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第5話 イングリッシュ・プリーズ

ー/ー



 平沢のことは友人Aと宮下に任せることにして、オレは桜並木警察署に向かうため電車に乗った。

 聖子先生から頼りにされ、小躍りした二人のだらしない顔は友達として恥ずかしいことこの上なかったが、平沢の元を訪ねるには適役だと思った。

 恐らく、オレが会いに行ったところで、平沢は会ってくれなかったに違いない。屋上での一件が平沢の心に黒い影を落としていることが想像できたからだ。

 平沢がオレを殺そうとしたのは元凶に憑依を受けていたからであって、彼の本心ではなかったはず。

 あの日から、どんな気持ちで日々を過ごしているのか。平沢を思うと鉛を飲み込んだ気持ちになった。

 電車は桜並木駅に到着した。

 ドアが開き、ホームに降り立ったときだった。マナーモードにしていたスマホが震えた。相手は三田村さんだ。

「もしもーし、(まこと) 君。悪いんだけど、取り調べの時間をずらしてもらえないかな。急ぎの用事が入っちゃってさ」

 申し訳なさそうに謝罪の言葉を口にする三田村さんの後ろからは男の怒鳴り声が聞こえてきた。どうやら、予期せぬ揉め事が発生し、てんやわんやの状態のようだ。

「気にしないでください。時間を潰してから、向かいます」

「そうしてもらえると有難い。悪いね、迎えに行けなくて」

「忙しそうですね」

「お偉いさんが来店しちゃってね。猫の手も借りたいくらい忙しいのに安藤はサボっているし。戻ってきたら上司の権限を発動させて、雷を落としてやろうと思っているよ」

 三田村さんの上司とも雷神ともつかない宣言を聞いて電話を切った。

 安藤さんはよく、「三田村サンはサボっている」と非難するけれど、オレには三田村さんと安藤さんのどっちがサボり魔なのか正直わからなかった。

 昨夜も通り魔事件の事後処理をしていたのは三田村さんだったし、安藤さんは事件に関心があるのかないのか、刑事らしからぬ態で、ぼんやりと現場を観察するのに徹していた。きっと、どっちもどっちなのだろうな。

 ぽっかり空いてしまった予定をどうやって埋めようか考えていると、不意に莉帆(りほ)と交わした約束を思い出した。

「なあ、今から莉帆の家に行かないか」

「お母さんと大ちゃんに遺言を届けるんだね」

 真之助がふたつ返事で賛成してくれた。

 莉帆の家は幽霊坂の近くで、徒歩ではかなり時間がかかる。だが、幸い、ここは駅だ。最寄り駅までバスを使って移動することにしよう。

 莉帆の母親が留守かもしれないのに突然訪ねる気になったのは、不思議だが、虫の知らせという非科学的な直観のような、名状しがたい強力な磁力に引っ張られたのだ。

 改札を抜け、駅西口から表へ出た。バスロータリーは目の前だ。

 幽霊坂、改め浅間坂行きの乗り場で時刻表を確認すると、バスがやって来るまでまだ少し時間があった。ゲームでもして時間を潰そうと思い、ポケットからスマホを取り出したとき、

「テメェ、ふざけんじゃねえぞ!」

 ケンカのようだった。男の怒声がする方に顔を向けると、線路と並行に走る細い路地に複数の影が見えた。

 真之助と顔を見合わせてから、足音を立てないようにそっと近づいていくと、学生服の集団がひとりの男子学生を殴ったり、蹴ったり、髪を引っ張ったりと思い思いの暴力を発揮しているのだとわかった。

 着崩した制服には見覚えがある。自称百獣の王、上野と同じ高校だ。

「もしかすると、あいつら上野と取り巻きたちじゃねえの?」

 人目を憚らず本能のままに暴れる高校生と言えば? そう訊ねられたら、オレは真っ先に上野を選出する。

 やられっぱなしの学生は無抵抗だった。恐怖で声を発することもできないのか、サイレント映画を見ている気分になる。

 これは正々堂々とした男同士の殴り合いではなく、悪質で陰湿な集団暴行であり、執拗に繰り出される暴力はどうすれば相手に強いダメージを負わせられるか競い合っているかのようだった。

