入り日良ければ明日天気Ⅰ Red sky at night , sallor's delight.
ー/ー デザートまで堪能して、一人二千円で治まった。
田中、やるじゃん。
レジで会計をしてる間に、シェフが見送りにやって来た。
座ってたせいか気が付かなったけど、側に立ったらけっこう細いんだなぁこの人。
田中がずっとごきげんなのは、この先生の店に来たからか、オレたちと飯を食ったからか。
「今日はご来店いただき、ありがとうございました」
「ごちそうさまでした」
和やかな雰囲気で挨拶を返し、紅緒はシェフと握手までしていた。
シェフの手は温かいらしい。
「また、来ます」
目が合ったので、思わず言ってしまったぞ。
「是非」
何だ、その嬉しそうな笑顔は。顧客が一人増えたからか。
「お待ちしております」
もう一回来たくなる店ではあるな。笑顔を返しとくか。
階段を登り、路地から出て明治通りに向かい歩き出す。
「田中、美味かったよ。いい店紹介してくれてありがとう」
「よせよぉ、笠神。そんなに言われたら恥ずかしくなるわ」
どっちなんだ、やっぱり分からん。
「また連れてってくださいね、ナオト先輩」
「べーちゃんまで。分かったよ、言ってくれれば何時でも連れて行くよ」
照れてやがる。たまには一緒に飯食ってやるか、田中よ。
「さて、オレらもそろそろ帰るが」
おっとそうだった。司法研修所プチ見学ツアーするんだった。
「お前らマジで付いてくる気?」
「うん。行くよ」
マジかよ。
「え、司法研修所に来るの? 中は入れないよ」
「崇ちゃんから聞いたから知ってる、ね」
と隣の亘に同意を求める。
「ああ、入れなくても門から覗けるって言ってたから」
「変わった趣味してるなぁ」
覗きが趣味ってことじゃねーぞ。紅緒も亘も、たぶん。
「そう? どんなところか見るだけだから、ね。先輩」
あんな建物見て何が面白いんだ、と田中は頭を捻り紅緒に聞いていた。
建物自体に興味はないよ、流石のコイツラだってどういう場所かが気になるんだけだろ。
ま、興味本位なのは否めないが。
亘と紅緒は司法研修所の門まで付いてきて、遠目で去年落成したばかりの庁舎を眺め帰っていった。
帰りは散歩がてらに歩いて駅まで戻るんだと。
歩けば2、30分の距離だから散歩にはちょうどいいかもな。
それから田中と寮へ戻り、明日の打ち合わせを軽くして部屋に戻った。
ベッドに入ったは良いが、しかし眠れん。
くそう、くだらんことは考えんな。
布団に入ったら、頭を無にしろ……考えるな。
寝る前は。
オレら兄弟と紅緒は、言ってみれば兄弟同然に育った。
家に帰っても誰も居ない事が多い紅緒の家。
逆に、その隣のオレの家というか社務所に行けば、必ず誰かが居た。
お袋も居れば、親父に輝爺に禰宜の加瀬さんや、巫女さんたち。
まー爺も、たまに顔を出してたな。
変化が起きたのは、小3の二学期。夏休み明けの9月。
イギリスから亘が転校してきてからだ。
日本人なのに、初めて日本に来たという変な奴。
なのに日本語を流暢に話し、神社の鳥居を面白がって、やけに日本の文化に詳しい奴。
そして、オレと直樹を間違えずに見分けた二人目の人間だった。
田中、やるじゃん。
レジで会計をしてる間に、シェフが見送りにやって来た。
座ってたせいか気が付かなったけど、側に立ったらけっこう細いんだなぁこの人。
田中がずっとごきげんなのは、この先生の店に来たからか、オレたちと飯を食ったからか。
「今日はご来店いただき、ありがとうございました」
「ごちそうさまでした」
和やかな雰囲気で挨拶を返し、紅緒はシェフと握手までしていた。
シェフの手は温かいらしい。
「また、来ます」
目が合ったので、思わず言ってしまったぞ。
「是非」
何だ、その嬉しそうな笑顔は。顧客が一人増えたからか。
「お待ちしております」
もう一回来たくなる店ではあるな。笑顔を返しとくか。
階段を登り、路地から出て明治通りに向かい歩き出す。
「田中、美味かったよ。いい店紹介してくれてありがとう」
「よせよぉ、笠神。そんなに言われたら恥ずかしくなるわ」
どっちなんだ、やっぱり分からん。
「また連れてってくださいね、ナオト先輩」
「べーちゃんまで。分かったよ、言ってくれれば何時でも連れて行くよ」
照れてやがる。たまには一緒に飯食ってやるか、田中よ。
「さて、オレらもそろそろ帰るが」
おっとそうだった。司法研修所プチ見学ツアーするんだった。
「お前らマジで付いてくる気?」
「うん。行くよ」
マジかよ。
「え、司法研修所に来るの? 中は入れないよ」
「崇ちゃんから聞いたから知ってる、ね」
と隣の亘に同意を求める。
「ああ、入れなくても門から覗けるって言ってたから」
「変わった趣味してるなぁ」
覗きが趣味ってことじゃねーぞ。紅緒も亘も、たぶん。
「そう? どんなところか見るだけだから、ね。先輩」
あんな建物見て何が面白いんだ、と田中は頭を捻り紅緒に聞いていた。
建物自体に興味はないよ、流石のコイツラだってどういう場所かが気になるんだけだろ。
ま、興味本位なのは否めないが。
亘と紅緒は司法研修所の門まで付いてきて、遠目で去年落成したばかりの庁舎を眺め帰っていった。
帰りは散歩がてらに歩いて駅まで戻るんだと。
歩けば2、30分の距離だから散歩にはちょうどいいかもな。
それから田中と寮へ戻り、明日の打ち合わせを軽くして部屋に戻った。
ベッドに入ったは良いが、しかし眠れん。
くそう、くだらんことは考えんな。
布団に入ったら、頭を無にしろ……考えるな。
寝る前は。
オレら兄弟と紅緒は、言ってみれば兄弟同然に育った。
家に帰っても誰も居ない事が多い紅緒の家。
逆に、その隣のオレの家というか社務所に行けば、必ず誰かが居た。
お袋も居れば、親父に輝爺に禰宜の加瀬さんや、巫女さんたち。
まー爺も、たまに顔を出してたな。
変化が起きたのは、小3の二学期。夏休み明けの9月。
イギリスから亘が転校してきてからだ。
日本人なのに、初めて日本に来たという変な奴。
なのに日本語を流暢に話し、神社の鳥居を面白がって、やけに日本の文化に詳しい奴。
そして、オレと直樹を間違えずに見分けた二人目の人間だった。
みんなのリアクション
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
おすすめ作品を読み込み中です…
作者の他の作品
この作者の他作品はありません。
この作品と似た作品
似た傾向の作品は見つかりませんでした。
この作品を読んだ人が読んでいる作品
読者の傾向からおすすめできる作品がありませんでした。
おすすめ作品は現在準備中です。
おすすめ作品の取得に失敗しました。時間をおいて再度お試しください。