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お月様が満ちるまで

ー/ー



 昔々、ある国にとても悲しそうに空を仰ぐ、長い黒髪の姫がいました。

 姫が泣いている理由。

 それは、大切な民達が飢えなどで苦しんでいること、そしてそれは自分に助ける力がないことが、悔しくて堪らなかったからでした。

 そんな優しい姫がずっと泣き止まなかった為に、空はみるみるうちに雲に覆われ、国中を灰色の世界へと変えてしまったのです。

 ある夜のこと。

 遠い国から、この噂を聞き付けたとある商人が、姫が住む城を訪れました。

 商人は、訪れた理由を王様達に話し、姫がいるであろう中庭へと案内してもらいました。

 予想通り、今日も姫は口を一文字にして空を仰いでいます。

 端から見たその姿は、“涙を(コボ)すまい”と必死に我慢しているようでした。

 そんな姫は、お付きの女性に声をかけられると、急いで頬を伝い始めた涙を、両手で拭き取りながら、用事を訊ねました。

 鈴を鳴らしたような澄んだその声に、驚きを隠せなかった商人でしたが、直ぐに真面目な表情になって、姫の今の気持ちを落ち着かせる薬を持ってきたことを伝えました。

「気持ちを落ち着かせる薬?」

 振り向かず、だけど訝し気な表情を浮かべ、商人に訊ねる姫。

「はい」

 商人はそう返事をすると、麻で編んだ巾着袋から、小さな袋を3つ取り出しました。

 それを桐で作られた丸いテーブルの上に置きながら
「こちらを明日から3日間お湯に溶かして、月の下でお飲み下さい」
と、甘く優しい声で説明しました。

「月なんて出ていないわ!」

 姫の鋭い指摘に対して、商人は冷静な態度で
「今宵は十二夜でございますが、厚い雲が見えなくしているのです」
と、淡々とした声で説明しました。

“今日飲んではいけないの?”と、姫が困惑した瞳で訊ねると、直ぐ様商人は
「満月に向かっていくにつれて、効果が発揮されるように調合しております故、明日十三夜からお飲み下さるよう、お願い致します」
と、再び説明しながら、頭を深く下げました。

胡散臭いとは思いましたが、恭しく顔を上げた商人の澄んだ双眸を見た姫は、取り敢えず今は信じてみようと考え直し
「分かりました、明日からその薬とやらを飲んでみましょう」
と、少々ムッとした表情で、そう言いました。

