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第四部 12話 ほうれんそう不足

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「失礼します」

 ナタリーがノックして組合長室へと入る。俺とアリスが続いた。
 ジークとフレアはいない。ブラウン団長と一緒に王城へと向かっていった。

 ブラウン団長の言伝で、俺たちは組合長から呼び出されたのだった。
 一体何だろうか。ジークとフレアを早く保護したことが評価された?

「!」

 一瞬過ぎった甘い考えは、組合長の顔を見た瞬間に吹き飛んだ。
 小柄な組合長はこめかみに青筋を浮かべながら俺たちを睨んでいた。

「またお前らか、というのはもういい。諦める。
 なんだったら、どうせお前らだと思ったよ」

 酷い言い草だった。
 だが、俺たちはひとまず黙っていた。

「つい先日、亡命した連合の『サンデル家』が陛下に謁見したんだとよ。
 それからその対応で王都の上層部は大忙しでな?」

 まあ、それはそうだろうな。
 ブラウン団長も忙しかったみたいだし。

「聞けば、魔術師団長の紹介で実現したとか。
 でもな、あいつと連絡取るのも難しいよな?」

 雲行きが怪しいのは分かっていた。
 だが、思ったよりも激怒している気配がある。
 ……何となく方向性も分かった気がする。

「だから訊いたんだよ。
 どうやって魔術師団長と連絡取ったんですかってな」

 あ、やべ。
 それをこの人が訊くのはまずい。

()()()()()の『キース・クロス』との縁がきっかけだとよ。
 なるほどな。お前と知り合えば『バケット』はすぐそばだ」

 俺たち三人がす、と目を逸らした。
 これは完全に俺たちが悪い。

「なあ、間違ってたら教えてくれよ?」
 組合長が不釣り合いなほど優しく言った。

 さらに、ばぁんと机を強く叩いた――

「謁見の前に、俺を通せッ!」

 ――伝え忘れた。



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「失礼します」
 ナタリーがノックして組合長室へと入る。俺とアリスが続いた。
 ジークとフレアはいない。ブラウン団長と一緒に王城へと向かっていった。
 ブラウン団長の言伝で、俺たちは組合長から呼び出されたのだった。
 一体何だろうか。ジークとフレアを早く保護したことが評価された?
「!」
 一瞬過ぎった甘い考えは、組合長の顔を見た瞬間に吹き飛んだ。
 小柄な組合長はこめかみに青筋を浮かべながら俺たちを睨んでいた。
「またお前らか、というのはもういい。諦める。
 なんだったら、どうせお前らだと思ったよ」
 酷い言い草だった。
 だが、俺たちはひとまず黙っていた。
「つい先日、亡命した連合の『サンデル家』が陛下に謁見したんだとよ。
 それからその対応で王都の上層部は大忙しでな?」
 まあ、それはそうだろうな。
 ブラウン団長も忙しかったみたいだし。
「聞けば、魔術師団長の紹介で実現したとか。
 でもな、あいつと連絡取るのも難しいよな?」
 雲行きが怪しいのは分かっていた。
 だが、思ったよりも激怒している気配がある。
 ……何となく方向性も分かった気がする。
「だから訊いたんだよ。
 どうやって魔術師団長と連絡取ったんですかってな」
 あ、やべ。
 それをこの人が訊くのはまずい。
「|冒《・》|険《・》|者《・》|組《・》|合《・》の『キース・クロス』との縁がきっかけだとよ。
 なるほどな。お前と知り合えば『バケット』はすぐそばだ」
 俺たち三人がす、と目を逸らした。
 これは完全に俺たちが悪い。
「なあ、間違ってたら教えてくれよ?」
 組合長が不釣り合いなほど優しく言った。
 さらに、ばぁんと机を強く叩いた――
「謁見の前に、俺を通せッ!」
 ――伝え忘れた。