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ところで、どうして居候と変わらないコタローにメシ作らせないの? って思うかもしれない。いやそんなこと考えることはないかな。
それはそうとして、あいつ料理が壊滅的にヘタクソなんだ。ある意味褒めたくなるほどのダメっぷり。だから掃除しかさせないようにしてる。
コタロー自身は食事作るの手伝いますよって言ってはくれているんだけど、普通に炊飯器で米を炊くのでも、ゆで卵作るのにしても、最終的には今まで見たことないような炭のカタマリが出来上がってしまうんだ。すっげえ不思議。
さすがにそれは俺の家の食費に大ダメージ与えかねないから、俺の家では作らせないようにしてるんだ。
けど……前にあいつの持ってるきったねー背負い袋の中をチラッと見たことあったんだけど、あったんだよね……キャンプに使うような炊飯セットが。
俺はこういう複雑な家庭事情だし、それだからたとえ親密な仲であっても相手の事情とかプライバシーは、そっちが言わない限りはあえて問いかけないようにしてる。
まあ流石に風呂入るのを渋ったときはつい「コタロー……おまえ女とかじゃないよね?」って聞いちゃったけど。大丈夫。一緒に風呂入る仲にまでなったから。
⭐︎⭐︎⭐︎
さて、いろいろ考えてたら翌日になっちゃった。
補足なんだけど、学校が臨時で休みの時とかにタブレットで勉強やら宿題やらが送られてくるのがとにかく嫌で嫌でしょうがないんだけど「僕がやりましょうか?」ってコタローのやつ、スラスラ宿題クリアしちゃってさ、あれはマジで驚いた。
前にノートに自分の名前を書いてくれたときはすっげ達筆なのを披露してくれたけど、正直なところ、学校行ってないんだし、勉強なり義務教育なりは平気なの……ってまるで俺が保護者みたいに心配しちゃって。
けどそんな心配は無用。マジで俺より頭良いし! いやいや体育以外万年赤ゲージギリギリの俺と比べちゃうのは失礼かもしれないけどね。でも助かる。コタローを居候にさせたのは正解だった!

……脇道それちゃった。けど昨日コタローに好きですよなんて言われて以来、妙に気になってしまうこともある。
そんなあいつと今、ジンをはさんで夜の散歩中ってわけ。
事前に飼い主のおばさんには話はつけてある。演技だけどジンは俺にすごく懐いてることもしてくれたし。後で散々悪態つかれたけどね。
「当たり前だろ、俺はテメェになんて尻尾振ったりしねえからな」
うん、絶対言うと思った。
「あと大の始末はきちんとしろよ、ションベンしたらきちんと水かけとけ」
「なんで俺がおまえの下の世話しなくちゃいけねーんだよ!」
「グダグダいうな、戦うことになっても助けてやらねーぞ」
「いいよ、俺にはコタローがいるし」
「2人とも、なんかすごく仲良い感じに見えますね」
「そっか?」
なあんて言ってたら、ジンは大きく鼻でため息ついたんだ。ブフーって思いっきり。

「おい、そのコタローって奴は友達か? それとも仲間か?」
真面目な顔で俺に聞いてきたから、俺はすぐに両方だよって返しておいた。
「……そいつのこと、大事にしろよ」
当たり前だよって言おうと思ったんだけど、ジンの思いなんだろうか。スッと俺の頭の中に声がまた入り込んできたんだ。
「俺にもそんな仲間がいたら……な」って。
どういう意味なんだろう。聞いてないフリしておいたけど。

そうしている内に、俺たちはいつもの……そう、コタローと神速の修行を時たまやっている公園へと着いた。もちろん誰もいない、寒い風だけが吹いている公園とは名ばかりの殺風景な場所だ。
ここだ。ってことでジンは首輪を外してくれって。
「例のイタチの情報な、ここが被害多発している」
だってさ。ってコタローにも伝えようと振り返ったら……

いない! コタロー突然いなくなっちゃった!
どーしたんだよ一体、トイレか? いやそんなバカな!
「やつの匂いなら分かる。お前はここで待ってろ!」

えええジンまでいなくなるのかよちょっと!
慌てて引き止めようとした時だった。
向かいの草むらに、小さな赤い光が見えたんだ。
それもすげえたくさん!

もしかして、俺……包囲されちゃったり?


