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ー/ーどうせだから、アケビにいろいろ聞いてみた。コタローに手当される前……かな、いったい何者に襲われたのかを。
「わたしも記憶がおぼろげなのですが……真っ白な犬でした。それだけは覚えてます」
え。
真っ白な犬って、まさか、いやそんな。
「身体のいたるところに傷跡がありました」
マジかよ!? ってそれもしかして……
「その犬の身体からはすごく澱んだ気のようなものが発せられてたんです」
どういうことかって? アケビが話すところによれば、まず最初、こいつらの縄張りにその白い犬が入ってきたらしく、追い払おうとアケビのアニキが単身向かっていったところ、突然ぶっ倒れちゃったんだって。
「弟たちも同じようにバタバタ倒れてしまって、そこから先は私も、だんだん記憶が……」
最後の力を振り絞って逃げようとしたアケビが、そいつの爪に身体を引き裂かれた。
その後に瀕死のアケビを救ってくれたのが、コタローなんだ。
……ワケわからなくなってきた。白くて全身に傷がある犬って、つまりはジンのこと?
ジンがそのスピリットだかなんだかでイタチの兄弟たちを凶暴化させて、そしてアケビを襲った。
けどそれはまだ一週間も経ってない。それ以前にもイタチによる被害報告はあったってジンの仲間の犬たちは話していた。
これってもしかして、俺が思っていた以上に根っこが深い事件なんじゃねーのかな?
それにもっと謎なのが、この事件の犯人がアケビの話す通りの……そう、ジンだとしたら。
なんで犯人が直々に話してくるんだ? そこからしておかしい。
だから俺はジンが犯人だとは思いたくない。
いや、違うと信じたい。
「コタロー様の匂いがしませんか?」
とアケビはスーパーの裏の駐車場で俺を止めた。
とはいってもコタローの匂いって今までまったく意識したことなかったなあ。
「あと、美味しそうな香りも、なんか……」
いやそれ、スーパーのお惣菜じゃねえのとアケビに言おうとしたけど、同時に、その……
まさかコタロー、スーパーの裏で捨てられた食材とか探してるんじゃないのかな、なんてすっげ失礼な想像しちゃったんだ。ほら、あいつ基本野宿でしょ? 金だって持ってない。俺が生活費貸そうかって持ちかけたら頑として断られちゃったし。
やめてよ、それじゃまんまホームレスじゃないか! 俺のせいじゃないとは分かってても、ふと俺の胸の奥に苦しさが込み上げてきた。
アケビは俺の肩からぴょんと飛び降りて、あっという間に駐車場のさらに奥の草むらへと。
俺もつられて走り出しちゃった。
こんなとこでメシするんだったら、俺んち来なよ。ね? って。
けど、そんな心配はしなくてもよかったみたい。
目の前にいきなり出てきたのは、使い込まれて至る所ボロボロだけどもそれなりに大きなテントだったんだ。中でつるされたランプがほんのり明るくって、そこには……そう、コタローのシルエットが見えてて。
「コタロー様!」
「え、君は……!?」
あわてて俺もテントに入ってっちゃった。
あいつ、鍋でお湯沸かして作ったラーメン食べてた。よかった、変なもの食べてなくて。
「大丈夫ですよ、確かに手軽なラーメンなことが多いですけど、食べられる野草とかたくさん採って入れてますし」
え、あ……そうなんだ、ごめん。バカな心配しちゃって。
「タケル……どうして泣いてるんですか?」
ああ……ほんとバカだな俺って。
「わたしも記憶がおぼろげなのですが……真っ白な犬でした。それだけは覚えてます」
え。
真っ白な犬って、まさか、いやそんな。
「身体のいたるところに傷跡がありました」
マジかよ!? ってそれもしかして……
「その犬の身体からはすごく澱んだ気のようなものが発せられてたんです」
どういうことかって? アケビが話すところによれば、まず最初、こいつらの縄張りにその白い犬が入ってきたらしく、追い払おうとアケビのアニキが単身向かっていったところ、突然ぶっ倒れちゃったんだって。
「弟たちも同じようにバタバタ倒れてしまって、そこから先は私も、だんだん記憶が……」
最後の力を振り絞って逃げようとしたアケビが、そいつの爪に身体を引き裂かれた。
その後に瀕死のアケビを救ってくれたのが、コタローなんだ。
……ワケわからなくなってきた。白くて全身に傷がある犬って、つまりはジンのこと?
ジンがそのスピリットだかなんだかでイタチの兄弟たちを凶暴化させて、そしてアケビを襲った。
けどそれはまだ一週間も経ってない。それ以前にもイタチによる被害報告はあったってジンの仲間の犬たちは話していた。
これってもしかして、俺が思っていた以上に根っこが深い事件なんじゃねーのかな?
それにもっと謎なのが、この事件の犯人がアケビの話す通りの……そう、ジンだとしたら。
なんで犯人が直々に話してくるんだ? そこからしておかしい。
だから俺はジンが犯人だとは思いたくない。
いや、違うと信じたい。
「コタロー様の匂いがしませんか?」
とアケビはスーパーの裏の駐車場で俺を止めた。
とはいってもコタローの匂いって今までまったく意識したことなかったなあ。
「あと、美味しそうな香りも、なんか……」
いやそれ、スーパーのお惣菜じゃねえのとアケビに言おうとしたけど、同時に、その……
まさかコタロー、スーパーの裏で捨てられた食材とか探してるんじゃないのかな、なんてすっげ失礼な想像しちゃったんだ。ほら、あいつ基本野宿でしょ? 金だって持ってない。俺が生活費貸そうかって持ちかけたら頑として断られちゃったし。
やめてよ、それじゃまんまホームレスじゃないか! 俺のせいじゃないとは分かってても、ふと俺の胸の奥に苦しさが込み上げてきた。
アケビは俺の肩からぴょんと飛び降りて、あっという間に駐車場のさらに奥の草むらへと。
俺もつられて走り出しちゃった。
こんなとこでメシするんだったら、俺んち来なよ。ね? って。
けど、そんな心配はしなくてもよかったみたい。
目の前にいきなり出てきたのは、使い込まれて至る所ボロボロだけどもそれなりに大きなテントだったんだ。中でつるされたランプがほんのり明るくって、そこには……そう、コタローのシルエットが見えてて。
「コタロー様!」
「え、君は……!?」
あわてて俺もテントに入ってっちゃった。
あいつ、鍋でお湯沸かして作ったラーメン食べてた。よかった、変なもの食べてなくて。
「大丈夫ですよ、確かに手軽なラーメンなことが多いですけど、食べられる野草とかたくさん採って入れてますし」
え、あ……そうなんだ、ごめん。バカな心配しちゃって。
「タケル……どうして泣いてるんですか?」
ああ……ほんとバカだな俺って。
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