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その12

ー/ー



私の名前は田中健二。今年で45才。いわゆるアラフィフだ。
いよいよ、握手会が迫ってきて、私がドキドキしているころ。
あの2人は、フードコートで休憩をしていた。
「時間になりましたので、Star☆Dreamの握手会を開始しまーす!」
スタッフが大きな声で案内する。ついに、この時が来た。もう、心臓が飛び出そうだ。サインはデビューシングルにもらうことにした。ペンの準備もOKだ。後は、いかに短い時間で爪痕を残せるかが勝負!どうやら、一人ずつパーテーションの中に案内されるようだ、1番の人がまず中に入っていった。私たち4人の順番は、10番・アヤ師匠、11番・ミドリさん、12番・マサさん、13番・私の順だ。他の3人が短時間で何を話すのかも気になるが、今はそれどころではない。自分のことでいっぱいいっぱいだ。。。
「10番の方!」
「あ、私だ。行ってくるね。」
アヤ師匠が呼ばれた。ついに来た。私ももうすぐ呼ばれる。アヤ師匠はユウくんと、何を話すのだろう?
「アヤちゃん、ユウくんと何話すのかなぁ?」
やはり、ミドリさんも気になるようだ。私はユウくんと何を話そう?他のメンバーとも話したいし。でも、やっぱり、ユウくんが一番だからなぁ。あ、何を話すか、全く考えて来てない!どうしよう。無言はまずいよな。「応援してます」とか「頑張ってください」とか、当たり前のことしか言えないぞ。こんなことでは、爪痕なんか残せない。握手って片手なんだろうか?両手なんだろうか?時間が短いから、大したことは言えないだろうな。でも、沢山話したいしなぁ。とにかく短時間で爪痕を残すには、インパクト勝負だな。でも、変なファンとは思われたく無いな。。。「13番の方!」
はっ!?ミドリさんとマサさんが居ない!?い、いつの間に!
「は、はい!」
「こちらから中にどうぞ。」
ついに呼ばれた。私は、促されるままにパーテーションの中に進んで行った。
ま、眩しい!私は、目が眩みそうになった。
長いテーブルが置かれている、そこには、スタドリの5人が並んで立っていた。みんな笑顔だ。リーダーのコウくん、リュウくん、ケンくん、タクミくん、そして、ユウくん。順番に並んでいる。「こちらから、どうぞ。」
スタッフに促されるまま、私は、コウくんの前に行く。心臓が飛び出そうだ。

「こんにちは。CD買ってくれてありがとうございます。」
コウくんが両手を出す。私は戸惑いながらも両手を出して握手をした。
「応援してます。」
「ありがとう。」
流石にリーダー。しっかりしている。
そうだ、サインをお願いしなくては。
「サインをしてもらって良いですか?」
「もちろん!全員分がいいかな?」
「お願いします!」
そう言って、CDとペンを渡す。
コウくんは、手際よくサインを書くと、次のリュウくんに回す。という感じで順番に回していく。
「CDは、ユウくんからもらってね。」
私は、コウくんともう一度握手をして、リュウくんの前に移動した。

リュウくんは、男の私から見ても、大人っぽくてセクシーだ。
「CD買ってくれて、ありがとう。」
話す声もセクシーだ。
「名前は?」
「ケンジです。」
「ケンジさん、ありがとう。」
しっかり両手で握手をしてくれた。
意外に、がっしりとした手だ。

次は、スタドリのムードメーカーであるケンくんだ。
「ケンジくん、CD買ってくれて、ありがとう。」
リュウくんとの会話を聞いていたのか!流石の対応力!
「僕と同じ【ケン】だね。これからも応援よろしく。」
両手で握手した。同じ【ケン】か・・・、何だか嬉しい。

次はタクミくん。
「わー!CD買ってくれて、どうもありがとう!」
タクミくんは、スタドリの末っ子だ。まだあどけない子供のような、人懐こい笑顔がキラキラしている。
「これからも、ずっと、よろしくね!」
両手でちょっと長めに握手。か、かわいい。
そして、いよいよ、ユウくんだ。ま、眩しいっ!ユウくんは、やっぱり、違う。
流石の絶対的センター。直視出来ない!「『step up』のCD、買ってくれてありがとう。」
「ユウくん、会えて嬉しいです。」
い、言えた!!
「応援してくれて、ありがとう。男の人のファンは少ないから嬉しいよ。」
あ、有難いお言葉!!
「ずっと、ユウくん推しです!」
「本当?ありがとう!」
言いたいことは全部言えた!!!私エライ!
「じゃあ、CD返すね。全員分のサインがしてあるから。」
「ありがとうございます!」
CDを受け取り、両手でしっかりと握手をした。
もう、この手は洗わない。絶対に。「出口は、こちらでーす。」
無常にも、スタッフに促され、そのまま出口へ。
でも、爪痕は残すことが出来た。数少ないおじさんファンだから、印象に残るはず。こういうときこそ、おじさんである利点を活かさなければ。
「ケンジくん、お疲れー!どうだった!?」
ミドリさんたちが駆け寄ってくる。
「緊張しましたけど、言いたいことは全部言えたし、サインも貰ったし、上出来だったと思います。」
「良かったね。師匠としても、うれしいよ。」
アヤ師匠・・・・ありがとうございます!
「まあ、おじさんファンは少ないから印象には残るよな。」
マサさん。何を話したんだろう?同じおじさんとして、興味がある。


