暑い。
あまりに暑い。
人間の耐えられる気温を遥かに超えている様な日々が続く中、溶けてしまう人が続出した。外はひっきりなしに救急車のサイレンが鳴り響き、暑苦しい。まるで蝉の鳴き声だと思う。
あまりの暑さに外出禁止令が敷かれ、屋外スピーカーからは数時間おきにクーラーをつけ、体調に異変があったら医療相談所に電話するよう促されている。
TVやラジオが病院の病床数が限界を迎えているとひっきりなしに伝えているが、伝えたところで増える訳でもないのにと冷めた目で見ている。
「新型ウイルスでも医療崩壊は辛うじて免れたのに、まさか暑さで崩壊するとは誰も思わなかったよなぁ~。」
溶けた人を戻すには冷やし固めるしかない。その為、大型冷蔵施設のある場所は今や野戦病院と化している。人は溶けると沸騰する様に泡が出て、最後は泡だけになって消える。
そんな終わりがあるのかと、バスタブで他人事の様に考えていた。