 沸々と怒りが小さな気泡となって沸騰し始めた。上野たちの餌食にされてしまった学生の運の悪さに同情する。

 だから、駅前交番から警察を呼ぶために(きびす)を返そうとしたとき、真之助の方から現実味のない言葉が発せられたのには驚いた。

「ひどいなぁ、ボッコボコにされてるよ。上野君が」

 フカフカのカーペットに寝そべり、パクパクお菓子をついばみながら映画鑑賞するように、優雅で悠長な物言いだった。

「真之助さん、今なんと仰いました?」

「上野君が取り巻き君たちにボッコボコにされているんだよ。まさに下剋上だね。いや、上野君は百獣の王だから弱肉強食と言った方がいいのかな。あれ、自然淘汰だっけ?」

「どっちでもいいって」

 まさか、やられている方が上野だとはにわかに信じられなかった。

 取り巻き連中は使い古した雑巾のようにグッタリとした上野を、下品な言葉で罵ると、顎に鋭い蹴りをお見舞いした。

 ゴロゴロと二転三転し、上野はオレの足元へと転がってくる。

 目と目が合ってしまっては逃げるわけにもいかず、挨拶代わりの皮肉が口をついていた。

「群れに新ボスが誕生したのかよ。ライオンの世界は厳しいんだな」

「……うっせえ」

 上野はプライドを傷つけられたことが耐えきれないのか、殴られたダメージが大きいのか、頸動脈に牙を立てられた草食動物よりも遥かに弱々しく、体を持ち上げようとしなかった。もちろん、いつものマウントを取る余裕もなく、ただ一点を見つめている。

 オレもそれ以上、上野を気にすることはできなかった。

 というのも、取り巻き連中の群れを割るようにして、ひどく目つきの悪い男が姿を現したからだ。

「お前もparty(パーティー)に参加してく?」

 上野に対するリンチをパーティーと表現するセンスも気に入らないが、それ以上に、気取った話し方が鼻についた。「party」をキレイに発音したところで粗暴行為が品よくなるはずも、帳消しになるはずもない。

「遠慮、しとく」

 オレがそう答えると、期待通りの言葉だったのか、男は満足げに薄い唇を吊り上げた。その表情で思い出した。

 昨日、上野に追いかけられたときに、後方からラスボス感を漂わせながらポケットに手を突っ込んで悠然と歩いていた斑金髪(まだらきんぱつ)がこいつだ、と。

 学生服の集団の中、斑金髪はたったひとりだけ私服姿で異彩を放っていた。

 高校生でもなければ、大学生でもなさそうだった。かといって社会人にもユーチューバーにも見えない。私服の下に(たくま)しい筋肉が自己主張していることだけははっきりとしている。一撃を食らったらタダではすまなそうだ。

「見た通りのchicken(チキン)だな。参加しねえんだったら、さっさと退散しな。オレたちはこのバカにお仕置きしなきゃならねえんだよ」

「お仕置きって、上野が何かしたのか?」

rule(ルール)を破ったから痛めつけてんだよ。規則を守れないやつにはそれ相応のpenalty(ペナルティ)を与えなきゃならない、社会の常識だろ」

「だからって少しやりすぎだと思うよ。ケンカのルールを知らないのはそっちじゃないのかな?」

 もちろん、そう威勢よく啖呵(たんか)を切ったのは真之助であって、オレではない。オレは真之助の声が聞こえない振りをして、仕切り直す。

「罰を与えるって言っても、ここ、駅前だぜ? 駅前交番と目と鼻の先。警察が来る前に解散した方がいいと思うけど」

「お前、誰にorder(オーダー)してるか、わかってんの?」

「あんたがどこの誰かなんか知るか。オレは親切にadvice(アドバイス)してやってんだよ!」

 滑った。しかも、壮大に。

 知らずに斑金髪の影響を受け、英単語を混ぜ込んでしまった。そう自覚したときにはやはり辺りは静まり返っていた。

 一瞬にして訪れる沈黙を、「天使が通り過ぎる」と海外では表現することもあるが、このとき実際に通り過ぎたのは凍てつくような寒風だった。周囲に風除けもなければ、逃げ込む穴も見つからないのが悔やまれる。

「アンビリバボー! これが私のお付き人の発言だなんて信じられないよ!」

「シャラップ、シャラップ! こっちだって死ぬほど恥ずかしいんだよ!」

 寒さから体を温めようと腕を擦る真之助に、オレは自棄になって吠えたてた。

 このあと起こることは大体の想像がつく。

 真之助も同じことを考えていたのか、ニヤリと笑みを交わしたのを合図に「逃げろ」と一斉に地面を蹴った。

 くたびれしおれた上野の体を、オレの右肩に、真之助の左肩に抱えて。

 斑金髪がいきり立つ声が背後から浴びせられるが振り返らなかった。
 
 小学生から中学生までの間、上野にさんざんいじめ倒されてきたオレは、斑金髪の開催するパーティーに参加する権利はあっても、上野を助ける義理や借りなど一切ないはずだった。