私たちが、余韻に浸っているころ。
上階から、私たちを見る2人の影があったことを、私はまだ知らなかった。。。


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私の名前は田中健二。今年で45才。いわゆるアラフィフだ。
いよいよ、握手会が迫ってきて、私がドキドキしているころ。
あの2人は、フードコートで休憩をしていた。
「時間になりましたので、Star☆Dreamの握手会を開始しまーす!」
スタッフが大きな声で案内する。ついに、この時が来た。もう、心臓が飛び出そうだ。サインはデビューシングルにもらうことにした。ペンの準備もOKだ。後は、いかに短い時間で爪痕を残せるかが勝負!どうやら、一人ずつパーテーションの中に案内されるようだ、1番の人がまず中に入っていった。私たち4人の順番は、10番・アヤ師匠、11番・ミドリさん、12番・マサさん、13番・私の順だ。他の3人が短時間で何を話すのかも気になるが、今はそれどころではない。自分のことでいっぱいいっぱいだ。。。
「10番の方!」
「あ、私だ。行ってくるね。」
アヤ師匠が呼ばれた。ついに来た。私ももうすぐ呼ばれる。アヤ師匠はユウくんと、何を話すのだろう?
「アヤちゃん、ユウくんと何話すのかなぁ?」
やはり、ミドリさんも気になるようだ。私はユウくんと何を話そう?他のメンバーとも話したいし。でも、やっぱり、ユウくんが一番だからなぁ。あ、何を話すか、全く考えて来てない!どうしよう。無言はまずいよな。「応援してます」とか「頑張ってください」とか、当たり前のことしか言えないぞ。こんなことでは、爪痕なんか残せない。握手って片手なんだろうか?両手なんだろうか?時間が短いから、大したことは言えないだろうな。でも、沢山話したいしなぁ。とにかく短時間で爪痕を残すには、インパクト勝負だな。でも、変なファンとは思われたく無いな。。。「13番の方!」
はっ!?ミドリさんとマサさんが居ない!?い、いつの間に!
「は、はい!」
「こちらから中にどうぞ。」
ついに呼ばれた。私は、促されるままにパーテーションの中に進んで行った。
ま、眩しい!私は、目が眩みそうになった。
長いテーブルが置かれている、そこには、スタドリの5人が並んで立っていた。みんな笑顔だ。リーダーのコウくん、リュウくん、ケンくん、タクミくん、そして、ユウくん。順番に並んでいる。「こちらから、どうぞ。」
スタッフに促されるまま、私は、コウくんの前に行く。心臓が飛び出そうだ。
「こんにちは。CD買ってくれてありがとうございます。」
コウくんが両手を出す。私は戸惑いながらも両手を出して握手をした。
「応援してます。」
「ありがとう。」
流石にリーダー。しっかりしている。
そうだ、サインをお願いしなくては。
「サインをしてもらって良いですか?」
「もちろん!全員分がいいかな?」
「お願いします!」
そう言って、CDとペンを渡す。
コウくんは、手際よくサインを書くと、次のリュウくんに回す。という感じで順番に回していく。
「CDは、ユウくんからもらってね。」
私は、コウくんともう一度握手をして、リュウくんの前に移動した。
リュウくんは、男の私から見ても、大人っぽくてセクシーだ。
「CD買ってくれて、ありがとう。」
話す声もセクシーだ。
「名前は?」
「ケンジです。」
「ケンジさん、ありがとう。」
しっかり両手で握手をしてくれた。
意外に、がっしりとした手だ。
次は、スタドリのムードメーカーであるケンくんだ。
「ケンジくん、CD買ってくれて、ありがとう。」
リュウくんとの会話を聞いていたのか!流石の対応力!
「僕と同じ【ケン】だね。これからも応援よろしく。」
両手で握手した。同じ【ケン】か・・・、何だか嬉しい。
次はタクミくん。
「わー!CD買ってくれて、どうもありがとう!」
タクミくんは、スタドリの末っ子だ。まだあどけない子供のような、人懐こい笑顔がキラキラしている。
「これからも、ずっと、よろしくね!」
両手でちょっと長めに握手。か、かわいい。
そして、いよいよ、ユウくんだ。ま、眩しいっ!ユウくんは、やっぱり、違う。
流石の絶対的センター。直視出来ない!「『step up』のCD、買ってくれてありがとう。」
「ユウくん、会えて嬉しいです。」
い、言えた!!
「応援してくれて、ありがとう。男の人のファンは少ないから嬉しいよ。」
あ、有難いお言葉!!
「ずっと、ユウくん推しです!」
「本当?ありがとう!」
言いたいことは全部言えた!!!私エライ!
「じゃあ、CD返すね。全員分のサインがしてあるから。」
「ありがとうございます!」
CDを受け取り、両手でしっかりと握手をした。
もう、この手は洗わない。絶対に。「出口は、こちらでーす。」
無常にも、スタッフに促され、そのまま出口へ。
でも、爪痕は残すことが出来た。数少ないおじさんファンだから、印象に残るはず。こういうときこそ、おじさんである利点を活かさなければ。
「ケンジくん、お疲れー!どうだった!?」
ミドリさんたちが駆け寄ってくる。
「緊張しましたけど、言いたいことは全部言えたし、サインも貰ったし、上出来だったと思います。」
「良かったね。師匠としても、うれしいよ。」
アヤ師匠・・・・ありがとうございます!
「まあ、おじさんファンは少ないから印象には残るよな。」
マサさん。何を話したんだろう?同じおじさんとして、興味がある。
私たちが、余韻に浸っているころ。
上階から、私たちを見る2人の影があったことを、私はまだ知らなかった。。。