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結局のところ、寝足りないっていうか……また布団の中。けどまずは朝ごはんの支度しなきゃ、あいつもいるんだし。
「おはようございます、掃除終わりましたよ」
突然のコタローの声で心臓が飛び出るかと思った! まさか、いつもの理由で早く目が覚めちゃったのかと思うと……土下座確定かもしれないし。
「それなんですけど、確かこの布団で並んで寝ていたのに、起きたらタケルの……」
あああごめんごめんごめんコタロー!
「タケルの大きなしっぽを抱いて寝ちゃってて……すいません」

え?
慌ててお尻を見たら……オイ待て俺いま人間の姿してるよな? けどワーウルフの時のでっかいしっぽがボン! と生えたままなんだ。どーなってんだよこれ!!!
「タケルのしっぽって気持ちいいんですよね。もふもふのふわふわでほんのり暖かくって」

無意識にしっぽブンブン振ってた。内心うれしかったり……とか?
「それとなんですけど……できれば今日だけ着替えを貸してもらえないでしょうか」
パンツ貸してくれだってさ。まあ俺とコタローは体格背丈ほぼ変わりないから大丈夫なんだけど、一体なんでかな?
「実は……」コタローのやつ、すっげ顔真っ赤になってるし!

「昨晩あのオオカミを見たとき……漏らしちゃったんです」
ふとベランダに目を向けると、うん……ふんどしっていうんだっけ、白くて長い布がひらひら外に干してあったんだ。

でも俺はそんなことで笑ったりはしない。だってあんな不気味で規格外のデカさのオオカミがいきなり目の前に出現したんだもん。ヘタしたら俺だってちびってたかも知れないしね。大人じゃないんだもん。漏らす可能性だってあるさ。

ありがとうございます! ってコタローは手をついて謝ってくれたけど、そんなことされると俺の方が恥ずかしいっていうか申し訳ないっていうか……まあ、サムライだからしょうがないかな。

⭐︎⭐︎⭐︎

「ずっと不思議に感じてたんですけど……タケルって、どうしてあんなに足が臭いんですか?」
食事中に唐突に言われて、口に含んだコーヒー牛乳思いっきり吹きそうになった。頼むからその質問やめてくれ、胸にグサグサ刺さるから。
「そ、そっかな……俺はあんまり気にしてないけど」いや思いっきり気にしてるよ!
「ううん、あれほどまでに臭いのって逆に尊敬できますよ」
なんでだよ! そんなつまらねーことで尊敬なんてされたくねーし!
「それにイタチを一撃で失神させたってジンに聞きました。タケルの足の臭さってそれだけすごいんですよ。この際ですから必殺技にしませんか?」
あああああやめてくれよおおおおお!
なんかここ最近、コタローの言葉責めがエスカレートしてきてるような気がするし!!!

そして、そんなコタローの口撃に心折れそうになってた矢先に今度は!

「おい、上がるぜ足臭」
ボロボロの俺の心に追い討ちをかけるように、今度は窓から……そう、イタチのアニキとアケビが上がり込んできたんだ。
「おはようございます、コタローさん、足臭オオカミさん」
だからその呼び方はやめてくれよおおおお!

「つーか2人とも、なんの用事で俺んちに来たんだよ?」
「ああ、実はよ、アケビのやつが……」
「もう、お兄ちゃんは言わなくていいの!」
なんなんだ、アケビの方はすっげえ恥ずかしがってるし。

「足臭の方は関係ねーんだ、コタローに話があってよ」
「だから、お兄ちゃんは口閉じててよ!」
一体なんなんだ? 兄妹ゲンカか?
だけど要件は俺じゃないってよくわからねーんだよな……
そう言うとアニキは俺の耳元に駆け上ってきて、こそこそ話しかけてきたんだ。

「実はな、アケビのやつ……コタローと結婚したいって言い出して聞かねーんだ」

ええええええええええええええええ!?