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ところで、どうして居候と変わらないコタローにメシ作らせないの? って思うかもしれない。いやそんなこと考えることはないかな。
それはそうとして、あいつ料理が壊滅的にヘタクソなんだ。ある意味褒めたくなるほどのダメっぷり。だから掃除しかさせないようにしてる。
コタロー自身は食事作るの手伝いますよって言ってはくれているんだけど、普通に炊飯器で米を炊くのでも、ゆで卵作るのにしても、最終的には今まで見たことないような炭のカタマリが出来上がってしまうんだ。すっげえ不思議。
さすがにそれは俺の家の食費に大ダメージ与えかねないから、俺の家では作らせないようにしてるんだ。
けど……前にあいつの持ってるきったねー背負い袋の中をチラッと見たことあったんだけど、あったんだよね……キャンプに使うような炊飯セットが。
俺はこういう複雑な家庭事情だし、それだからたとえ親密な仲であっても相手の事情とかプライバシーは、そっちが言わない限りはあえて問いかけないようにしてる。
まあ流石に風呂入るのを渋ったときはつい「コタロー……おまえ女とかじゃないよね?」って聞いちゃったけど。大丈夫。一緒に風呂入る仲にまでなったから。
⭐︎⭐︎⭐︎
さて、いろいろ考えてたら翌日になっちゃった。
補足なんだけど、学校が臨時で休みの時とかにタブレットで勉強やら宿題やらが送られてくるのがとにかく嫌で嫌でしょうがないんだけど「僕がやりましょうか?」ってコタローのやつ、スラスラ宿題クリアしちゃってさ、あれはマジで驚いた。
前にノートに自分の名前を書いてくれたときはすっげ達筆なのを披露してくれたけど、正直なところ、学校行ってないんだし、勉強なり義務教育なりは平気なの……ってまるで俺が保護者みたいに心配しちゃって。
けどそんな心配は無用。マジで俺より頭良いし! いやいや体育以外万年赤ゲージギリギリの俺と比べちゃうのは失礼かもしれないけどね。でも助かる。コタローを居候にさせたのは正解だった!
……脇道それちゃった。けど昨日コタローに好きですよなんて言われて以来、妙に気になってしまうこともある。
そんなあいつと今、ジンをはさんで夜の散歩中ってわけ。
事前に飼い主のおばさんには話はつけてある。演技だけどジンは俺にすごく懐いてることもしてくれたし。後で散々悪態つかれたけどね。
「当たり前だろ、俺はテメェになんて尻尾振ったりしねえからな」
うん、絶対言うと思った。
「あと大の始末はきちんとしろよ、ションベンしたらきちんと水かけとけ」
「なんで俺がおまえの下の世話しなくちゃいけねーんだよ!」
「グダグダいうな、戦うことになっても助けてやらねーぞ」
「いいよ、俺にはコタローがいるし」
「2人とも、なんかすごく仲良い感じに見えますね」
「そっか?」
なあんて言ってたら、ジンは大きく鼻でため息ついたんだ。ブフーって思いっきり。
「おい、そのコタローって奴は友達か? それとも仲間か?」
真面目な顔で俺に聞いてきたから、俺はすぐに両方だよって返しておいた。
「……そいつのこと、大事にしろよ」
当たり前だよって言おうと思ったんだけど、ジンの思いなんだろうか。スッと俺の頭の中に声がまた入り込んできたんだ。
「俺にもそんな仲間がいたら……な」って。
どういう意味なんだろう。聞いてないフリしておいたけど。
そうしている内に、俺たちはいつもの……そう、コタローと神速の修行を時たまやっている公園へと着いた。もちろん誰もいない、寒い風だけが吹いている公園とは名ばかりの殺風景な場所だ。
ここだ。ってことでジンは首輪を外してくれって。
「例のイタチの情報な、ここが被害多発している」
だってさ。ってコタローにも伝えようと振り返ったら……
いない! コタロー突然いなくなっちゃった!
どーしたんだよ一体、トイレか? いやそんなバカな!
「やつの匂いなら分かる。お前はここで待ってろ!」
えええジンまでいなくなるのかよちょっと!
慌てて引き止めようとした時だった。
向かいの草むらに、小さな赤い光が見えたんだ。
それもすげえたくさん!
もしかして、俺……包囲されちゃったり?