「今夜は早めの就寝をお勧め致します。
そうすることにより、薬の効果がさらに増しますので」

 商人はそう告げて会釈をし、姫の側からゆっくりと離れていきました。

 誰もいなくなった部屋で、再び一人になった姫はというと、商人が置いていったティーバックにちらりと目配せをしてから、床に就きました。

 次の日の夜。

 小雨が降る中庭へ足を運んだ姫の右手には、バラが描かれた可愛いティーカップが、大切に握られていました。

 中には、商人が持ってきた紅茶、しかもこの国ではとても珍しいフルーツティーと呼ばれているものでした。

 姫は本当に気持ちが落ち着くのだろうかと、半信半疑で、カップに半分程注がれたフルーツティーを、一口含みました。

 すると、姫の瞳に輝きが増し、思わず“美味しい”と呟きました。

 リンゴの酸っぱくも爽やかな味が、姫の口の中に一気に広がっていったのです。

 それからの姫は何も言わず、“もう一口、もう一口”とフルーツティーを口に運びました。

 ふと気付くと、姫はフルーツティー全てを飲み干していました。

「こんなに美味しい紅茶は、生まれて初めてだわ」

 そう呟いた姫は、更に心に覆い被さっていた薄いベールが剥がれていることに気付きました。

 モヤモヤが取れ、心が晴れ晴れとした、爽快な気分を味わう姫。

「リンゴの他にも、何か入っていたような味が……?」
 
 やがて、記憶を思い起こすように曇り空を見上げた姫は、驚きの声を上げました。

 なんと、今まで空を覆っていた灰色の雲が、綺麗さっぱり姿を消していたのです。

 あんなに厚かった雲が、一体何処へ消えてしまったのかと、あちこちを探した姫の瞳に、ほぼ丸い形で浮かんでいた月の姿が、飛び込んできました。

「これが……十三夜と呼ばれるお月様なのね」

 感慨深く呟く姫の脳裏に、雨の日の光景が思い浮かび
「もしかすると、あの雲が降らした雨は、天の恵みを運んでくれていたのかもしれないわね」
と、安堵の溜め息と共にそう呟きました。

 そんな姫は、久方ぶりに見た月を暫くの間愛で続けていました。

 次の日もまた、昨晩と同じよう、に中庭へと足を運ぶ姫。

 その手には、紫陽花柄をあしらったティーカップが、優しく大切に握られていました。

 姫の表情は、昨晩とはうって変わり、心無しか微笑んでいるように見えます。

“今日はどんなフルーツの味なのかしら?”

 姫は内心嬉しそうに呟きながら、カップを覗き込みました。

 不思議なことに、昨晩はリンゴの香りが強く(カオ)っていたのに、今晩淹れた紅茶は矢張甘酸っぱいオレンジの香りがしたのです。

 姫は、昨晩のこともあってか、何の疑いもせず、オレンジの味を楽しみながら、月の下でゆっくりと紅茶を飲み干しました。

“ふぅ、美味しかった……”と感慨深く呟く姫の身に、今度はまるで太陽にでも当たっているかのように、心がほかほかとしてきたのです。

 気が付くと、体も温かくなり、いつの間にか口の両端を上げてにっこりと笑っていました。

「笑うなんて、数ヶ月ぶりだわ」

 姫はフルーツティーを持ってきてくれた商人に感謝しながら、満月へと近づいていく月に瞳を向け
「きっと、ギラギラと()を降り注ぐ太陽も、私達の生活を陰で助けてくれていたのかもしれないわね……」
と、呟いて瞳を閉じました。

 そして、とうとうフルーツティーを飲む最後の日がやってきました。

 姫の手の中にある、葡萄が描かれたティーカップに注がれたフルーツティーが、“早く飲んで!”と優しく急かしています。

 湯気から香るフルーツの匂いから察するに、フルーツティー同様に、この国では珍しい果物である、ほんのり甘い柿が入っているようでした。

 姫は、クスッと嬉しそうに笑い、橙色に染まる甘い柿を想像しながら、フルーツティーを体全体に染み渡らせるように、大切に大切に飲み干しました。

“美味しかった”と感慨深く呟く姫の表情は、もう飲めないのかという悲しさで一杯です。

 ですが、それも束の間の出来事のようでした。

 姫は、今何処にいるのか分からない、謎多き商人の姿を満月に思い描きながら、心から深く感謝しました。

 すると、心がふわふわと軽くなり、今にも夜空を飛べそうな気分になりました。

「満月に隠れている数多の星達も、民同様に私達を陰で支えてくれていたのね」

 姫は、普段よりも黄色く輝く丸い月の陰に、息を潜めているであろう無数の星達に、国の為に懸命に働いてくれている民達の姿を重ね、感謝の涙を流しました。

 数ヶ月ぶりに笑顔を取り戻した姫を、端から見ていた王様達は、とても嬉しくなって、宴を催そうと計画を立てます。

 招待された客人の中には、あの商人も入っていました。

 しかし、お城にやって来たのは、あの見ず簿らしい商人ではなく、数人のお付きを従えた隣国の王子だったのです。

 最初は困惑した姫でしたが、王子が発する思いやりに満ちた言葉達を聞き、彼があの時の商人だと確信しました。

 王子は驚きの色を隠せずにいる、姫の透き通った手を取り
「あの時、商人と偽って近づいたことをお許し下さい」
 と、謝りながら頭を下げました。

“何か理由(ワケ)でも?”と、瞳で語る姫。

 顔を少し上げた王子は、姫の視線から溢れる優しさを感じ取り
「嘆き悲しむ姫を励ます為に会おうとしても、きっと拒否されると思い、まずは商人の姿を纏って、近づいたのです」
 と、さも申し訳なさそうに理由を述べました。

