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第百四十八話

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 葵に対し、容赦なくひとりの戦士として相対したエヴァを、周りの戦災孤児たちはおっかなびっくりと言ったように接していた。それもそのはず、一見テレビで見るようなアメリカ人モデルのような存在が、鍛錬を重ねた忍者の遥か上をいく、圧倒的な戦闘力を見せたのだから。
「お、お姉ちゃん何者なの……?」
「忍者より……強いの?」
 そんな子供たちの恐怖交じりの疑問に、どこかおどけながら接する。今まさに発露している恐怖心を鎮めるように。
「そうだよー、お姉ちゃんはエヴァって言うんだけど……悪い奴をコテンパンにできるくらい強いんだよ! 君たちのようなちびっ子の味方だよ!」
 満面の笑みで、力こぶを両腕に作ってみせる。男の子はともかくとして、女の子たちすら、力こぶよりも豊満な双丘に目が行って仕方がなかった。
「お姉ちゃん……おっぱい大きいね」
「ぼゆんぼゆんだ!」
「触りたーい!」
「あっちょっと待って皆! ブラ越しとはいえ揉まないで! あっコラ男の子胸をつんつんしないの、えっちだって!」
 まるでふれあいコーナーに購入するタイプの餌を持ち込み、それに対し容赦なく小動物が群がるような構図となっていた。そんな状況に慌てふためき、どうしようもなかったのだが、色っぽい叫びを聞きつけ駆けつけたレイジーが、その状況に助け舟を出す。
「こーら、君たち客人の胸を揉むとは何事かな? その子は私の大切な人だ、揉んでいい権利は私にあるんだぞ? 忍者(きみたち)はそんなベースケだったのかな?」
「「「「だって御屋形様揉みがいの無い壁みたいなおっぱいなんだもん!」」」」
 それを女子だけが言うならまだしも、男子すら揃って愚痴をこぼす。意外にも、最近の子供はませているらしい。
「おうコラチビ共今から修行クソスパルタコース始めるぞ!!」
 今まで優しい頭目としての表情を見せていたのだが、コンプレックスなのか身内限定のいじりネタなのか、胸の話題を出された瞬間に般若の形相へ。文句を垂れながらも皆従うその姿は、子供たちの心の拠り所となり、何よりもの信頼の証であったのだ。
 まるで、大凡の子供が親を喪ったとは思えないほどに、和気藹々とした空間。そこから一人だけ距離を取って、エヴァの傍でふんぞり返る葵。
「――葵ちゃん、君は修行しないの?」
「……良いんだ。アタシはアイツらより強ェから」
 そんなつっけんどんな態度を取る彼女を両脇から抱え、明るい日向へ連れていくエヴァ。じたばたと暴れ抵抗されるも、無論レイジーは葵も受け入れる。
「すいませーん、葵ちゃんもクソスパルタコース受講希望らしいでーす!」
「よし来た、葵は私と一緒のクソスパルタコースハイパースイートで修行させてやろうじゃあないか、私の大切な人に殴りかかった罰だ」
「うるせえアルティメットペタパイ頭目! 風呂で毎回見てるけど、コンクリの壁にレーズンが付いているみてぇじゃあねえか!!」
「アンだとこの!? よーし分かった、そんだけ厳しくしてほしいドMさんならハイパースイートを超えるアルティメットコースでやってやろうじゃあないか!!」
 多くの『大切』を喪ってきた子供たちが、頭目であるレイジーと短い間の客人であるエヴァの影響もあり、普段よりも明るくなったようだった。まるで陽だまりのような空間で、子供たちは頭目の胸を盛大にイジった罰を被り、エヴァとレイジーは笑いながら厳しすぎる修行を課し。
 今までにないほどの平和な空間が、そこにあったのだ。



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 葵に対し、容赦なくひとりの戦士として相対したエヴァを、周りの戦災孤児たちはおっかなびっくりと言ったように接していた。それもそのはず、一見テレビで見るようなアメリカ人モデルのような存在が、鍛錬を重ねた忍者の遥か上をいく、圧倒的な戦闘力を見せたのだから。
「お、お姉ちゃん何者なの……?」「忍者より……強いの?」
 そんな子供たちの恐怖交じりの疑問に、どこかおどけながら接する。今まさに発露している恐怖心を鎮めるように。
「そうだよー、お姉ちゃんはエヴァって言うんだけど……悪い奴をコテンパンにできるくらい強いんだよ! 君たちのようなちびっ子の味方だよ!」
 満面の笑みで、力こぶを両腕に作ってみせる。男の子はともかくとして、女の子たちすら、力こぶよりも豊満な双丘に目が行って仕方がなかった。
「お姉ちゃん……おっぱい大きいね」
「ぼゆんぼゆんだ!」
「触りたーい!」
「あっちょっと待って皆! ブラ越しとはいえ揉まないで! あっコラ男の子胸をつんつんしないの、えっちだって!」
 まるでふれあいコーナーに購入するタイプの餌を持ち込み、それに対し容赦なく小動物が群がるような構図となっていた。そんな状況に慌てふためき、どうしようもなかったのだが、色っぽい叫びを聞きつけ駆けつけたレイジーが、その状況に助け舟を出す。
「こーら、君たち客人の胸を揉むとは何事かな? その子は私の大切な人だ、揉んでいい権利は私にあるんだぞ? |忍者《きみたち》はそんなベースケだったのかな?」
「「「「だって御屋形様揉みがいの無い壁みたいなおっぱいなんだもん!」」」」
 それを女子だけが言うならまだしも、男子すら揃って愚痴をこぼす。意外にも、最近の子供はませているらしい。
「おうコラチビ共今から修行クソスパルタコース始めるぞ!!」
 今まで優しい頭目としての表情を見せていたのだが、コンプレックスなのか身内限定のいじりネタなのか、胸の話題を出された瞬間に般若の形相へ。文句を垂れながらも皆従うその姿は、子供たちの心の拠り所となり、何よりもの信頼の証であったのだ。
 まるで、大凡の子供が親を喪ったとは思えないほどに、和気藹々とした空間。そこから一人だけ距離を取って、エヴァの傍でふんぞり返る葵。
「――葵ちゃん、君は修行しないの?」
「……良いんだ。アタシはアイツらより強ェから」
 そんなつっけんどんな態度を取る彼女を両脇から抱え、明るい日向へ連れていくエヴァ。じたばたと暴れ抵抗されるも、無論レイジーは葵も受け入れる。
「すいませーん、葵ちゃんもクソスパルタコース受講希望らしいでーす!」
「よし来た、葵は私と一緒のクソスパルタコースハイパースイートで修行させてやろうじゃあないか、私の大切な人に殴りかかった罰だ」
「うるせえアルティメットペタパイ頭目! 風呂で毎回見てるけど、コンクリの壁にレーズンが付いているみてぇじゃあねえか!!」
「アンだとこの!? よーし分かった、そんだけ厳しくしてほしいドMさんならハイパースイートを超えるアルティメットコースでやってやろうじゃあないか!!」
 多くの『大切』を喪ってきた子供たちが、頭目であるレイジーと短い間の客人であるエヴァの影響もあり、普段よりも明るくなったようだった。まるで陽だまりのような空間で、子供たちは頭目の胸を盛大にイジった罰を被り、エヴァとレイジーは笑いながら厳しすぎる修行を課し。
 今までにないほどの平和な空間が、そこにあったのだ。