 それなのに体が勝手に動き、上野の腕を取っていた。

 成り行きとはいえ、これには自分が一番驚いているのだが、是非とも上野には今日のことを深く心に刻み込み、今後オレに足を向けて眠るようなことはやめてもらいたいものだ。

 オレたちは発車寸前のバスに乗り込んだ。

 浅間坂ゆき。

 ドアが閉まる──。


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 平沢のことは友人Aと宮下に任せることにして、オレは桜並木警察署に向かうため電車に乗った。
 聖子先生から頼りにされ、小躍りした二人のだらしない顔は友達として恥ずかしいことこの上なかったが、平沢の元を訪ねるには適役だと思った。
 恐らく、オレが会いに行ったところで、平沢は会ってくれなかったに違いない。屋上での一件が平沢の心に黒い影を落としていることが想像できたからだ。
 平沢がオレを殺そうとしたのは元凶に憑依を受けていたからであって、彼の本心ではなかったはず。
 あの日から、どんな気持ちで日々を過ごしているのか。平沢を思うと鉛を飲み込んだ気持ちになった。
 電車は桜並木駅に到着した。
 ドアが開き、ホームに降り立ったときだった。マナーモードにしていたスマホが震えた。相手は三田村さんだ。
「もしもーし、|真《まこと》 君。悪いんだけど、取り調べの時間をずらしてもらえないかな。急ぎの用事が入っちゃってさ」
 申し訳なさそうに謝罪の言葉を口にする三田村さんの後ろからは男の怒鳴り声が聞こえてきた。どうやら、予期せぬ揉め事が発生し、てんやわんやの状態のようだ。
「気にしないでください。時間を潰してから、向かいます」
「そうしてもらえると有難い。悪いね、迎えに行けなくて」
「忙しそうですね」
「お偉いさんが来店しちゃってね。猫の手も借りたいくらい忙しいのに安藤はサボっているし。戻ってきたら上司の権限を発動させて、雷を落としてやろうと思っているよ」
 三田村さんの上司とも雷神ともつかない宣言を聞いて電話を切った。
 安藤さんはよく、「三田村サンはサボっている」と非難するけれど、オレには三田村さんと安藤さんのどっちがサボり魔なのか正直わからなかった。
 昨夜も通り魔事件の事後処理をしていたのは三田村さんだったし、安藤さんは事件に関心があるのかないのか、刑事らしからぬ態で、ぼんやりと現場を観察するのに徹していた。きっと、どっちもどっちなのだろうな。
 ぽっかり空いてしまった予定をどうやって埋めようか考えていると、不意に|莉帆《りほ》と交わした約束を思い出した。
「なあ、今から莉帆の家に行かないか」
「お母さんと大ちゃんに遺言を届けるんだね」
 真之助がふたつ返事で賛成してくれた。
 莉帆の家は幽霊坂の近くで、徒歩ではかなり時間がかかる。だが、幸い、ここは駅だ。最寄り駅までバスを使って移動することにしよう。
 莉帆の母親が留守かもしれないのに突然訪ねる気になったのは、不思議だが、虫の知らせという非科学的な直観のような、名状しがたい強力な磁力に引っ張られたのだ。
 改札を抜け、駅西口から表へ出た。バスロータリーは目の前だ。
 幽霊坂、改め浅間坂行きの乗り場で時刻表を確認すると、バスがやって来るまでまだ少し時間があった。ゲームでもして時間を潰そうと思い、ポケットからスマホを取り出したとき、
「テメェ、ふざけんじゃねえぞ!」
 ケンカのようだった。男の怒声がする方に顔を向けると、線路と並行に走る細い路地に複数の影が見えた。
 真之助と顔を見合わせてから、足音を立てないようにそっと近づいていくと、学生服の集団がひとりの男子学生を殴ったり、蹴ったり、髪を引っ張ったりと思い思いの暴力を発揮しているのだとわかった。
 着崩した制服には見覚えがある。自称百獣の王、上野と同じ高校だ。
「もしかすると、あいつら上野と取り巻きたちじゃねえの?」
 人目を憚らず本能のままに暴れる高校生と言えば? そう訊ねられたら、オレは真っ先に上野を選出する。
 やられっぱなしの学生は無抵抗だった。恐怖で声を発することもできないのか、サイレント映画を見ている気分になる。
 これは正々堂々とした男同士の殴り合いではなく、悪質で陰湿な集団暴行であり、執拗に繰り出される暴力はどうすれば相手に強いダメージを負わせられるか競い合っているかのようだった。
 沸々と怒りが小さな気泡となって沸騰し始めた。上野たちの餌食にされてしまった学生の運の悪さに同情する。
 だから、駅前交番から警察を呼ぶために|踵《きびす》を返そうとしたとき、真之助の方から現実味のない言葉が発せられたのには驚いた。
「ひどいなぁ、ボッコボコにされてるよ。上野君が」
