第四部 48話 帰り道
ー/ー ティアナが王女だと分かると、老婆はティアナの後を追い回した。
何としても王女に仕えるのだと息巻いていた。
対するティアナは堅苦しいのが嫌で逃げ回っていた。
自分が王女だったという実感もないようだ。
「当然じゃないですかっ!
この間までただの学生だったんですよっ」
「あはは! フィオネ王女様?
ご機嫌麗しゅう……だっけ?」
「怒りますよっ!?」
ティアナは老婆から逃げて、俺の部屋で隠れていた。
俺がからかうとわざとらしく拳を振り上げる。
頬を膨らませるが、残念ながら恐怖は感じなかった。
「……キース?」
不意に扉がノックされる。
すぐにナタリーの声が続いた。
「? はい、どうぞ」
俺が答えると、ナタリーアリスとグレイが部屋へと入って来た。
王国側のメンバーが全員揃ったことになる。
「ごめんね。少しだけ話良い?
連合に聞かせるような話じゃないから……」
俺とティアナが頷いた。
ナタリーは苦笑いしながら続ける。
「何か問題があるわけじゃないの。
ただ、いつ頃王国に戻るか相談したくてね」
ナタリーが肩を竦めて見せる。
「なるほどな。もう用は済ませたもんな……」
「そうですね。交流会も終わってますし、戻るべきですよね」
俺とティアナ納得する。あれからすでに二日が経過している。
すでにジークは連合を掌握していると言って良いだろう。
少なくとも表立って抵抗する勢力はない。
まあ、当然か。鬼を追い出したということで、市民の人気も高い。
ましてや今は各国の情勢が不安定だ。争う理由などないのだろう。
「……後はいつ発つかだな」
「うーん、難しいところだね」
「確かに? 鬼の動向が分からないから……」
グレイも応じた。さらにアリスと加奈が続ける。
その通りだ。隙を突かれてはたまらない。
「ま、三日後くらいかな?」
ナタリーが小さく呟いた。念のため様子を見ようということだ。
全員が頷く……今のところ、急ぐ理由がないのも事実だった。
すると、ナタリーが悪戯っぽく笑った。
「……これで宜しいですか、姫様?」
ちらりとティアナを見る。
「もう! やめてくださいよっ!」
ティアナはまたしても頬を膨らませた。
ナタリーは「ごめんごめん」と言って続ける。
「でも、本当なら口調も変えるべきなんだよね……」
「まあ、本人が良いなら良いんじゃない?」
「? そうなのか? 俺は良く分かってないんだが」
気にした様子のナタリーにアリスが答えた。
グレイは相変わらずだった。
「あ、でもさ」
グレイは何かに気付いた様子で手を打った。
全員が視線を向ける。
「俺もハーフドワーフの王族だったんだよな?」
――!?
グレイの言葉に全員が驚いた。
誰一人としてグレイへの態度を変えるという可能性に思い至らなかったのだ。
冷静に考えれば失礼にも程がある。
ドワーフの大空洞への扉を開けたのだ。疑う余地はない。
「驚いた。あたしはハーフドワーフなのに……。
敬意を払う必要性を一切感じなかった。恐ろしいね」
ナタリーが喉を鳴らす。
容赦なく失礼を重ねていく。
「ひっでえな! おい! でもまあ、良いんじゃないか?
正直、俺もティアナも実感がねえよ」
しかしグレイは暢気な声を上げた。
王族としての環境がなかったのだ。無理もないだろう。
「まあ、あたしが王族って言われてもそんなもんかもしれないね。
うん、じゃあ三日後の朝に出発しましょう」
ナタリーは最後にまとめると、その場は解散となった。
予定が変わったの次の日の昼だった。
何としても王女に仕えるのだと息巻いていた。
対するティアナは堅苦しいのが嫌で逃げ回っていた。
自分が王女だったという実感もないようだ。
「当然じゃないですかっ!
この間までただの学生だったんですよっ」
「あはは! フィオネ王女様?
ご機嫌麗しゅう……だっけ?」
「怒りますよっ!?」
ティアナは老婆から逃げて、俺の部屋で隠れていた。
俺がからかうとわざとらしく拳を振り上げる。
頬を膨らませるが、残念ながら恐怖は感じなかった。
「……キース?」
不意に扉がノックされる。
すぐにナタリーの声が続いた。
「? はい、どうぞ」
俺が答えると、ナタリーアリスとグレイが部屋へと入って来た。
王国側のメンバーが全員揃ったことになる。
「ごめんね。少しだけ話良い?
連合に聞かせるような話じゃないから……」
俺とティアナが頷いた。
ナタリーは苦笑いしながら続ける。
「何か問題があるわけじゃないの。
ただ、いつ頃王国に戻るか相談したくてね」
ナタリーが肩を竦めて見せる。
「なるほどな。もう用は済ませたもんな……」
「そうですね。交流会も終わってますし、戻るべきですよね」
俺とティアナ納得する。あれからすでに二日が経過している。
すでにジークは連合を掌握していると言って良いだろう。
少なくとも表立って抵抗する勢力はない。
まあ、当然か。鬼を追い出したということで、市民の人気も高い。
ましてや今は各国の情勢が不安定だ。争う理由などないのだろう。
「……後はいつ発つかだな」
「うーん、難しいところだね」
「確かに? 鬼の動向が分からないから……」
グレイも応じた。さらにアリスと加奈が続ける。
その通りだ。隙を突かれてはたまらない。
「ま、三日後くらいかな?」
ナタリーが小さく呟いた。念のため様子を見ようということだ。
全員が頷く……今のところ、急ぐ理由がないのも事実だった。
すると、ナタリーが悪戯っぽく笑った。
「……これで宜しいですか、姫様?」
ちらりとティアナを見る。
「もう! やめてくださいよっ!」
ティアナはまたしても頬を膨らませた。
ナタリーは「ごめんごめん」と言って続ける。
「でも、本当なら口調も変えるべきなんだよね……」
「まあ、本人が良いなら良いんじゃない?」
「? そうなのか? 俺は良く分かってないんだが」
気にした様子のナタリーにアリスが答えた。
グレイは相変わらずだった。
「あ、でもさ」
グレイは何かに気付いた様子で手を打った。
全員が視線を向ける。
「俺もハーフドワーフの王族だったんだよな?」
――!?
グレイの言葉に全員が驚いた。
誰一人としてグレイへの態度を変えるという可能性に思い至らなかったのだ。
冷静に考えれば失礼にも程がある。
ドワーフの大空洞への扉を開けたのだ。疑う余地はない。
「驚いた。あたしはハーフドワーフなのに……。
敬意を払う必要性を一切感じなかった。恐ろしいね」
ナタリーが喉を鳴らす。
容赦なく失礼を重ねていく。
「ひっでえな! おい! でもまあ、良いんじゃないか?
正直、俺もティアナも実感がねえよ」
しかしグレイは暢気な声を上げた。
王族としての環境がなかったのだ。無理もないだろう。
「まあ、あたしが王族って言われてもそんなもんかもしれないね。
うん、じゃあ三日後の朝に出発しましょう」
ナタリーは最後にまとめると、その場は解散となった。
予定が変わったの次の日の昼だった。
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