第三部 16話 日常への乱入者
ー/ー 授業が終わった後、俺はチームのメンバーと一緒に歩いていた。
さらにソフィアも混ざっている。最近はこういうパターンも多い。
セシルがたっぷりと時間を掛けてから、ゆっくりと口を開いた。
「残念、間違いだ」
答え合わせを行う。
遊びを混ぜれば勉強の効率が良くなるかと思った俺達は露店の料理を使ってみた。
簡単だ。問題に正解すれば他の三人が奢る。
「……また、食べられなかった」
セシルが悲しそうな表情を浮かべる。
「……流石に罪悪感がすごいわ」
ソフィアが気まずそうに視線を泳がせた。
「そうだな」
「まぁ、確かに……」
俺とグレイが頷くと、ソフィアは信じられないものを見るように睨んで来た。
「あんたたちに対してもよ!
どうして三人とも正解しないの!?」
俺はす、と目を逸らす。
グレイに至ってはへたくそな口笛を吹き出した。
すでに何問も答えているのに、俺達三人は手ぶらだった。
ソフィアは両手に料理を抱えている。それをセシルがちらちらと見ているのだ。
三人でソフィアに貢いでいるだけだった。
恐る恐るソフィアが口を開く。
「そんなに難しい問題は出てないわよ……ね?」
ソフィアは珍しく自信なさそうに首を傾げる。
「今日のところは私は帰った方が……」
「わ、悪かったから、もう少し居てくれ」
「帰らないでほしい」
「だめ……!」
ソフィアの言葉を俺達は全力で止めようとする。
「? どうして?」
ソフィアが首を傾げる。損をするだけだろうと。
「いいか? ここでソフィアが抜けたとする。どうなると思う?」
「俺達が正解できると思うか!? 手ぶらのままで引き分けるぞ!?」
「……このルールで誰も勝たないのはいや。負けた方がまし」
口々に情けない言葉が続いた。
「その計算ができるなら、頭が悪いとは思わないのだけれど……」
ソフィアは不思議そうに考え込んだ。今すぐ帰るのは止めたらしい。
「ソフィア・ターナー様」
こうして騒いで歩き回っていると、水を差すように声を掛けられた。
見慣れてきた例のハーフエルフである。
頭を下げるものの、礼儀を弁えているように見えなかった。
「……何かしら?」
答えたものの、足は止めない。
「もう一度、考え直して頂きたい」
「いいえ。返事は変えないわ」
ソフィアが男の隣を通り過ぎようとする。
「っ」
俺はほとんど無意識に駆け出していた。
ソフィアも気付いていない。
恐らくは元騎士団員だから動けたのだろう。
男とソフィアの間に体を滑り込ませる。
ソフィアを押して、男と向き直った。
「え……」
ソフィアの驚いた声。
男は隠し持ったナイフを払う。
それは相手を殺すためのものではなく、脅し目的だったのだろう。
「……何のつもりだ?」
自分の喉から低い声が漏れた。
ナイフを突きつけて、ソフィアを連れ去るつもりだったか。
成功するはずもないが、実際に行動を起こしたからには覚悟してもらおう。
「チ」
男は舌打ちをすると、背中を向けて走り出した。
「待て!」
俺が追い掛けようとすると、その前に腕を掴まれた。
見れば、ソフィアが俺の腕を握っていた。
さらにソフィアも混ざっている。最近はこういうパターンも多い。
セシルがたっぷりと時間を掛けてから、ゆっくりと口を開いた。
「残念、間違いだ」
答え合わせを行う。
遊びを混ぜれば勉強の効率が良くなるかと思った俺達は露店の料理を使ってみた。
簡単だ。問題に正解すれば他の三人が奢る。
「……また、食べられなかった」
セシルが悲しそうな表情を浮かべる。
「……流石に罪悪感がすごいわ」
ソフィアが気まずそうに視線を泳がせた。
「そうだな」
「まぁ、確かに……」
俺とグレイが頷くと、ソフィアは信じられないものを見るように睨んで来た。
「あんたたちに対してもよ!
どうして三人とも正解しないの!?」
俺はす、と目を逸らす。
グレイに至ってはへたくそな口笛を吹き出した。
すでに何問も答えているのに、俺達三人は手ぶらだった。
ソフィアは両手に料理を抱えている。それをセシルがちらちらと見ているのだ。
三人でソフィアに貢いでいるだけだった。
恐る恐るソフィアが口を開く。
「そんなに難しい問題は出てないわよ……ね?」
ソフィアは珍しく自信なさそうに首を傾げる。
「今日のところは私は帰った方が……」
「わ、悪かったから、もう少し居てくれ」
「帰らないでほしい」
「だめ……!」
ソフィアの言葉を俺達は全力で止めようとする。
「? どうして?」
ソフィアが首を傾げる。損をするだけだろうと。
「いいか? ここでソフィアが抜けたとする。どうなると思う?」
「俺達が正解できると思うか!? 手ぶらのままで引き分けるぞ!?」
「……このルールで誰も勝たないのはいや。負けた方がまし」
口々に情けない言葉が続いた。
「その計算ができるなら、頭が悪いとは思わないのだけれど……」
ソフィアは不思議そうに考え込んだ。今すぐ帰るのは止めたらしい。
「ソフィア・ターナー様」
こうして騒いで歩き回っていると、水を差すように声を掛けられた。
見慣れてきた例のハーフエルフである。
頭を下げるものの、礼儀を弁えているように見えなかった。
「……何かしら?」
答えたものの、足は止めない。
「もう一度、考え直して頂きたい」
「いいえ。返事は変えないわ」
ソフィアが男の隣を通り過ぎようとする。
「っ」
俺はほとんど無意識に駆け出していた。
ソフィアも気付いていない。
恐らくは元騎士団員だから動けたのだろう。
男とソフィアの間に体を滑り込ませる。
ソフィアを押して、男と向き直った。
「え……」
ソフィアの驚いた声。
男は隠し持ったナイフを払う。
それは相手を殺すためのものではなく、脅し目的だったのだろう。
「……何のつもりだ?」
自分の喉から低い声が漏れた。
ナイフを突きつけて、ソフィアを連れ去るつもりだったか。
成功するはずもないが、実際に行動を起こしたからには覚悟してもらおう。
「チ」
男は舌打ちをすると、背中を向けて走り出した。
「待て!」
俺が追い掛けようとすると、その前に腕を掴まれた。
見れば、ソフィアが俺の腕を握っていた。
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