何度かの集団戦の後、俺は別の集団に狙いを定めた。
上空から見ると、三色の鬼が混在しているようだ。
「ふ――」
小さく息を吐き出す。
俺は障壁を蹴ると、地面へと飛び出した。
周囲を無数の魔弾剣が付いてくる。
レンブラントの上空で反射させて待機させたものだ。
しばらくしたら魔力が尽きて霧散するが、もう少しくらいは保つだろう。
「……来たぞ!」
鬼の一人が叫ぶ。
随分と暴れたからだろう。
俺はそいつ目掛けて、飛び掛かる。
順手のナイフをその首へと鋭く払う。
そいつは長剣で上空の俺を迎え撃つ。
さらに周囲にいた数人の鬼たちが俺へと長剣や槍を突き出した。
「!?」
ギン、と言う音が連続で響いた。鬼たちの驚いた顔。
鬼たちの武器を俺の魔弾剣が弾いたのだ。
俺は手を止めず、目の前で武器を浮かせた鬼の首を裂く。
地面に着地すると同時に、一度転がって勢いを殺す。
そのまま前に踏み出して、ナイフを逆手に握り直す。
後ろに下がろうとする鬼を追撃した。
集団を囲むように障壁を展開する。
障壁の内側を魔弾剣が跳ね回った。
俺は飛んできた魔弾剣の一つを掴むと、魔弾剣で魔弾剣を弾きながら、鬼たちの間を自分も一緒に跳ね回る。
少し前から『青い幻』の精度が上がっていた。
加えて体が慣れたのだろう。以前はすぐに頭痛が出ていたが、今は長時間の使用にも耐えられている。
「?」
あらかた倒し終えた頃、声が聞こえて振り返る。
見れば組合員が加勢に来てくれたようだ。立て直したらしい。
後は追撃だけだったので、俺は後ろに跳ぶ。
そのまま組合員に合流した。
「『乱反射』キース・クロスさんですね?」
若い組合員の男性が俺に歩み寄った。
レンブラントの組合員のリーダーらしい。
俺が頷くと、男性は小さく笑った。
「二つ名通りの戦いっぷりですね。加勢に感謝します」
「建て直したようで良かった。ここは一度任せても大丈夫ですか?」
少し息を荒げながら俺が言うと、男性は頷いてくれた。
アリスのサポートもあったとは言え、ここまで動きっぱなしだ。
出来れば馬車に戻りたい。
そろそろレンブラントに入った頃だろう。
それに、ティアナが馬車に乗っているんだ。
ジークの時に使った仕掛けを再利用して隠れている。