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第四部 68話 感覚派

ー/ー



 今回の一件でどこから攻めてくるか分からない恐怖というのが良く分かった。
 実際、『エルフの大森林』と『ドワーフの大空洞』を押さえられている。

 こちらは出入口も把握していない以上、奇襲もやり放題だろう。
 ひょっとしたら、そういう脅しの意味もあったのかもしれない。

 そう考えると、ミアの情報はやはり価値が高い。
 少なくとも、白鬼が関わる場合は事前に察知することが出来る。

「師匠! この辺!?」
「あー、もうちょっと右……いや、ちょっと行き過ぎっす」

 ナタリーが大陸の地図を広げて指をさしている。
 ミアの方は「うーん」と唸っている。

「……何やってるんだ?」
「背中でも痒いのかと思ったわ」

 俺が呟くと、頭上のエルが答えてくれた。
 場所はレンブラントの宿の一室だ。

「白鬼の場所を特定してるんだって」
「スキルの感覚頼りだからねぇ……」

 アリスと加奈が補足する。
 そうか。白鬼の居場所が分かると言っても、結局は『引力』『斥力』の感覚でしかないんだ。

「そこそこ! 良い感じっす!」
「なるほど……この辺りね」

 ミアの言葉にナタリーが頷いた。
 話は分かったが、もう少しやり方は何とかならんのか。

「師匠、ここから動いてないってことで合ってる?」
「その通りっすよ、ナタリー。そこに着いてからは移動していないっす」

 ミアが何度も頷いた。
 ナタリーも応えるように深く頷く。

「……師匠。これはお手柄だよ」
 ナタリーが凶悪な笑みを浮かべて見せる。

 ナタリーが指さしているのは王都から遥か北東。
 王国の東端、連合との国境辺りになるだろう。

 確かに『エルフの大森林』は連合を囲んでいるから矛盾はない。
 王国としてはアッシュの故郷が近い。さらに北へと進んだ先だ。

「きっと、ここに『イリオス新王国』の首都がある。
 当然、地下もあるけど……これを潰せばあたしたちの勝ちだ」



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 今回の一件でどこから攻めてくるか分からない恐怖というのが良く分かった。
 実際、『エルフの大森林』と『ドワーフの大空洞』を押さえられている。
 こちらは出入口も把握していない以上、奇襲もやり放題だろう。
 ひょっとしたら、そういう脅しの意味もあったのかもしれない。
 そう考えると、ミアの情報はやはり価値が高い。
 少なくとも、白鬼が関わる場合は事前に察知することが出来る。
「師匠! この辺!?」
「あー、もうちょっと右……いや、ちょっと行き過ぎっす」
 ナタリーが大陸の地図を広げて指をさしている。
 ミアの方は「うーん」と唸っている。
「……何やってるんだ?」
「背中でも痒いのかと思ったわ」
 俺が呟くと、頭上のエルが答えてくれた。
 場所はレンブラントの宿の一室だ。
「白鬼の場所を特定してるんだって」
「スキルの感覚頼りだからねぇ……」
 アリスと加奈が補足する。
 そうか。白鬼の居場所が分かると言っても、結局は『引力』『斥力』の感覚でしかないんだ。
「そこそこ! 良い感じっす!」
「なるほど……この辺りね」
 ミアの言葉にナタリーが頷いた。
 話は分かったが、もう少しやり方は何とかならんのか。
「師匠、ここから動いてないってことで合ってる?」
「その通りっすよ、ナタリー。そこに着いてからは移動していないっす」
 ミアが何度も頷いた。
 ナタリーも応えるように深く頷く。
「……師匠。これはお手柄だよ」
 ナタリーが凶悪な笑みを浮かべて見せる。
 ナタリーが指さしているのは王都から遥か北東。
 王国の東端、連合との国境辺りになるだろう。
 確かに『エルフの大森林』は連合を囲んでいるから矛盾はない。
 王国としてはアッシュの故郷が近い。さらに北へと進んだ先だ。
「きっと、ここに『イリオス新王国』の首都がある。
 当然、地下もあるけど……これを潰せばあたしたちの勝ちだ」