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コンビニの裏口に通じる路地で、まだそれほど年行ってない若いお巡りさんが、まるで石にでもされちゃったみたいに驚いた顔のまま固まっている。
俺の足元には大量の小銭。一体何でこれほどまでに大量にあるんだろう? って思っちゃうくらい破れたリュックの穴から一気にこぼれ落ちた。

どうすりゃいいんだ、姉貴以外の人に見られたなんて初めてだ。いや、コンビニのおじさんにも見られちゃったけど、直後に気絶したからあれはセーフなんじゃないかって信じてる。
いやそうじゃない、強盗にも見られてるじゃないか、でもあれだって何かのコスプレだと思ってたみたいだし、あれもセーフか。
俺はこの場から急いで逃げようとした……けど、足が動かない。なんて言えばいいんだこれ、ハンターに見つけられた動物っていうのかな。お巡りさんの目から顔を逸らすことが出来ない。

やがてお巡りさんは、ガタガタ震える手で俺を指さし、こう言った。
「ご、強盗かお前!?」
違う違う! 俺は強盗なんかじゃねぇ。俺はあいつから金を取り返しに来ただけなのに!
って言いたかったんだけど、俺も緊張してて言葉が出ない。どうにか顔の前で手をブンブン振るくらいしかできなかった。
お巡りさんは、今度は腰にある警棒を抜いて、また俺に警告した。
「その着ぐるみを脱ぐんだ!」
やっべぇ、これってもしかして俺が犯人そのものじゃないか。いや、もうどこから見ても犯人としか言いようがないし。
でも、相手は俺のことをコスプレか狼の着ぐるみ付けてるものだと思い込んでるみたいだ。でもまぁ当たり前だよな、本物の狼男だって思える方がどうかしてるし。
でもこの場合、一体どうすればいいんだ……お巡りさんに説明する? それとも逃げようか。
俺はその2つしかとっさに思い浮かばなかった。でもどっちにしたって無理な結論だ。この姿で偶然強盗と出くわして、そして乱闘の末に盗られたお金取り返してここに置こうとしたんです。なんて絶対に信じてもらえないだろう。
逃げようとしたって、この足じゃまともに走れないし。
でも…
我慢出来るか、俺。


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コンビニの裏口に通じる路地で、まだそれほど年行ってない若いお巡りさんが、まるで石にでもされちゃったみたいに驚いた顔のまま固まっている。
俺の足元には大量の小銭。一体何でこれほどまでに大量にあるんだろう? って思っちゃうくらい破れたリュックの穴から一気にこぼれ落ちた。
どうすりゃいいんだ、姉貴以外の人に見られたなんて初めてだ。いや、コンビニのおじさんにも見られちゃったけど、直後に気絶したからあれはセーフなんじゃないかって信じてる。
いやそうじゃない、強盗にも見られてるじゃないか、でもあれだって何かのコスプレだと思ってたみたいだし、あれもセーフか。
俺はこの場から急いで逃げようとした……けど、足が動かない。なんて言えばいいんだこれ、ハンターに見つけられた動物っていうのかな。お巡りさんの目から顔を逸らすことが出来ない。
やがてお巡りさんは、ガタガタ震える手で俺を指さし、こう言った。
「ご、強盗かお前!?」
違う違う! 俺は強盗なんかじゃねぇ。俺はあいつから金を取り返しに来ただけなのに!
って言いたかったんだけど、俺も緊張してて言葉が出ない。どうにか顔の前で手をブンブン振るくらいしかできなかった。
お巡りさんは、今度は腰にある警棒を抜いて、また俺に警告した。
「その着ぐるみを脱ぐんだ!」
やっべぇ、これってもしかして俺が犯人そのものじゃないか。いや、もうどこから見ても犯人としか言いようがないし。
でも、相手は俺のことをコスプレか狼の着ぐるみ付けてるものだと思い込んでるみたいだ。でもまぁ当たり前だよな、本物の狼男だって思える方がどうかしてるし。
でもこの場合、一体どうすればいいんだ……お巡りさんに説明する? それとも逃げようか。
俺はその2つしかとっさに思い浮かばなかった。でもどっちにしたって無理な結論だ。この姿で偶然強盗と出くわして、そして乱闘の末に盗られたお金取り返してここに置こうとしたんです。なんて絶対に信じてもらえないだろう。
逃げようとしたって、この足じゃまともに走れないし。
でも…
我慢出来るか、俺。