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「守らないと……約束の場所を」
そんな想いが、私を突き動かす。
何から何を守ろうとしているのかは、定かではない。しかし、轟音とともに凄まじい速度で、背後から、遠くから、それは迫ってくる。
「守らないと……守らないと!」
私が向かう先には、私の背丈よりもはるかに低い、白い塔がある。
どうしても、それを守らなければいけない。私達の約束の場所を。
砂地に足が取られる。しかし、私は無我夢中で、白い塔へと駆ける。
背後からは迫る。畝りが、轟音が迫ってくる。
「ダメ……ダメ!」
守らないといけない。約束の場所だけは絶対に!
私は身をていして、それを抱き締める。
『ドォォォォーン!』
物凄い轟音とともに、津波は私を飲み込む。しかし、私はその塔が……約束の場所が決して飲み込まれることのないように、倒れることのないように、必死にそれを抱き締めた。
そう、この身体への圧に耐えて耐えて、私は約束の場所を守った。
そして……
「よかった……」
全ての水が引いた時、白い塔は確かに私の腕の中に存在した。
そう。私は約束の場所を……自分の最も大切なものを、全力で守りきることができたのだ。
私の目からは、安堵の涙が頬を伝って流れ落ちた。
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