【Chapter4】②
ー/ー「俺はみんなが思ってるほど大人でも完璧でも全然ないから。顔に出ないだけで、つまんないことでうだうだ悩んだりするし。……郁の方がずっと男前だ」
「男前なんて言われたの初めてだよ。それも大雅みたいな奴に」
嘆く大雅に、郁は正直な感想で返した。彼が意外と悲観的なところがあるらしいのも、もう知っている。
「俺と郁は、逆に見えるけど実は似てるのかもな。どっちも見た目と違うっていうか」
「それを似てるって言うのかはともかく、思ってたよりずっと気が合うのは確かだな」
やけにしみじみと大雅が口にするのに、郁は笑みを浮かべて答えた。
大雅が居なければ、今も家と学校との往復で一日が終わっていた。
しかも理科準備室にも行けるわけもなく、八木との関わりに夢見ていたあの頃の幸せもなく。
以前のように、教室の中で『普通』を演じるだけの窮屈な毎日を送っていたことだろう。
「おっと、もうこんな時間じゃん。そろそろ帰ろっか」
少し名残惜しい想いはあるものの、郁は大雅に楽しい時の終わりを告げる。
また、いつでも会えるから。彼とはそういう関係になったのだ。特別な、大切な、トモダチ。
「うん。郁、また明後日学校でな。……あ、でも電話はするかも。メッセージも」
「いーよ」
帰宅するために二人は連れ立って駅に向かい、それぞれの自宅へのホーム下の階段でいったん別れた。
線路を挟んで向かいのホームに立つ大雅と、身体の前で小さく手を振り合う。こんな些細なことがとても楽しくて、嬉しい。
知らず口元が緩んだ。一人で笑っているなんて、傍の人から見たら気味が悪いだけかもしれないがまるで気にならない。
走り出した電車の中で、郁は大雅と過ごしたこの半日の記憶をなぞっていた。
「男前なんて言われたの初めてだよ。それも大雅みたいな奴に」
嘆く大雅に、郁は正直な感想で返した。彼が意外と悲観的なところがあるらしいのも、もう知っている。
「俺と郁は、逆に見えるけど実は似てるのかもな。どっちも見た目と違うっていうか」
「それを似てるって言うのかはともかく、思ってたよりずっと気が合うのは確かだな」
やけにしみじみと大雅が口にするのに、郁は笑みを浮かべて答えた。
大雅が居なければ、今も家と学校との往復で一日が終わっていた。
しかも理科準備室にも行けるわけもなく、八木との関わりに夢見ていたあの頃の幸せもなく。
以前のように、教室の中で『普通』を演じるだけの窮屈な毎日を送っていたことだろう。
「おっと、もうこんな時間じゃん。そろそろ帰ろっか」
少し名残惜しい想いはあるものの、郁は大雅に楽しい時の終わりを告げる。
また、いつでも会えるから。彼とはそういう関係になったのだ。特別な、大切な、トモダチ。
「うん。郁、また明後日学校でな。……あ、でも電話はするかも。メッセージも」
「いーよ」
帰宅するために二人は連れ立って駅に向かい、それぞれの自宅へのホーム下の階段でいったん別れた。
線路を挟んで向かいのホームに立つ大雅と、身体の前で小さく手を振り合う。こんな些細なことがとても楽しくて、嬉しい。
知らず口元が緩んだ。一人で笑っているなんて、傍の人から見たら気味が悪いだけかもしれないがまるで気にならない。
走り出した電車の中で、郁は大雅と過ごしたこの半日の記憶をなぞっていた。
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