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第四部 26話 交流会と仇討ちの始まり

ー/ー



 統一学舎の敷地へと向かう。
 エイク市は北西が第一区画、北が第二区画、と続き、南が第八区画、南東が第九区画となっている。

 この都市はサンデル家の屋敷を中心としているようだ。
 当然、第五区画ということになる。

 鬼が集まっていたのは第七区画。
 第三区画にも同様の地域があったので、グレイ達と二手に分かれて様子を見ようとしたところ、あの二匹と出くわしかけたのだ。

 俺たちが案内された宿は南東の第九区画。
 互いの情勢を考えて、付かず離れずの距離というところだった。

 統一学舎があるのは東の第六区画。
 北へ少し進めば歩いて行ける距離を手配してくれたことになる。

 しかし、もちろん迎えの馬車はやって来た。
 今は車内で揺られている。しかし、全員ではない。

 乗っているのは当然ながら主役のティアナとグレイ。
 後は護衛役の俺とフレアだ。

 他のメンバーはそのまま屋敷で待機してもらっている。
 護衛が多すぎると余計な問題を招きそうだというのが一つ。

 加えて、ナタリーアリスはジークの護衛でもある。下手に動かさない方が良い。
 ……それにあの二人は後方で悪巧みしてるのが一番厄介なんだ。

「はあ……」
 グレイが溜息を吐いた。

 結局、俺たちはナタリーアリスに最低限の知識を教え込まれた。
 その上で徹底的に誤魔化しの技術が叩きこまれている。

 前日に叩き込んだにしては上出来だろう。
 誤魔化す前提なのが悲しいが。

 ちなみに、ティアナは自主的に参加してきた。良い子である。
 ナタリーが感動していた。すぐに俺たちをきっと睨んでいた。

 ……いや、流石に俺たちも反省すべきかもしれないとは思う。
 ……一応は卒業生である。まあ、俺は勉強したくないと散々ごねたのだが。



 すぐに『統一学舎』が見えてきた。
『王立学院』は校舎のような印象だったが、『統一学舎』は四つの塔がメインのようだ。

 塔の中心には一際豪奢な洋風の屋敷が建っている。
 催し物はあそこで行うらしい。ひとまず俺たちの目的地ということになる。

 交流会の最初にあそこで顔合わせというか開会式があるのだ。
 ……また、五日目の舞踏会の会場でもある。これは閉会式も兼ねているらしい。

「……っ」
 馬車を降りると、俺は軽く息を呑んだ。

 見れば、グレイも同じような顔を浮かべていたように思う。
『統一学舎』の生徒たちがこちらを興味深そうに見ていた。

 無理もない。
 俺たちが『統一学舎』に興味があるのと同じだ。

「こんにちはっ」

 ティアナが気にした風もなくぺこりと頭を下げる。
 周囲の視線が軽く和らいだ感じがした。

 フレアも動じることなく軽く会釈した。
 ……変に気負っているのは俺とグレイの方だな。

 いつも通りで良いということだろう。

「あ……おはようございますっ」
 ティアナが訂正した。
 
 ……いつも通りすぎるのも良くないか?



