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第二部 52話 離脱

ー/ー



 俺が目を覚ますと、ほとんど全てが終わっていた。
 ナタリーアリスからは怒られ、ソフィアには勝ち誇られた。

「お兄ちゃんが捕まってどうするの!? ピノも!」
「パパ、すぐ戻るんじゃなかったの?」
「私がいなかったら大変だったわね、先生?」

 俺を探しに来た隙を狙われたブラウン団長と二人、肩身が狭かった。
 ちなみに、ラルフも肩身が狭そうにしていた。

 合流したラルフに聞くと『白鬼』は逃がしたとのこと。
 さらに言えば、ラルフも俺と同じ手口で『白鬼』に昏倒させられたらしい。

 恐らく、昏倒させた相手の姿に変化できるのだと推測される。



『鬼』に居場所が知られたなら長居は無用。
 俺が皆に合流した日の内に『衛星都市』を発った。

 情報収集の役割は十分に果たしただろう。
 後はニナさん達に任せよう。

 今回は運が良かったように思う。
 ナタリーがいなければもっと苦戦していたはずだ。

 それに……ソフィアがいなければ『赤鬼』が倒せなった。
 馬を操りながら、すぐ後ろのソフィアに声を掛ける。

「ソフィアお嬢様。今回は助かりました」
「あら、先生が素直だわ」
 ソフィアはくすくすと笑う。

「これだけ助けられてしまっては、付いて来たことを怒れないじゃないですか」
「ふふ、それは良かった。
 ついでにユイを宥めるのも手伝ってくれると嬉しいわ」
「それはちゃんと謝ってください」
 俺の言葉に背中のソフィアが口を尖らせた気がした。

 恐らくこの内乱は収まるように思う。
 しかし、冷静に考えれば連合の被害はない。

 あくまで王国内の内乱に過ぎない。
 王国内の国力が落ちただけだ。

 まるでそれが、長期的な計画のように思えて嫌な感じだった。

 嫌な感じと言えば、気になるのは『白鬼』だ。
 予想通りのスキルを持っているとすれば、俺とラルフに化けられる。

 後は姿を見せない『青鬼』だ。
 何か考えがあるとしか思えない。



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 俺が目を覚ますと、ほとんど全てが終わっていた。
 ナタリーアリスからは怒られ、ソフィアには勝ち誇られた。
「お兄ちゃんが捕まってどうするの!? ピノも!」
「パパ、すぐ戻るんじゃなかったの?」
「私がいなかったら大変だったわね、先生?」
 俺を探しに来た隙を狙われたブラウン団長と二人、肩身が狭かった。
 ちなみに、ラルフも肩身が狭そうにしていた。
 合流したラルフに聞くと『白鬼』は逃がしたとのこと。
 さらに言えば、ラルフも俺と同じ手口で『白鬼』に昏倒させられたらしい。
 恐らく、昏倒させた相手の姿に変化できるのだと推測される。
『鬼』に居場所が知られたなら長居は無用。
 俺が皆に合流した日の内に『衛星都市』を発った。
 情報収集の役割は十分に果たしただろう。
 後はニナさん達に任せよう。
 今回は運が良かったように思う。
 ナタリーがいなければもっと苦戦していたはずだ。
 それに……ソフィアがいなければ『赤鬼』が倒せなった。
 馬を操りながら、すぐ後ろのソフィアに声を掛ける。
「ソフィアお嬢様。今回は助かりました」
「あら、先生が素直だわ」
 ソフィアはくすくすと笑う。
「これだけ助けられてしまっては、付いて来たことを怒れないじゃないですか」
「ふふ、それは良かった。
 ついでにユイを宥めるのも手伝ってくれると嬉しいわ」
「それはちゃんと謝ってください」
 俺の言葉に背中のソフィアが口を尖らせた気がした。
 恐らくこの内乱は収まるように思う。
 しかし、冷静に考えれば連合の被害はない。
 あくまで王国内の内乱に過ぎない。
 王国内の国力が落ちただけだ。
 まるでそれが、長期的な計画のように思えて嫌な感じだった。
 嫌な感じと言えば、気になるのは『白鬼』だ。
 予想通りのスキルを持っているとすれば、俺とラルフに化けられる。
 後は姿を見せない『青鬼』だ。
 何か考えがあるとしか思えない。