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第1話 始業の鐘

ー/ー



ゴーンゴーン

その音は会社中に流れた。

なんの変哲もない朝の9時。
なんの変哲もない1日の始まりだ。


-はじまりの鐘-


上司「晃。この仕事頼めるか?」

晃「はい。もちろんです」

上司「すまないな。頼んだ」

彼の名前は晃(あきら)。
都内のそこそこな大きさの会社で会社員として働いている男性。
彼は仕事に対して熱心で、与えられた業務も真面目にこなす。

香菜「晃君、今日も頑張ってるわね!」

彼女の名前は香菜(かな)。
晃と同じ部署で働いているOL。
彼女はとても優しく、晃も何度も助けられたことがある。

二人は同じ時期に入社した言わば同期だ。
しかし仕事以外での会話はなく、同期とは言うものの結構ドライな関係だ。

晃「香菜さん、お褒めの言葉ありがとうございます」

香菜「いいのよ、そんな畏まらなくても」

晃「あはは…でも今回はちょっと難しそうなものを任されちゃいました」

香菜「あら、大丈夫?」

晃「まぁ、頑張ります」

香菜「その調子よ!」

こう言ったものの、今回任されたものは本当に難しいものだ。
もしかしたら今夜は徹夜かもしれない。
それどころか、家に帰ることが出来るかすら曖昧だ。

晃「気力で頑張らないと」

俺は与えられた仕事に一点集中で取り組んだ。
やはり俺の予想は当たっていて、今のペースだと2日3日は余裕でかかってしまう。
こうなったからには本気で取り組むしかない。
俺は集中して机の仕事に取り組んだ。
気づいたら昼、いや定時過ぎになってしまった。

上司「晃君。真面目なのは良いが流石にもう定時だぞ?」

晃「あ、もうそんな時間でしたか」

上司「別に今日中に終わらせる必要は無いんだから、終わりにしたらどうだ?」

晃「いえ、今日中にできる限り終わらせたいので」

上司「そ、そうか?無理はするなよ」

晃「はい。ありがとうございます」

上司はそう言って帰っていった。
部署の人が続々と帰る中で、俺はずっと机に向かっていた。


-時間が経ち、気づけば夜。-
オフィスは電気が消えて、パソコンの青白い光が顔を照らしていた。
眠い。今すぐ寝たい。でも終わらせないといけない…
脳内で自分に語りかけてた時に

-ピカッ-

オフィス内の電気が着いた
おかしいな。勝手につくようなはずぢゃないし…

-「まだやってたのね」

電気のスイッチの近くには香菜さんが立っていた。

晃「香菜さん!?なんでいるんですか?」

香菜「晃君が1人で仕事してるって聞いて」

晃「それで来たと…?」

香菜「そう。私も手伝ったあげたくて」

晃「ありがとうございます。でも大丈夫」

香菜「え、なんで?」

晃「他人にまで迷惑かけたくないので」

香菜「私達は同期なんだから時には助け合わないと」

晃「でも…」

香菜「はい、口答え終了。これコーヒー」

香菜さんは俺に自販機で売ってる缶のコーヒーを差し出した。
そういえば、今日水分補給したっけ?

