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第二部 63話 会心の一撃

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 俺はすぐにブラウン邸へと向かう。
 クロード隊長は部下への指示だけ出して後を追うらしい。

「くそっ」
 リックがいれば速いのだが、自分の足だといつもより時間が掛かる。

 それでもすぐにブラウン邸まで辿り着いた。
 門の近くまで来ると『白鬼』が飛び出した。本来の姿である白色の鬼だった。

 後を追うように飛び出したのは小さな影。
『白鬼』を追い立てるように小剣を振るう。
 
「お嬢様!?」
 好戦的な笑みを浮かべたソフィアが『白鬼』の後を追う。

『白鬼』は俺の姿を見つけると、避けるように反対側へと走る。
 俺はソフィアと一緒に『白鬼』を追いかける。

「お嬢様、あまり危険なことは……状況は?」
「『白鬼』がラルフに化けて襲ってきたけど、私とブラウン団長で追い払ったの」
 なるほど。それで今は追撃中と。俺は小言を諦めて後を追う。

 幸い、この辺りは元々人影が少ない。
『白鬼』が盾に出来そうな人はいなかった。

 しかし……。
 やはり、七年前を再現するようだ。

 俺は『白鬼』を追いかけるが、違和感が拭えない。
 大きな建物の脇を抜ける。七年前はここから『青鬼』は逃亡した。

 俺が意識を割いた一瞬の間に、ソフィアが『白鬼』を射程に入れる。

 ソフィアは小剣を構えると『白鬼』へと急襲。
 例の錬金術も使用した移動で一息で距離を詰めた。

「もらったわ」
『白鬼』が振り返る。ソフィアがその喉に小剣を突き立てた。

「?」
 俺は『白鬼』の視線に違和感を覚える。

 ――まるで、俺達の後ろを見ていたような?

 釣られるように、俺も後ろを振り返る。

「なんで……」
『白鬼』の視線の先には『青鬼』がいた。

 まさか、七年越しに『帰った』のか!?
 ここへ連れて来るために七年前を再現した?

 さらに『青鬼』は短距離でスキルを使用。
 ソフィアのすぐ後ろへと移動した。長刀を上段に構える。

「駄目だ……駄目だ」
 すぐ隣にやって来た『青鬼』を止めようと、咄嗟に俺は盾を錬金しようとするがリックはいない。

 長刀が袈裟に振り下ろされる。
 赤い血が飛び散った。

「……盾を奪って、身近な人間を殺そうとする。
 そうすれば、お前は自分を盾にするだろう」
『青鬼』が静かな声で語りかける。事実だった。

「う」
 俺の口元から血が流れていくのが分かった。

「お前を確実に殺すにはこうするしかないと考えた」

『青鬼』が追い打ちで脇差を逆手に抜いて、払う。
 俺の腹が横に裂かれる。中身が零れていくのが目に入ってしまった。

 立っていられない。地面に膝を突いてしまう。
 即死こそしなかったが、誰が見ても致命傷だった。

「先、生? そんな」
 ソフィアが呆然と呟いた。背後の状況に気付いたのだろう。

「お前……!」
 すぐさまソフィアが『青鬼』へと襲い掛かる。

『青鬼』は避ける素振りも見せずに、念押しとばかりに横腹に脇差を突き立てた。
 ソフィアの小剣が『青鬼』の心臓を貫く。

「こちらの不利は全てお前が元凶だろう?
 安いもんだ。赤と青と白。一枚ずつやるよ。だからお前をよこせ」

 今回『白鬼』の姿を見せたのは、俺をここに連れて来るためか。
 ベックリンでの『赤鬼』襲撃の時点から……いや、まさか七年前から?

 いつか『青鬼』が『帰る』ために、王都を襲撃したのか?

