ナギの話
ー/ー 三人の魔女たちは、個性的でそれぞれ独自の魔法を持ち暮らしていた。おまけに三者三様に協調性は皆無で、それぞれのペースで生活をする。
あしちゃんはおっちょこちょい。自分の魔法の範疇は完璧なのにはねちゃんとひれちゃんのペースに巻き込まれると、途端に手が回らなくなって貧乏くじをひく。
はねちゃんはせっかちで石頭。あわてんぼうのあしちゃんとのんびり屋のひれちゃんの間で振り回されつつ、先陣を切ってしまうがばかり、事件に頭ごと突っ込んでいく羽目になる。
ひれちゃんはとにかく行き当たりばったり。それでいて、あしちゃんのごはんに依存したり、はねちゃんのパトロールがないと危険を察知できなかったりするのんびり屋。ひれちゃんに至っては、今までどうやって暮らしてきたのかというくらいの生活能力のなさ。彼女は泳いでいたからわかんない、と話しているが。
とにかく、この魔女たちは魔女という属性が同じだけで、どうして一緒に暮らしているのかよくわからない人達だった。
ところが事態は一変。いつのまにか、私を中心に回り始めた三人の魔女の生活は否応なしに協調せざるを得なくなったのである。
あしちゃんがご飯を作っている時には、はねちゃんとひれちゃんは私をあやさなければなくなったし、ひれちゃんが私をお風呂に入れている時は、あしちゃんとはねちゃんが急いで片づけと洗濯をする。
あなたが自立するまで大変だったんだから! と強調して話すのはいつもひれちゃんだ。
「一番大変だったのは、あしだろう」
「はねちゃんもなかなか大変だったよねえ」
はねちゃんとあしちゃんがひれちゃんに突っ込む。そのたびに、私だって大変だったんだよ! とひれちゃんは頬を膨らませる。
足のない人魚にとっては、足のある赤ちゃんを育てるのは、他の二人とは違い、勝手が違って難しかったのはうかがえる。
私が成長するにつれて、三人の魔女たちは私のことを赤ちゃんや子供とは言えなくなってきた。一年、また一年と時間が経つにつれて、私は赤ん坊というには年を取りすぎてしまっていたから。
私という子供を一時の事件だと思っていた魔女たち。私に名前を付けてしまえば、一時に預かった子供ではなくなってしまうだろう
それでも、魔女たちの意見は一致していた。
私は魔女たちにナギという名前を与えられた。
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