晃「あ、ありがとうございます」

香菜「一緒に頑張りましょう!」

それから俺は香菜さんと一緒に仕事を片付けた。
時には香菜さんからのアドバイスを受けて効率的に進めていった。

-そして-

晃「終わったー!」

香菜「やっと終わったわね!」

ついに終わらせることができた。
どれだけの時間が経ったのだろうか?
外はいつの間にか明るくなっていた。

-「おはよう!…ってお前らまさか」

晃「はい…」

香菜「徹夜で終わらせました…」

上司「そんな無理してやらなくて言いって俺言ったはずだぞ!?」

上司が来たってことは、もう少ししたら始業時間ってことか…

晃「流石に眠すぎる…」

香菜「本当。今日頑張れるかしら…?」

疲弊している中でも続々と部署に社員がやって来る。
顔を見ると全員驚いた表情だ。

ゴーンゴーン

始業の鐘が鳴った。

また一日が始まるのだ。


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ゴーンゴーン
その音は会社中に流れた。
なんの変哲もない朝の9時。
なんの変哲もない1日の始まりだ。
-はじまりの鐘-
上司「晃。この仕事頼めるか?」
晃「はい。もちろんです」
上司「すまないな。頼んだ」
彼の名前は晃(あきら)。
都内のそこそこな大きさの会社で会社員として働いている男性。
彼は仕事に対して熱心で、与えられた業務も真面目にこなす。
香菜「晃君、今日も頑張ってるわね!」
彼女の名前は香菜(かな)。
晃と同じ部署で働いているOL。
彼女はとても優しく、晃も何度も助けられたことがある。
二人は同じ時期に入社した言わば同期だ。
しかし仕事以外での会話はなく、同期とは言うものの結構ドライな関係だ。
晃「香菜さん、お褒めの言葉ありがとうございます」
香菜「いいのよ、そんな畏まらなくても」
晃「あはは…でも今回はちょっと難しそうなものを任されちゃいました」
香菜「あら、大丈夫?」
晃「まぁ、頑張ります」
香菜「その調子よ!」
こう言ったものの、今回任されたものは本当に難しいものだ。
もしかしたら今夜は徹夜かもしれない。
それどころか、家に帰ることが出来るかすら曖昧だ。
晃「気力で頑張らないと」
俺は与えられた仕事に一点集中で取り組んだ。
やはり俺の予想は当たっていて、今のペースだと2日3日は余裕でかかってしまう。
こうなったからには本気で取り組むしかない。
俺は集中して机の仕事に取り組んだ。
気づいたら昼、いや定時過ぎになってしまった。
上司「晃君。真面目なのは良いが流石にもう定時だぞ?」
晃「あ、もうそんな時間でしたか」
上司「別に今日中に終わらせる必要は無いんだから、終わりにしたらどうだ?」
晃「いえ、今日中にできる限り終わらせたいので」
上司「そ、そうか?無理はするなよ」
晃「はい。ありがとうございます」
上司はそう言って帰っていった。
部署の人が続々と帰る中で、俺はずっと机に向かっていた。
-時間が経ち、気づけば夜。-
オフィスは電気が消えて、パソコンの青白い光が顔を照らしていた。
眠い。今すぐ寝たい。でも終わらせないといけない…
脳内で自分に語りかけてた時に
-ピカッ-
オフィス内の電気が着いた
おかしいな。勝手につくようなはずぢゃないし…
-「まだやってたのね」
電気のスイッチの近くには香菜さんが立っていた。
晃「香菜さん!?なんでいるんですか?」
香菜「晃君が1人で仕事してるって聞いて」
晃「それで来たと…?」
香菜「そう。私も手伝ったあげたくて」
晃「ありがとうございます。でも大丈夫」
香菜「え、なんで?」
晃「他人にまで迷惑かけたくないので」
香菜「私達は同期なんだから時には助け合わないと」
晃「でも…」
香菜「はい、口答え終了。これコーヒー」
香菜さんは俺に自販機で売ってる缶のコーヒーを差し出した。
そういえば、今日水分補給したっけ?
晃「あ、ありがとうございます」
香菜「一緒に頑張りましょう!」
それから俺は香菜さんと一緒に仕事を片付けた。
時には香菜さんからのアドバイスを受けて効率的に進めていった。
-そして-
晃「終わったー!」
香菜「やっと終わったわね!」
ついに終わらせることができた。
どれだけの時間が経ったのだろうか?
外はいつの間にか明るくなっていた。
-「おはよう!…ってお前らまさか」
晃「はい…」
香菜「徹夜で終わらせました…」
上司「そんな無理してやらなくて言いって俺言ったはずだぞ!?」
上司が来たってことは、もう少ししたら始業時間ってことか…
晃「流石に眠すぎる…」
香菜「本当。今日頑張れるかしら…?」
疲弊している中でも続々と部署に社員がやって来る。
顔を見ると全員驚いた表情だ。
ゴーンゴーン
始業の鐘が鳴った。
また一日が始まるのだ。