第四部 44話 キースと赤鬼1
ー/ー 俺は右手に長剣、左手には小剣を握って踏み込んだ。
すでにエルの青い幻は使っている。
対するは赤鬼。随分と小柄になった。青鬼とあまり変わらない。
身の丈ほどもある黒い六角鉄棒を握っていた。
「ははは! 良いぞ、暇だったんだ!」
「なんだよ、そうだったのか。その辺で遊んでくれば?」
赤鬼の軽口に応じる。
右の長剣を斜めに斬り上げる。
赤鬼は半身引いて避けた。
お返しとばかりに鉄棒を振るう。
「はっはっは! そう言わずに遊んでくれよっ!」
「はは……お友達になってからな?」
赤鬼の楽しそうな掛け声。
やはり俺は応じて鉄棒を避けた。
そうして、俺たちはそれを繰り返した。仕方ないだろう。
少しでも赤鬼から離れれば、一瞬でジークの元まで行ってしまう。
赤鬼の身体能力を考えれば、本当に瞬きの間と言って良い。
最初こそ障壁で防いだが、ばれてしまえば一撃で砕かれるだろう。
こうやって超至近距離で殴り合いを続けるしかないのだ。
「なんだ、俺たちはまだ友達じゃないのか?」
「え……ごめん」
赤鬼が鉄棒を俺の首目掛けて突き込んだ。
俺は腰を落とすと、左の小剣で鉄棒を握る右手を狙う。
赤鬼は意にも介さず、残る左腕の肘を俺の腹へと叩きこもうとした。
それはまずい。一撃受けたら終わりだ。
俺は障壁を二重に張る。
だが、赤鬼の肘は障壁を一撃で砕いてゆく。
それでも時間は稼げた。
俺は左手を引くと、赤鬼の肘をひらりと避けた。
赤鬼の背後に回った形になる。
今度は右の長剣を振るう。
赤鬼の首を狙った。
同時に赤鬼は右手の鉄棒を払う。
時計回りに俺を吹き飛ばそうという考えか。
「ははは!」
「……厄介だな」
赤鬼はしゃがみ込んで下段の払いにする。長剣が空を切った。
俺は障壁を足場に二度跳んだ。鉄棒が空を切った。
俺は赤鬼へと跳んでいる。
左の小剣を払う。狙いは当然首だ。
しかし、赤鬼はその姿を見ずに転がって避けた。
さらに障壁を踏んで折り返す。今度は右の長剣を払った。
赤鬼は左腕で真っ向から受け止めた。
細い腕の半ばまで長剣は斬り込むが切断するには至らない。
やはり、二代目とは別物だ。
腕の傷からはしゅうしゅうと煙が立っている。
すでに治癒が始まっているのだろう。
だが、それ以上に……。
「随分と感覚が鋭いようだな?」
「ははは、人のことは言えないだろ」
赤鬼の反応速度が速い。
例の生命力を使った能力で感覚を鋭くしているのだろう。
おそらくは五感全てだ。
俺は左の小剣を赤鬼の首目掛けて突き込んだ。
赤鬼が一歩下がる。同時に半身ずらした。
俺は赤鬼の左腕に刺さったままの長剣を引き抜いた。
すぐに距離を詰める。絶対に離れてはいけない。
「は! 楽しいな。次だ」
「!」
俺が抜いた長剣で首を狙う。
同時に小剣は赤鬼の心臓へと突き込んだ。
しかし――
赤鬼が首を小さく傾けて、長剣を避ける。
小剣の方は鉄棒で弾く。
――赤鬼はどちらも軽く対応して見せた。
その全身からは湯気のようなものが上がっている。
見たことがあるような。どこで見たのだったか。
「いや! 俺はあの女に会えてよかったよ!」
「…………」
あれは『エリーナ・コルト』が使っていた身体強化だ。
魔力の代わりに生命力を使っている。
すでにエルの青い幻は使っている。
対するは赤鬼。随分と小柄になった。青鬼とあまり変わらない。
身の丈ほどもある黒い六角鉄棒を握っていた。
「ははは! 良いぞ、暇だったんだ!」
「なんだよ、そうだったのか。その辺で遊んでくれば?」
赤鬼の軽口に応じる。
右の長剣を斜めに斬り上げる。
赤鬼は半身引いて避けた。
お返しとばかりに鉄棒を振るう。
「はっはっは! そう言わずに遊んでくれよっ!」
「はは……お友達になってからな?」
赤鬼の楽しそうな掛け声。
やはり俺は応じて鉄棒を避けた。
そうして、俺たちはそれを繰り返した。仕方ないだろう。
少しでも赤鬼から離れれば、一瞬でジークの元まで行ってしまう。
赤鬼の身体能力を考えれば、本当に瞬きの間と言って良い。
最初こそ障壁で防いだが、ばれてしまえば一撃で砕かれるだろう。
こうやって超至近距離で殴り合いを続けるしかないのだ。
「なんだ、俺たちはまだ友達じゃないのか?」
「え……ごめん」
赤鬼が鉄棒を俺の首目掛けて突き込んだ。
俺は腰を落とすと、左の小剣で鉄棒を握る右手を狙う。
赤鬼は意にも介さず、残る左腕の肘を俺の腹へと叩きこもうとした。
それはまずい。一撃受けたら終わりだ。
俺は障壁を二重に張る。
だが、赤鬼の肘は障壁を一撃で砕いてゆく。
それでも時間は稼げた。
俺は左手を引くと、赤鬼の肘をひらりと避けた。
赤鬼の背後に回った形になる。
今度は右の長剣を振るう。
赤鬼の首を狙った。
同時に赤鬼は右手の鉄棒を払う。
時計回りに俺を吹き飛ばそうという考えか。
「ははは!」
「……厄介だな」
赤鬼はしゃがみ込んで下段の払いにする。長剣が空を切った。
俺は障壁を足場に二度跳んだ。鉄棒が空を切った。
俺は赤鬼へと跳んでいる。
左の小剣を払う。狙いは当然首だ。
しかし、赤鬼はその姿を見ずに転がって避けた。
さらに障壁を踏んで折り返す。今度は右の長剣を払った。
赤鬼は左腕で真っ向から受け止めた。
細い腕の半ばまで長剣は斬り込むが切断するには至らない。
やはり、二代目とは別物だ。
腕の傷からはしゅうしゅうと煙が立っている。
すでに治癒が始まっているのだろう。
だが、それ以上に……。
「随分と感覚が鋭いようだな?」
「ははは、人のことは言えないだろ」
赤鬼の反応速度が速い。
例の生命力を使った能力で感覚を鋭くしているのだろう。
おそらくは五感全てだ。
俺は左の小剣を赤鬼の首目掛けて突き込んだ。
赤鬼が一歩下がる。同時に半身ずらした。
俺は赤鬼の左腕に刺さったままの長剣を引き抜いた。
すぐに距離を詰める。絶対に離れてはいけない。
「は! 楽しいな。次だ」
「!」
俺が抜いた長剣で首を狙う。
同時に小剣は赤鬼の心臓へと突き込んだ。
しかし――
赤鬼が首を小さく傾けて、長剣を避ける。
小剣の方は鉄棒で弾く。
――赤鬼はどちらも軽く対応して見せた。
その全身からは湯気のようなものが上がっている。
見たことがあるような。どこで見たのだったか。
「いや! 俺はあの女に会えてよかったよ!」
「…………」
あれは『エリーナ・コルト』が使っていた身体強化だ。
魔力の代わりに生命力を使っている。
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