「その気が利いたあなたの行動で、私は笑顔を取り戻せましたわ」

 姫は満面の笑みを浮かべ、いつまでも頭を下げ続ける王子に「さぁ、顔をお上げになって下さいな」
 と、優しく且つ甘い声で求めました。

 しかし、王子は自身のした行為が許せないのか、なかなか顔を上げてはくれません。

 否、そうではなく。

「姫、今宵は十六夜です」
「……はい?」
「十六夜は、煌々と照らす満月が新月に向かって、少し欠けるという、なんとも言えない寂しさを漂わせる月のことです」
「そう……ですね」
「つきましては、その……」
「……」
「私と正式なお付き合いをして頂けないかと」

 王子は、とても緊張してしまったのでしょう。

 しどろもどろになりながらも勇気を振り絞り、黙って事の成り行きを見守る姫に、震え声で胸の内を明かしました。

「その事ですが……」
 
 姫は少し躊躇(タメラ)った後、深呼吸をしてから
「申し訳ありませんが、もう少しだけ待って頂けませんか?」
と、赤らめた顔で、伏せたままの王子にそう告げました。

「姫がそう仰るのなら仕方がありません」

“いつまでも待ちましょう”と、王子は姫の申し出を快く引き受け、やっと顔を上げました。

 風の噂によると、この後二人はじっくりと愛を育み、結ばれたそうです。

 そして、あの時姫が飲んだフルーツティーは、数百年たった今でも、国民達に深く愛されているそうな。

お仕舞い






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 昔々、ある国にとても悲しそうに空を仰ぐ、長い黒髪の姫がいました。
 姫が泣いている理由。
 それは、大切な民達が飢えなどで苦しんでいること、そしてそれは自分に助ける力がないことが、悔しくて堪らなかったからでした。
 そんな優しい姫がずっと泣き止まなかった為に、空はみるみるうちに雲に覆われ、国中を灰色の世界へと変えてしまったのです。
 ある夜のこと。
 遠い国から、この噂を聞き付けたとある商人が、姫が住む城を訪れました。
 商人は、訪れた理由を王様達に話し、姫がいるであろう中庭へと案内してもらいました。
 予想通り、今日も姫は口を一文字にして空を仰いでいます。
 端から見たその姿は、“涙を溢《コボ》すまい”と必死に我慢しているようでした。
 そんな姫は、お付きの女性に声をかけられると、急いで頬を伝い始めた涙を、両手で拭き取りながら、用事を訊ねました。
 鈴を鳴らしたような澄んだその声に、驚きを隠せなかった商人でしたが、直ぐに真面目な表情になって、姫の今の気持ちを落ち着かせる薬を持ってきたことを伝えました。
「気持ちを落ち着かせる薬?」
 振り向かず、だけど訝し気な表情を浮かべ、商人に訊ねる姫。
「はい」
 商人はそう返事をすると、麻で編んだ巾着袋から、小さな袋を3つ取り出しました。
 それを桐で作られた丸いテーブルの上に置きながら
「こちらを明日から3日間お湯に溶かして、月の下でお飲み下さい」
と、甘く優しい声で説明しました。
「月なんて出ていないわ!」
 姫の鋭い指摘に対して、商人は冷静な態度で
「今宵は十二夜でございますが、厚い雲が見えなくしているのです」
と、淡々とした声で説明しました。
“今日飲んではいけないの?”と、姫が困惑した瞳で訊ねると、直ぐ様商人は
「満月に向かっていくにつれて、効果が発揮されるように調合しております故、明日十三夜からお飲み下さるよう、お願い致します」