「やられ、たな」
 俺が地面に倒れるのと『青鬼』が事切れるのは同時だった。

 すぐに俺も後を追うことになるだろう。



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 俺はすぐにブラウン邸へと向かう。
 クロード隊長は部下への指示だけ出して後を追うらしい。
「くそっ」
 リックがいれば速いのだが、自分の足だといつもより時間が掛かる。
 それでもすぐにブラウン邸まで辿り着いた。
 門の近くまで来ると『白鬼』が飛び出した。本来の姿である白色の鬼だった。
 後を追うように飛び出したのは小さな影。
『白鬼』を追い立てるように小剣を振るう。
「お嬢様!?」
 好戦的な笑みを浮かべたソフィアが『白鬼』の後を追う。
『白鬼』は俺の姿を見つけると、避けるように反対側へと走る。
 俺はソフィアと一緒に『白鬼』を追いかける。
「お嬢様、あまり危険なことは……状況は?」
「『白鬼』がラルフに化けて襲ってきたけど、私とブラウン団長で追い払ったの」
 なるほど。それで今は追撃中と。俺は小言を諦めて後を追う。
 幸い、この辺りは元々人影が少ない。
『白鬼』が盾に出来そうな人はいなかった。
 しかし……。
 やはり、七年前を再現するようだ。
 俺は『白鬼』を追いかけるが、違和感が拭えない。
 大きな建物の脇を抜ける。七年前はここから『青鬼』は逃亡した。
 俺が意識を割いた一瞬の間に、ソフィアが『白鬼』を射程に入れる。
 ソフィアは小剣を構えると『白鬼』へと急襲。
 例の錬金術も使用した移動で一息で距離を詰めた。
「もらったわ」
『白鬼』が振り返る。ソフィアがその喉に小剣を突き立てた。
「?」
 俺は『白鬼』の視線に違和感を覚える。
 ――まるで、俺達の後ろを見ていたような?
 釣られるように、俺も後ろを振り返る。
「なんで……」
『白鬼』の視線の先には『青鬼』がいた。
 まさか、七年越しに『帰った』のか!?
 ここへ連れて来るために七年前を再現した?
 さらに『青鬼』は短距離でスキルを使用。
 ソフィアのすぐ後ろへと移動した。長刀を上段に構える。
「駄目だ……駄目だ」
 すぐ隣にやって来た『青鬼』を止めようと、咄嗟に俺は盾を錬金しようとするがリックはいない。
 長刀が袈裟に振り下ろされる。
 赤い血が飛び散った。
「……盾を奪って、身近な人間を殺そうとする。
 そうすれば、お前は自分を盾にするだろう」
『青鬼』が静かな声で語りかける。事実だった。
「う」
 俺の口元から血が流れていくのが分かった。
「お前を確実に殺すにはこうするしかないと考えた」
『青鬼』が追い打ちで脇差を逆手に抜いて、払う。
 俺の腹が横に裂かれる。中身が零れていくのが目に入ってしまった。
 立っていられない。地面に膝を突いてしまう。
 即死こそしなかったが、誰が見ても致命傷だった。
「先、生? そんな」
 ソフィアが呆然と呟いた。背後の状況に気付いたのだろう。
「お前……!」
 すぐさまソフィアが『青鬼』へと襲い掛かる。
『青鬼』は避ける素振りも見せずに、念押しとばかりに横腹に脇差を突き立てた。
 ソフィアの小剣が『青鬼』の心臓を貫く。
「こちらの不利は全てお前が元凶だろう?
 安いもんだ。赤と青と白。一枚ずつやるよ。だからお前をよこせ」
 今回『白鬼』の姿を見せたのは、俺をここに連れて来るためか。
 ベックリンでの『赤鬼』襲撃の時点から……いや、まさか七年前から?
 いつか『青鬼』が『帰る』ために、王都を襲撃したのか?
「やられ、たな」
 俺が地面に倒れるのと『青鬼』が事切れるのは同時だった。
 すぐに俺も後を追うことになるだろう。