃん持ちで」
そう言うと向こうの橋の欄干まで僕の手を引いて走っていく。
川風が気持ち良さそうだ。
「流石に歩くと暑いな」
そう言って、顔のほてりをごまかす。
「わーちゃんも暑かったんだ」
紅緒の顔も火照ったようにほんのり赤くなっていた。
降りた所で、ようやく横に並ぶことができた。
「川越街道に出たら良いんだよね」
手を繋いだまま紅緒が言う。
「出たらそのまま道なりで行けって、田中が言ってた」
へー、と言いながら紅緒が体を寄せてくる。
いや、僕の方が紅緒に寄せたのかと横を向く。
「あのね」
「あのさ」
思わず手に力が入ってしまった。
紅緒も握り返す。
「何、先に言っていいよ」
「う、うん。あのね、来週崇ちゃんと直ちゃんの誕生日でしょ。だから」
ああ、そうだ。
「うん。誕生日プレゼント帰りに一緒に買おうか」
紅緒が嬉しそうに笑う。
そうか、直樹も一緒に祝うんだ。
「良かった。じゃ、ロフトに行かない?」
「いいよ」
「池袋なんて久しぶりだから、行ってみたかったんだ」
へぇ、意外だな。池袋なんてしょっちゅう行ってるのかと思ってた。
「実用的なのを崇直は喜ぶと思うよ」
「そうなのよ。だからわーちゃんに手伝ってもらおうと思ってさ」
そう言ってまた肩をぶつけて来た。
ばかやろう。
そのまま抱きしめてしまうぞ、本気だぞ。
「でね、崇ちゃんの誕生日が終わったらトールちゃんとデートなんだ」
は?
平川先輩と、デート? 何照れてんだよ、紅緒。おい。
「いつもね、美味しいお店連れて行ってくれるんだ。だからお礼も一緒に買おうと思ってさ」
デートにお礼は要らんだろう、普通。
「どうして礼するの、先輩とデートするんでしょ」
「え、だってご飯遠慮なく食べたいじゃない。でも、トールちゃん割り勘嫌うから」
「そりゃ、そうでしょ。あの人かなり稼いでるんだから全額払うの当たり前だよ。遠慮も要らない」
何だよそれ。紅緒と食事するのにそんな気を遣わせなくても。
「わーちゃん、何怒ってるの」
怒って……。
うわぁ、僕何嫉妬してんだ。
はずかしいっ。みっともないなぁ。先輩相手に。
街灯のない所で良かった。
めっちゃ顔が暑い。
「怒ってなんか、いないよ。ただ、先輩が」
「取ったりしないから、心配しないで。食事の後お店に一緒に行くの、週明けにお店で顔を合わせる人がいるんだって」
は? 別に先輩の心配なんてしてないよ。
誰に取られるってんだよ、な。
「気になるなら時間合わせてお店に来れば? いっちゃんも居るし私も居るし。カウンターだけどお酒も飲めるよ。トールちゃん持ちで」
そう言うと向こうの橋の欄干まで僕の手を引いて走っていく。
川風が気持ち良さそうだ。
「流石に歩くと暑いな」
そう言って、顔のほてりをごまかす。
「わーちゃんも暑かったんだ」
紅緒の顔も火照ったようにほんのり赤くなっていた。
みんなのリアクション
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
おすすめ作品を読み込み中です…
作者の他の作品
この作者の他作品はありません。
この作品と似た作品
似た傾向の作品は見つかりませんでした。
この作品を読んだ人が読んでいる作品
読者の傾向からおすすめできる作品がありませんでした。
おすすめ作品は現在準備中です。
おすすめ作品の取得に失敗しました。時間をおいて再度お試しください。