 フカフカのカーペットに寝そべり、パクパクお菓子をついばみながら映画鑑賞するように、優雅で悠長な物言いだった。
「真之助さん、今なんと仰いました?」
「上野君が取り巻き君たちにボッコボコにされているんだよ。まさに下剋上だね。いや、上野君は百獣の王だから弱肉強食と言った方がいいのかな。あれ、自然淘汰だっけ?」
「どっちでもいいって」
 まさか、やられている方が上野だとはにわかに信じられなかった。
 取り巻き連中は使い古した雑巾のようにグッタリとした上野を、下品な言葉で罵ると、顎に鋭い蹴りをお見舞いした。
 ゴロゴロと二転三転し、上野はオレの足元へと転がってくる。
 目と目が合ってしまっては逃げるわけにもいかず、挨拶代わりの皮肉が口をついていた。
「群れに新ボスが誕生したのかよ。ライオンの世界は厳しいんだな」
「……うっせえ」
 上野はプライドを傷つけられたことが耐えきれないのか、殴られたダメージが大きいのか、頸動脈に牙を立てられた草食動物よりも遥かに弱々しく、体を持ち上げようとしなかった。もちろん、いつものマウントを取る余裕もなく、ただ一点を見つめている。
 オレもそれ以上、上野を気にすることはできなかった。
 というのも、取り巻き連中の群れを割るようにして、ひどく目つきの悪い男が姿を現したからだ。
「お前も|party《パーティー》に参加してく?」
 上野に対するリンチをパーティーと表現するセンスも気に入らないが、それ以上に、気取った話し方が鼻についた。「party」をキレイに発音したところで粗暴行為が品よくなるはずも、帳消しになるはずもない。
「遠慮、しとく」
 オレがそう答えると、期待通りの言葉だったのか、男は満足げに薄い唇を吊り上げた。その表情で思い出した。
 昨日、上野に追いかけられたときに、後方からラスボス感を漂わせながらポケットに手を突っ込んで悠然と歩いていた|斑金髪《まだらきんぱつ》がこいつだ、と。
 学生服の集団の中、斑金髪はたったひとりだけ私服姿で異彩を放っていた。
 高校生でもなければ、大学生でもなさそうだった。かといって社会人にもユーチューバーにも見えない。私服の下に|逞《たくま》しい筋肉が自己主張していることだけははっきりとしている。一撃を食らったらタダではすまなそうだ。
「見た通りの|chicken《チキン》だな。参加しねえんだったら、さっさと退散しな。オレたちはこのバカにお仕置きしなきゃならねえんだよ」
「お仕置きって、上野が何かしたのか?」
「|rule《ルール》を破ったから痛めつけてんだよ。規則を守れないやつにはそれ相応の|penalty《ペナルティ》を与えなきゃならない、社会の常識だろ」
「だからって少しやりすぎだと思うよ。ケンカのルールを知らないのはそっちじゃないのかな?」
 もちろん、そう威勢よく|啖呵《たんか》を切ったのは真之助であって、オレではない。オレは真之助の声が聞こえない振りをして、仕切り直す。
「罰を与えるって言っても、ここ、駅前だぜ? 駅前交番と目と鼻の先。警察が来る前に解散した方がいいと思うけど」
「お前、誰に|order《オーダー》してるか、わかってんの?」
「あんたがどこの誰かなんか知るか。オレは親切に|advice《アドバイス》してやってんだよ!」
 滑った。しかも、壮大に。
 知らずに斑金髪の影響を受け、英単語を混ぜ込んでしまった。そう自覚したときにはやはり辺りは静まり返っていた。
 一瞬にして訪れる沈黙を、「天使が通り過ぎる」と海外では表現することもあるが、このとき実際に通り過ぎたのは凍てつくような寒風だった。周囲に風除けもなければ、逃げ込む穴も見つからないのが悔やまれる。
「アンビリバボー! これが私のお付き人の発言だなんて信じられないよ!」
「シャラップ、シャラップ! こっちだって死ぬほど恥ずかしいんだよ!」
 寒さから体を温めようと腕を擦る真之助に、オレは自棄になって吠えたてた。
 このあと起こることは大体の想像がつく。
 真之助も同じことを考えていたのか、ニヤリと笑みを交わしたのを合図に「逃げろ」と一斉に地面を蹴った。
 くたびれしおれた上野の体を、オレの右肩に、真之助の左肩に抱えて。
 斑金髪がいきり立つ声が背後から浴びせられるが振り返らなかった。
 小学生から中学生までの間、上野にさんざんいじめ倒されてきたオレは、斑金髪の開催するパーティーに参加する権利はあっても、上野を助ける義理や借りなど一切ないはずだった。
 それなのに体が勝手に動き、上野の腕を取っていた。
 成り行きとはいえ、これには自分が一番驚いているのだが、是非とも上野には今日のことを深く心に刻み込み、今後オレに足を向けて眠るようなことはやめてもらいたいものだ。
 オレたちは発車寸前のバスに乗り込んだ。
 浅間坂ゆき。
 ドアが閉まる──。