 中に入ると、すぐに開会式が始まった。
 ティアナとグレイは椅子に座っているが、俺とフレアは壁際で控えている。

 だが、俺たちの意識は一か所に集まっていただろう。
 奥にある貴賓席の一つ。そこに腕を組んで座っている人物だ。

 ……あれが今のサンデル家の当主。
 サンデル家に名を連ねておきながら、鬼と一緒に『革命』と称して反乱を起こした。

 コルネリウス・サンデル。ジークの叔父だ。
 どこかやつれたような表情でぼんやりと開会式の挨拶を聞いていた。
 
 予定通りに進めば、ジークと対面するのは五日目の舞踏会になるはずだ。
 その時にティアナとグレイの世話係として潜入する計画だ。

 ……そして、そのまま倒す計画でもある。
 ……ジークからすれば、仇討ちにもなるのだろう。



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 統一学舎の敷地へと向かう。
 エイク市は北西が第一区画、北が第二区画、と続き、南が第八区画、南東が第九区画となっている。
 この都市はサンデル家の屋敷を中心としているようだ。
 当然、第五区画ということになる。
 鬼が集まっていたのは第七区画。
 第三区画にも同様の地域があったので、グレイ達と二手に分かれて様子を見ようとしたところ、あの二匹と出くわしかけたのだ。
 俺たちが案内された宿は南東の第九区画。
 互いの情勢を考えて、付かず離れずの距離というところだった。
 統一学舎があるのは東の第六区画。
 北へ少し進めば歩いて行ける距離を手配してくれたことになる。
 しかし、もちろん迎えの馬車はやって来た。
 今は車内で揺られている。しかし、全員ではない。
 乗っているのは当然ながら主役のティアナとグレイ。
 後は護衛役の俺とフレアだ。
 他のメンバーはそのまま屋敷で待機してもらっている。
 護衛が多すぎると余計な問題を招きそうだというのが一つ。
 加えて、ナタリーアリスはジークの護衛でもある。下手に動かさない方が良い。
 ……それにあの二人は後方で悪巧みしてるのが一番厄介なんだ。
「はあ……」
 グレイが溜息を吐いた。
 結局、俺たちはナタリーアリスに最低限の知識を教え込まれた。
 その上で徹底的に誤魔化しの技術が叩きこまれている。
 前日に叩き込んだにしては上出来だろう。
 誤魔化す前提なのが悲しいが。
 ちなみに、ティアナは自主的に参加してきた。良い子である。
 ナタリーが感動していた。すぐに俺たちをきっと睨んでいた。
 ……いや、流石に俺たちも反省すべきかもしれないとは思う。
 ……一応は卒業生である。まあ、俺は勉強したくないと散々ごねたのだが。
 すぐに『統一学舎』が見えてきた。
『王立学院』は校舎のような印象だったが、『統一学舎』は四つの塔がメインのようだ。
 塔の中心には一際豪奢な洋風の屋敷が建っている。
 催し物はあそこで行うらしい。ひとまず俺たちの目的地ということになる。
 交流会の最初にあそこで顔合わせというか開会式があるのだ。
 ……また、五日目の舞踏会の会場でもある。これは閉会式も兼ねているらしい。
「……っ」
 馬車を降りると、俺は軽く息を呑んだ。
 見れば、グレイも同じような顔を浮かべていたように思う。
『統一学舎』の生徒たちがこちらを興味深そうに見ていた。
 無理もない。
 俺たちが『統一学舎』に興味があるのと同じだ。
「こんにちはっ」
 ティアナが気にした風もなくぺこりと頭を下げる。
 周囲の視線が軽く和らいだ感じがした。
 フレアも動じることなく軽く会釈した。
 ……変に気負っているのは俺とグレイの方だな。
 いつも通りで良いということだろう。
「あ……おはようございますっ」
 ティアナが訂正した。
 ……いつも通りすぎるのも良くないか?
 中に入ると、すぐに開会式が始まった。
 ティアナとグレイは椅子に座っているが、俺とフレアは壁際で控えている。
 だが、俺たちの意識は一か所に集まっていただろう。
 奥にある貴賓席の一つ。そこに腕を組んで座っている人物だ。
 ……あれが今のサンデル家の当主。
 サンデル家に名を連ねておきながら、鬼と一緒に『革命』と称して反乱を起こした。
 コルネリウス・サンデル。ジークの叔父だ。
 どこかやつれたような表情でぼんやりと開会式の挨拶を聞いていた。
 予定通りに進めば、ジークと対面するのは五日目の舞踏会になるはずだ。
 その時にティアナとグレイの世話係として潜入する計画だ。
 ……そして、そのまま倒す計画でもある。
 ……ジークからすれば、仇討ちにもなるのだろう。