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第四部 24話 襲撃計画

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「なるほどね。キースが突然走ってくるからびっくりしたけど……」
「仕方ないだろ、急ぎだったんだよ」

 フレアが俺を見ながら、にやにやと笑った。
 すでに全員が屋敷に戻っている。

 今はひとまず会議という形になっている。
 ピノが周囲を警戒しているから、盗聴の心配はないだろう。

「……そんなに危険なの?」
「悪いが、俺も良く知らないんだよな……」

 フレアの言葉にグレイが困ったような顔を浮かべる。
 そうか。二人は会ったこともないか。

「……白鬼は良く叔父の近くにいました。
 赤鬼の方は僕も良く知りません」

 ジークの方も鬼のことを多くは知らないようだ。
 そこで、ナタリーが簡単に説明を加える。

「なるほど。厄介なことに組織としてバランスが取れていますね」
「……幹部の能力はどれも厄介なんだよ」
「あはは。赤鬼は昔とは少し違うみたいだしね」

 ジークが顔を歪める。
 すぐにアリスと加奈が続ける。

「とにかく、この状況では戦力は分散できない。
 全員で行動してもらうからねっ!」

 ナタリーがまとめるように、声を張り上げる。
 他のメンバーは各々頷いた。



「じゃ、折角だし……今後の話も進めちゃおうか」
「? 今後?」
「兄さん、目的は覚えてますか?」
「お、覚えてるよっ! 交流会に来たんだろっ!」
「……交流会に紛れて、連合を取り戻しに来たんだよ」
「あ」
 
 俺は失言に目を泳がせた。
 途端にティアナとナタリーがジト目を向けてきた。

 ……わ、分かってるよ。
 ……分かってるんだからな!

「明後日には交流会が始まる。
 ティアナとグレイには統一学舎の講義に参加してもらうことになる」

 ナタリーがそう言うと、ティアナは「はい」と頷いた。
 グレイは何とも微妙な顔をした。

「……いつ動く?」
「それについては事前にジーク達と相談してある」

 アリスの質問にナタリーは軽く応じてさらに続けた。
 そりゃそうか。もともとジーク達が計画していたものだ。

「交流会は全部で五日間。
 五日目には両校の生徒を交えて舞踏会がある」

 ナタリーはそう言って好戦的に笑った。

「……旧連合の同志とはすでに連絡が取れています。
 その日に合わせて、サンデル領のあちこちで暴動を起こしてもらう」

 ジークは全体を見回して、さらに続ける。

「意識が外に向いた瞬間、舞踏会に参加している叔父を討つ。
 皆さんには鬼の相手をお願いします」

 ジークは小さな拳を掌に打ち付けた。



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「なるほどね。キースが突然走ってくるからびっくりしたけど……」
「仕方ないだろ、急ぎだったんだよ」
 フレアが俺を見ながら、にやにやと笑った。
 すでに全員が屋敷に戻っている。
 今はひとまず会議という形になっている。
 ピノが周囲を警戒しているから、盗聴の心配はないだろう。
「……そんなに危険なの?」
「悪いが、俺も良く知らないんだよな……」
 フレアの言葉にグレイが困ったような顔を浮かべる。
 そうか。二人は会ったこともないか。
「……白鬼は良く叔父の近くにいました。
 赤鬼の方は僕も良く知りません」
 ジークの方も鬼のことを多くは知らないようだ。
 そこで、ナタリーが簡単に説明を加える。
「なるほど。厄介なことに組織としてバランスが取れていますね」
「……幹部の能力はどれも厄介なんだよ」
「あはは。赤鬼は昔とは少し違うみたいだしね」
 ジークが顔を歪める。
 すぐにアリスと加奈が続ける。
「とにかく、この状況では戦力は分散できない。
 全員で行動してもらうからねっ!」
 ナタリーがまとめるように、声を張り上げる。
 他のメンバーは各々頷いた。
「じゃ、折角だし……今後の話も進めちゃおうか」
「? 今後?」
「兄さん、目的は覚えてますか?」
「お、覚えてるよっ! 交流会に来たんだろっ!」
「……交流会に紛れて、連合を取り戻しに来たんだよ」
「あ」
 俺は失言に目を泳がせた。
 途端にティアナとナタリーがジト目を向けてきた。
 ……わ、分かってるよ。
 ……分かってるんだからな!
「明後日には交流会が始まる。
 ティアナとグレイには統一学舎の講義に参加してもらうことになる」
 ナタリーがそう言うと、ティアナは「はい」と頷いた。
 グレイは何とも微妙な顔をした。
「……いつ動く?」
「それについては事前にジーク達と相談してある」
 アリスの質問にナタリーは軽く応じてさらに続けた。
 そりゃそうか。もともとジーク達が計画していたものだ。
「交流会は全部で五日間。
 五日目には両校の生徒を交えて舞踏会がある」
 ナタリーはそう言って好戦的に笑った。
「……旧連合の同志とはすでに連絡が取れています。
 その日に合わせて、サンデル領のあちこちで暴動を起こしてもらう」
 ジークは全体を見回して、さらに続ける。
「意識が外に向いた瞬間、舞踏会に参加している叔父を討つ。
 皆さんには鬼の相手をお願いします」
 ジークは小さな拳を掌に打ち付けた。