第三部 15話 鋭い嗅覚
ー/ー「おい、キース。放課後に図書室で勉強会をやるぞ」
「お、良いな」
「試験が近い」
実技演習が始まる前にグレイとセシルに声を掛けられる。
セシルの言う通り、前期試験が近い。
一緒に勉強できるのは心強かった。
初めて図書室に入った。その大きさに驚く。
魔術師団の学舎にある図書室と同じくらいの規模があった。
手近な机を見つけると、三人で勉強を始めた。
しかし、すぐに三人とも表情を曇らせる。
「二人は勉強できると思っていたぞ」
「こっちの台詞だ。まさか同類だとは」
「軽く引くほどに同レベル……」
三人とも好き勝手を言う。
黙って勉強を進めていると、ふと気になることがあった。
「二人は元々知り合いだったのか?」
「ん? 違うぞ。王都に来てからだ。すぐ隣の村だったんだ」
「ド田舎」
俺の故郷をあまり悪く言わないでほしい。
「ちなみに実技演習の時、俺に声を掛けた理由は?」
「……同じ匂いがした」
セシルが答える。グレイが深く頷いた。どんな匂いだよ?
しばらく経つと、俺達の机は険悪になっていった。
試験のせいで三人とも苛立っているのだろう。
「おい。ここは一つ目の計算式じゃなくて、二つ目の計算式を使うんだろ」
「そうだっけ? 授業で言ってたか?」
「いや、記憶はないけどそうかなって……」
「根拠ないのかよ!?」
俺が分からない癖に断言を始める。
「キース、やっぱりここ間違ってるぞ? まったく」
「……どうやって解くんだっけ?」
「いや、それは分からないんだが……」
「解いてから怒ってくれ」
グレイが分からない癖に偉そうな態度を取る。
「グレイ? ここは?」
「ん? さっきも言わなかったか? そこは上の式を使ってだな……」
「なるほど、分かったっ……! ここは?」
「そこ教えるのは五回目だぞ!?」
セシルが分からない癖に分かったフリを繰り返す。
「分からないなら知った口を利くな!」
「分からない癖に文句ばかり言わないで……」
「分かってないのに、どうしてそんなに力強く頷けるんだ!?」
……要は誰も分からないのである。
後で王立学院の図書室で騒いだ俺達を思い返して、納得した。
確かに同じ匂いがしたのだろう。
多分、田舎者臭かったのだ。
「お、良いな」
「試験が近い」
実技演習が始まる前にグレイとセシルに声を掛けられる。
セシルの言う通り、前期試験が近い。
一緒に勉強できるのは心強かった。
初めて図書室に入った。その大きさに驚く。
魔術師団の学舎にある図書室と同じくらいの規模があった。
手近な机を見つけると、三人で勉強を始めた。
しかし、すぐに三人とも表情を曇らせる。
「二人は勉強できると思っていたぞ」
「こっちの台詞だ。まさか同類だとは」
「軽く引くほどに同レベル……」
三人とも好き勝手を言う。
黙って勉強を進めていると、ふと気になることがあった。
「二人は元々知り合いだったのか?」
「ん? 違うぞ。王都に来てからだ。すぐ隣の村だったんだ」
「ド田舎」
俺の故郷をあまり悪く言わないでほしい。
「ちなみに実技演習の時、俺に声を掛けた理由は?」
「……同じ匂いがした」
セシルが答える。グレイが深く頷いた。どんな匂いだよ?
しばらく経つと、俺達の机は険悪になっていった。
試験のせいで三人とも苛立っているのだろう。
「おい。ここは一つ目の計算式じゃなくて、二つ目の計算式を使うんだろ」
「そうだっけ? 授業で言ってたか?」
「いや、記憶はないけどそうかなって……」
「根拠ないのかよ!?」
俺が分からない癖に断言を始める。
「キース、やっぱりここ間違ってるぞ? まったく」
「……どうやって解くんだっけ?」
「いや、それは分からないんだが……」
「解いてから怒ってくれ」
グレイが分からない癖に偉そうな態度を取る。
「グレイ? ここは?」
「ん? さっきも言わなかったか? そこは上の式を使ってだな……」
「なるほど、分かったっ……! ここは?」
「そこ教えるのは五回目だぞ!?」
セシルが分からない癖に分かったフリを繰り返す。
「分からないなら知った口を利くな!」
「分からない癖に文句ばかり言わないで……」
「分かってないのに、どうしてそんなに力強く頷けるんだ!?」
……要は誰も分からないのである。
後で王立学院の図書室で騒いだ俺達を思い返して、納得した。
確かに同じ匂いがしたのだろう。
多分、田舎者臭かったのだ。
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