「心配しなくていいわ。これママがずっと愛用してる製品で有機溶剤フリーだから。前みたいな除光液もいらないの」
私が何を浮かべてたか見透かしてるらしくて、ママが笑いながら教えてくれた。
「え、っと。私、結局よくわかんないままなんだけど、あの奈々さんのとは違うって意味? ネイルもいろんなのがあるの?」
大学生になろうかって女子の台詞じゃないよね。自分でもちょっとどうかと感じてる。
「そうよ。ママも普通のマニキュア無理なの。爪が傷んじゃって。これなら大丈夫だから、多分夢ちゃんも行けるんじゃない?」
「そうなんだ。じゃあ借りようかな」
「ただ、濃くはないけどやっぱり自然の爪の色とは違うのよ。きっちり塗らないと隙間あったら目立つし、自信ないならママがしてあげるけどどうする?」
「ぜひお願いします」
六年前の、左手攣りそうになりながら右の爪塗った時の記憶が蘇る。私はすんなり頭下げて頼むことにした。
「明日は早く起きなさいね。お化粧は練習してたけど、慌てていいことないんだから。マニキュア乾かす時間もいるでしょ」
「はーい」
それは我ながら心配だから、時間持て余してもいいつもりで早起きするわ。