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結局のところ、寝足りないっていうか……また布団の中。けどまずは朝ごはんの支度しなきゃ、あいつもいるんだし。
「おはようございます、掃除終わりましたよ」
突然のコタローの声で心臓が飛び出るかと思った! まさか、いつもの理由で早く目が覚めちゃったのかと思うと……土下座確定かもしれないし。
「それなんですけど、確かこの布団で並んで寝ていたのに、起きたらタケルの……」
あああごめんごめんごめんコタロー!
「タケルの大きなしっぽを抱いて寝ちゃってて……すいません」
え?
慌ててお尻を見たら……オイ待て俺いま人間の姿してるよな? けどワーウルフの時のでっかいしっぽがボン! と生えたままなんだ。どーなってんだよこれ!!!
「タケルのしっぽって気持ちいいんですよね。もふもふのふわふわでほんのり暖かくって」
無意識にしっぽブンブン振ってた。内心うれしかったり……とか?
「それとなんですけど……できれば今日だけ着替えを貸してもらえないでしょうか」
パンツ貸してくれだってさ。まあ俺とコタローは体格背丈ほぼ変わりないから大丈夫なんだけど、一体なんでかな?
「実は……」コタローのやつ、すっげ顔真っ赤になってるし!
「昨晩あのオオカミを見たとき……漏らしちゃったんです」
ふとベランダに目を向けると、うん……ふんどしっていうんだっけ、白くて長い布がひらひら外に干してあったんだ。
でも俺はそんなことで笑ったりはしない。だってあんな不気味で規格外のデカさのオオカミがいきなり目の前に出現したんだもん。ヘタしたら俺だってちびってたかも知れないしね。大人じゃないんだもん。漏らす可能性だってあるさ。
ありがとうございます! ってコタローは手をついて謝ってくれたけど、そんなことされると俺の方が恥ずかしいっていうか申し訳ないっていうか……まあ、サムライだからしょうがないかな。
⭐︎⭐︎⭐︎
「ずっと不思議に感じてたんですけど……タケルって、どうしてあんなに足が臭いんですか?」
食事中に唐突に言われて、口に含んだコーヒー牛乳思いっきり吹きそうになった。頼むからその質問やめてくれ、胸にグサグサ刺さるから。
「そ、そっかな……俺はあんまり気にしてないけど」いや思いっきり気にしてるよ!
「ううん、あれほどまでに臭いのって逆に尊敬できますよ」
なんでだよ! そんなつまらねーことで尊敬なんてされたくねーし!
「それにイタチを一撃で失神させたってジンに聞きました。タケルの足の臭さってそれだけすごいんですよ。この際ですから必殺技にしませんか?」
あああああやめてくれよおおおおお!
なんかここ最近、コタローの言葉責めがエスカレートしてきてるような気がするし!!!
そして、そんなコタローの口撃に心折れそうになってた矢先に今度は!
「おい、上がるぜ足臭」
ボロボロの俺の心に追い討ちをかけるように、今度は窓から……そう、イタチのアニキとアケビが上がり込んできたんだ。
「おはようございます、コタローさん、足臭オオカミさん」
だからその呼び方はやめてくれよおおおお!
「つーか2人とも、なんの用事で俺んちに来たんだよ?」
「ああ、実はよ、アケビのやつが……」
「もう、お兄ちゃんは言わなくていいの!」
なんなんだ、アケビの方はすっげえ恥ずかしがってるし。
「足臭の方は関係ねーんだ、コタローに話があってよ」
「だから、お兄ちゃんは口閉じててよ!」
一体なんなんだ? 兄妹ゲンカか?
だけど要件は俺じゃないってよくわからねーんだよな……
そう言うとアニキは俺の耳元に駆け上ってきて、こそこそ話しかけてきたんだ。
「実はな、アケビのやつ……コタローと結婚したいって言い出して聞かねーんだ」
ええええええええええええええええ!?