と、再び説明しながら、頭を深く下げました。
胡散臭いとは思いましたが、恭しく顔を上げた商人の澄んだ双眸を見た姫は、取り敢えず今は信じてみようと考え直し
「分かりました、明日からその薬とやらを飲んでみましょう」
と、少々ムッとした表情で、そう言いました。
「今夜は早めの就寝をお勧め致します。
そうすることにより、薬の効果がさらに増しますので」
 商人はそう告げて会釈をし、姫の側からゆっくりと離れていきました。
 誰もいなくなった部屋で、再び一人になった姫はというと、商人が置いていったティーバックにちらりと目配せをしてから、床に就きました。
 次の日の夜。
 小雨が降る中庭へ足を運んだ姫の右手には、バラが描かれた可愛いティーカップが、大切に握られていました。
 中には、商人が持ってきた紅茶、しかもこの国ではとても珍しいフルーツティーと呼ばれているものでした。
 姫は本当に気持ちが落ち着くのだろうかと、半信半疑で、カップに半分程注がれたフルーツティーを、一口含みました。
 すると、姫の瞳に輝きが増し、思わず“美味しい”と呟きました。
 リンゴの酸っぱくも爽やかな味が、姫の口の中に一気に広がっていったのです。
 それからの姫は何も言わず、“もう一口、もう一口”とフルーツティーを口に運びました。
 ふと気付くと、姫はフルーツティー全てを飲み干していました。
「こんなに美味しい紅茶は、生まれて初めてだわ」
 そう呟いた姫は、更に心に覆い被さっていた薄いベールが剥がれていることに気付きました。
 モヤモヤが取れ、心が晴れ晴れとした、爽快な気分を味わう姫。
「リンゴの他にも、何か入っていたような味が……?」
 やがて、記憶を思い起こすように曇り空を見上げた姫は、驚きの声を上げました。
 なんと、今まで空を覆っていた灰色の雲が、綺麗さっぱり姿を消していたのです。
 あんなに厚かった雲が、一体何処へ消えてしまったのかと、あちこちを探した姫の瞳に、ほぼ丸い形で浮かんでいた月の姿が、飛び込んできました。
「これが……十三夜と呼ばれるお月様なのね」
 感慨深く呟く姫の脳裏に、雨の日の光景が思い浮かび
「もしかすると、あの雲が降らした雨は、天の恵みを運んでくれていたのかもしれないわね」
と、安堵の溜め息と共にそう呟きました。
 そんな姫は、久方ぶりに見た月を暫くの間愛で続けていました。
 次の日もまた、昨晩と同じよう、に中庭へと足を運ぶ姫。
 その手には、紫陽花柄をあしらったティーカップが、優しく大切に握られていました。
 姫の表情は、昨晩とはうって変わり、心無しか微笑んでいるように見えます。
“今日はどんなフルーツの味なのかしら?”
 姫は内心嬉しそうに呟きながら、カップを覗き込みました。
 不思議なことに、昨晩はリンゴの香りが強く香《カオ》っていたのに、今晩淹れた紅茶は矢張甘酸っぱいオレンジの香りがしたのです。
 姫は、昨晩のこともあってか、何の疑いもせず、オレンジの味を楽しみながら、月の下でゆっくりと紅茶を飲み干しました。
“ふぅ、美味しかった……”と感慨深く呟く姫の身に、今度はまるで太陽にでも当たっているかのように、心がほかほかとしてきたのです。
 気が付くと、体も温かくなり、いつの間にか口の両端を上げてにっこりと笑っていました。
「笑うなんて、数ヶ月ぶりだわ」
 姫はフルーツティーを持ってきてくれた商人に感謝しながら、満月へと近づいていく月に瞳を向け
「きっと、ギラギラと陽《ヒ》を降り注ぐ太陽も、私達の生活を陰で助けてくれていたのかもしれないわね……」
