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じっとしたままでいたら、2匹、3匹とせわしなく駐車場を駆けずり回ってきた。
まるで蛇みたいなひょろ長い胴体の動物。ネズミのようにキーキー、チィチィと鳴いている動物。
「やっぱりイタチだ……!」
薄茶色の長い身体に小さな黒い顔。傍目から見たらかわいいかも知れないけど、意外と獰猛なんだっけこの動物。
決してフェレットとかじゃない。つまりはワーイタチ。
立ち上がればおおよそ1メートルくらいだろうか。それが何匹もいるんだ!
「俺1人でやれるかな……」緊張で手が冷たくなってきているのが分かる。そしてまだ俺は人間のままだ。一刻も早く姿を変えなくちゃ!
中腰になって拳を握り締め、全身に力を込めていく。なんだっけこれ、スーパーなんちゃら人?

ぶっ。

ちがーう!!! 力み過ぎておならが出ちゃったし。いや周りに誰もいなくてよかった。
姿はというと……変わってない。ヤバいヤバい!
そんなバカなことをしているうち、イタチが集まって俺のことをじっと見てきたんだ。
赤い。まるでどす黒い血のように真っ赤に染まった目だ。
二本足で立ったまま、3匹の赤い目が俺の方をじっと見ている。しかもピクリとも動かねーし。
「獲物を狩る目か……」思わず独り言が出ちゃった。
怖い。あの目が怖い。見続けてるとまるで俺の身体も硬直しちゃうんじゃないかって思えるくらい。事前にトイレに行ってなきゃ絶対漏らしてた。それくらいゾッとする目だ。

ふとその時、コタローに教えてもらった神速のやり方が頭に浮かんだんだ。
その力で逃げるか、それとも立ち向かうか。2つの思惑が行ったり来たりしてる。
こいつの戦闘力なんて全然分からない、だから逃げた方が懸命なんだけど、もしコタローもジンも別の場所で戦っているとなると、俺だけさっさと逃げ出したことになっちまう。
「……ダメだと分かったら、ここから離れるかな」
ポイっと靴を脱ぎ捨てて、はだしで砂利道を踏みしめた。
たしか、足の指で地面をグッと握って、土踏まずの部分に一気に力を込めるんだったよな……コタローが教えてくれたことを思い出しながら、だけど視線はイタチから外さない。目を逸らしたら最後、一気に襲いかかってくるだろうから。
でもって近づいたらどうする、パンチとかキックで先制攻撃するか? いやそんなこと考えてるヒマなんてねえ!
利き足、つまり左の足の指をギュッと握って……足の裏からジェット噴射が出るのをイメージ。そのまま駆け出し、一気に距離を詰めた!
おそらくコタローに言わせれば「まだまだですよ」って言われるかも知れないけど早えええええ! そしてその一歩にビビるイタチの顔までなんか分かったし。
よっしゃそのまま必殺パーンチ!

ぼむっ。

なんか妙に柔らかくて軽い衝撃で、一匹吹っ飛んでった。とりあえずよし!!
……じゃなかった!残り2匹が飛びかかってきやがった!
俺の腕に噛みついてくる、いだいいだいいだいいい! この野郎もう許さねえ!

ズン! と俺の身体の中を爆発するみたいな衝撃が走った。これは、もしかしたら……
噛みついたままのイタチを振りほどく。そうだ! 俺、変身できた!
っつーことで、残り2匹か。覚悟しろよな……!


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じっとしたままでいたら、2匹、3匹とせわしなく駐車場を駆けずり回ってきた。
まるで蛇みたいなひょろ長い胴体の動物。ネズミのようにキーキー、チィチィと鳴いている動物。
「やっぱりイタチだ……!」
薄茶色の長い身体に小さな黒い顔。傍目から見たらかわいいかも知れないけど、意外と獰猛なんだっけこの動物。
決してフェレットとかじゃない。つまりはワーイタチ。
立ち上がればおおよそ1メートルくらいだろうか。それが何匹もいるんだ!
「俺1人でやれるかな……」緊張で手が冷たくなってきているのが分かる。そしてまだ俺は人間のままだ。一刻も早く姿を変えなくちゃ!
中腰になって拳を握り締め、全身に力を込めていく。なんだっけこれ、スーパーなんちゃら人?
ぶっ。
ちがーう!!! 力み過ぎておならが出ちゃったし。いや周りに誰もいなくてよかった。
姿はというと……変わってない。ヤバいヤバい!
そんなバカなことをしているうち、イタチが集まって俺のことをじっと見てきたんだ。
赤い。まるでどす黒い血のように真っ赤に染まった目だ。
二本足で立ったまま、3匹の赤い目が俺の方をじっと見ている。しかもピクリとも動かねーし。
「獲物を狩る目か……」思わず独り言が出ちゃった。
怖い。あの目が怖い。見続けてるとまるで俺の身体も硬直しちゃうんじゃないかって思えるくらい。事前にトイレに行ってなきゃ絶対漏らしてた。それくらいゾッとする目だ。
ふとその時、コタローに教えてもらった神速のやり方が頭に浮かんだんだ。
その力で逃げるか、それとも立ち向かうか。2つの思惑が行ったり来たりしてる。
こいつの戦闘力なんて全然分からない、だから逃げた方が懸命なんだけど、もしコタローもジンも別の場所で戦っているとなると、俺だけさっさと逃げ出したことになっちまう。
「……ダメだと分かったら、ここから離れるかな」
ポイっと靴を脱ぎ捨てて、はだしで砂利道を踏みしめた。
たしか、足の指で地面をグッと握って、土踏まずの部分に一気に力を込めるんだったよな……コタローが教えてくれたことを思い出しながら、だけど視線はイタチから外さない。目を逸らしたら最後、一気に襲いかかってくるだろうから。
でもって近づいたらどうする、パンチとかキックで先制攻撃するか? いやそんなこと考えてるヒマなんてねえ!
利き足、つまり左の足の指をギュッと握って……足の裏からジェット噴射が出るのをイメージ。そのまま駆け出し、一気に距離を詰めた!
おそらくコタローに言わせれば「まだまだですよ」って言われるかも知れないけど早えええええ! そしてその一歩にビビるイタチの顔までなんか分かったし。
よっしゃそのまま必殺パーンチ!
ぼむっ。
なんか妙に柔らかくて軽い衝撃で、一匹吹っ飛んでった。とりあえずよし!!
……じゃなかった!残り2匹が飛びかかってきやがった!
俺の腕に噛みついてくる、いだいいだいいだいいい! この野郎もう許さねえ!
ズン! と俺の身体の中を爆発するみたいな衝撃が走った。これは、もしかしたら……
噛みついたままのイタチを振りほどく。そうだ! 俺、変身できた!
っつーことで、残り2匹か。覚悟しろよな……!