第三部 7話 初戦
ー/ー 翌日。俺達は相手チームと演習場で向かい合っていた。
演習場は思っていたよりも広く、複数の試合を同時に進めるようだ。
障害物などは特にない。
基本は白線から出なければ良いというルールのみ。
俺達の構成は前衛がグレイで、中衛が俺。後衛がセシルだ。
オーソドックスな構成だからだろう。相手も同じような構成だった。
武器についてはグレイは斧。俺は小剣を選んだ。セシルは護身用の短剣のみ。
お互いに武器の刃は潰してある。
「……」
ちらり、と目を向ける。
ソフィアがこの試合……というか、明らかに俺を見ていた。
睨むような視線が向けられていた。
柄にもなく、少し緊張しているかも知れない。
作戦というほどではないが、一つだけ考えを伝えてはいるが……。
試合開始の合図が鳴った。
前衛のグレイがすぐさま前に出た。
相手の前衛である剣士とぶつかる。
俺は相手の気を引くように側面へと回り込んだ。
「ははは、吹っ飛べ!」
俺を横目に見て、グレイが一際大きく斧を振るう。
前衛がグレイに掛かり切りになったことを確認すると、俺は大きく踏み込んだ。
狙った先は相手の中衛だ。
後衛の魔弾を数度弾いて、急速に接近した。
「ッ!」
中衛も咄嗟に対応しようとする。魔法かスキルか。
しかし、襲ってきた魔弾がそれをさせない。
的確なタイミングで放たれたセシルの援護だった。
すごいな。ブラウン団長みたいだ。
この距離での乱戦の中、ほぼ全てを当てに来た。
相手の中衛は魔弾を避けて弾いてどうにか凌ぐ。
だが、既に俺は相手の間合いに入ろうとしていた。
「こ、の!」
狙われた少年は怒りに任せて長剣を払う。
しかし、少しだけ狙った位置が高かった。
足は止めず、姿勢を低くすることでやりすごす。
相手の驚いた顔が見えた。
一歩踏み込んで、俺は右手で小剣を斬り払った。
「……!」
とにかく後ろへと飛び退くように相手は避ける。
――よし、ここだ。
さらに一歩。全力で踏み込んだ。
アッシュには及ばないが、今の体で出せる精一杯だ。
相手が長剣を上段から振り下ろした。
小剣を逆手に握り直す。そのまま返す刃で長剣を弾いた。
空いている左手を相手の腹に当てる。
今度こそ相手の顔が凍り付いた。
「魔弾よ、貫け」
聞き慣れた言葉を口にした。相手の中衛が倒れる。
開始早々に三対二になった俺達は勝負を有利に進めて、無事に勝利した。
作戦と言えるほどでもないが、同じ標的を狙うようにだけ提案していたのだ。
「やったぞ! 何だお前、戦えるじゃないか!」
「失礼な。戦えないなんて言ってないだろう」
「……お疲れ」
それぞれに喜びを表現する。
無表情に見えるセシルも心なしか楽しそうだった。
グレイにもみくちゃにされながら、ソフィアをちらりと見てしまう。
口をへの字に曲げて、わざとらしく視線を逸らしていた。
一番機嫌が悪い時の表情だな、と思った。
演習場は思っていたよりも広く、複数の試合を同時に進めるようだ。
障害物などは特にない。
基本は白線から出なければ良いというルールのみ。
俺達の構成は前衛がグレイで、中衛が俺。後衛がセシルだ。
オーソドックスな構成だからだろう。相手も同じような構成だった。
武器についてはグレイは斧。俺は小剣を選んだ。セシルは護身用の短剣のみ。
お互いに武器の刃は潰してある。
「……」
ちらり、と目を向ける。
ソフィアがこの試合……というか、明らかに俺を見ていた。
睨むような視線が向けられていた。
柄にもなく、少し緊張しているかも知れない。
作戦というほどではないが、一つだけ考えを伝えてはいるが……。
試合開始の合図が鳴った。
前衛のグレイがすぐさま前に出た。
相手の前衛である剣士とぶつかる。
俺は相手の気を引くように側面へと回り込んだ。
「ははは、吹っ飛べ!」
俺を横目に見て、グレイが一際大きく斧を振るう。
前衛がグレイに掛かり切りになったことを確認すると、俺は大きく踏み込んだ。
狙った先は相手の中衛だ。
後衛の魔弾を数度弾いて、急速に接近した。
「ッ!」
中衛も咄嗟に対応しようとする。魔法かスキルか。
しかし、襲ってきた魔弾がそれをさせない。
的確なタイミングで放たれたセシルの援護だった。
すごいな。ブラウン団長みたいだ。
この距離での乱戦の中、ほぼ全てを当てに来た。
相手の中衛は魔弾を避けて弾いてどうにか凌ぐ。
だが、既に俺は相手の間合いに入ろうとしていた。
「こ、の!」
狙われた少年は怒りに任せて長剣を払う。
しかし、少しだけ狙った位置が高かった。
足は止めず、姿勢を低くすることでやりすごす。
相手の驚いた顔が見えた。
一歩踏み込んで、俺は右手で小剣を斬り払った。
「……!」
とにかく後ろへと飛び退くように相手は避ける。
――よし、ここだ。
さらに一歩。全力で踏み込んだ。
アッシュには及ばないが、今の体で出せる精一杯だ。
相手が長剣を上段から振り下ろした。
小剣を逆手に握り直す。そのまま返す刃で長剣を弾いた。
空いている左手を相手の腹に当てる。
今度こそ相手の顔が凍り付いた。
「魔弾よ、貫け」
聞き慣れた言葉を口にした。相手の中衛が倒れる。
開始早々に三対二になった俺達は勝負を有利に進めて、無事に勝利した。
作戦と言えるほどでもないが、同じ標的を狙うようにだけ提案していたのだ。
「やったぞ! 何だお前、戦えるじゃないか!」
「失礼な。戦えないなんて言ってないだろう」
「……お疲れ」
それぞれに喜びを表現する。
無表情に見えるセシルも心なしか楽しそうだった。
グレイにもみくちゃにされながら、ソフィアをちらりと見てしまう。
口をへの字に曲げて、わざとらしく視線を逸らしていた。
一番機嫌が悪い時の表情だな、と思った。
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