と、呟いて瞳を閉じました。
 そして、とうとうフルーツティーを飲む最後の日がやってきました。
 姫の手の中にある、葡萄が描かれたティーカップに注がれたフルーツティーが、“早く飲んで!”と優しく急かしています。
 湯気から香るフルーツの匂いから察するに、フルーツティー同様に、この国では珍しい果物である、ほんのり甘い柿が入っているようでした。
 姫は、クスッと嬉しそうに笑い、橙色に染まる甘い柿を想像しながら、フルーツティーを体全体に染み渡らせるように、大切に大切に飲み干しました。
“美味しかった”と感慨深く呟く姫の表情は、もう飲めないのかという悲しさで一杯です。
 ですが、それも束の間の出来事のようでした。
 姫は、今何処にいるのか分からない、謎多き商人の姿を満月に思い描きながら、心から深く感謝しました。
 すると、心がふわふわと軽くなり、今にも夜空を飛べそうな気分になりました。
「満月に隠れている数多の星達も、民同様に私達を陰で支えてくれていたのね」
 姫は、普段よりも黄色く輝く丸い月の陰に、息を潜めているであろう無数の星達に、国の為に懸命に働いてくれている民達の姿を重ね、感謝の涙を流しました。
 数ヶ月ぶりに笑顔を取り戻した姫を、端から見ていた王様達は、とても嬉しくなって、宴を催そうと計画を立てます。
 招待された客人の中には、あの商人も入っていました。
 しかし、お城にやって来たのは、あの見ず簿らしい商人ではなく、数人のお付きを従えた隣国の王子だったのです。
 最初は困惑した姫でしたが、王子が発する思いやりに満ちた言葉達を聞き、彼があの時の商人だと確信しました。
 王子は驚きの色を隠せずにいる、姫の透き通った手を取り
「あの時、商人と偽って近づいたことをお許し下さい」
 と、謝りながら頭を下げました。
“何か理由《ワケ》でも?”と、瞳で語る姫。
 顔を少し上げた王子は、姫の視線から溢れる優しさを感じ取り
「嘆き悲しむ姫を励ます為に会おうとしても、きっと拒否されると思い、まずは商人の姿を纏って、近づいたのです」
 と、さも申し訳なさそうに理由を述べました。
「その気が利いたあなたの行動で、私は笑顔を取り戻せましたわ」
 姫は満面の笑みを浮かべ、いつまでも頭を下げ続ける王子に「さぁ、顔をお上げになって下さいな」
 と、優しく且つ甘い声で求めました。
 しかし、王子は自身のした行為が許せないのか、なかなか顔を上げてはくれません。
 否、そうではなく。
「姫、今宵は十六夜です」
「……はい?」
「十六夜は、煌々と照らす満月が新月に向かって、少し欠けるという、なんとも言えない寂しさを漂わせる月のことです」
「そう……ですね」
「つきましては、その……」
「……」
「私と正式なお付き合いをして頂けないかと」
 王子は、とても緊張してしまったのでしょう。
 しどろもどろになりながらも勇気を振り絞り、黙って事の成り行きを見守る姫に、震え声で胸の内を明かしました。
「その事ですが……」
 姫は少し躊躇《タメラ》った後、深呼吸をしてから
「申し訳ありませんが、もう少しだけ待って頂けませんか?」
と、赤らめた顔で、伏せたままの王子にそう告げました。
「姫がそう仰るのなら仕方がありません」
“いつまでも待ちましょう”と、王子は姫の申し出を快く引き受け、やっと顔を上げました。
 風の噂によると、この後二人はじっくりと愛を育み、結ばれたそうです。
 そして、あの時姫が飲んだフルーツティーは、数百年たった今でも、国民達に深く愛されているそうな。
お仕舞い