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第二部 38話 子爵奪還作戦(建前)

ー/ー



 騎士団が到着した翌日に作戦会議が開かれた。

 騎士団からニナと俺。組合からギルバート組合長とラルフ。魔術師団からブラウン団長。
 そして、仇討ち組としてソフィアとユイ。
 
 これらのメンバーが参加していた。
 当然、ナタリーアリスは不参加である。

「では、会議を始めます。
 一応はレイン子爵の身柄確保が目的ですが……」
 ニナさんが一応は建前から話し始める。

「面倒だからやめろ。ここにいる連中は事情を知ってるだろうが」
 ギルバート組合長がひらひらと手を振った。

「とっとと伯爵を討ち取る話をするぞ」
 さらに配慮も何もない言葉を続ける。

 ソフィアの元従者であるユイだけは少し嫌そうな顔をする。
 しかし、相手は組合長。さらに、姉同然のニナもいるので黙っているようだ。

「では、続けます。
 標的はロズワルト伯爵領の交易大都市『ベックリン』です」
「うん、そうだね。この都市は連合との交易で栄える都市だ。
 この都市さえ制圧してしまえば、連合は王国内の拠点を失う」
 ニナの言葉にラルフが頷いた。

「ロズワルト伯爵がレイン子爵を匿ったことは確認しました。
 レイン子爵の身柄を引き渡すように要求しながら攻め入ります」
「ふむ。結果的にこの『スーレ』を押さえてあることはプラスだな。
 補給が随分と楽になっている」
 ニナの進行に、今度はブラウン団長が頷いた。

「問題となるのは……情報、だな」
 ギルバート組合長が舌打ちをしながら呟いた。

「はい。その通りです。
 伯爵領の現状……より正確に言えば、どの程度連合と関わっているのか。
 この点が不明なのが気になっています」

「情報収集用の部隊が欲しいところですね。
 冒険者組合で言えば『ミア・クラーク』辺りが得意なのですが」
「今回は呼んでねえよ。最初の予定とは大きく変わっているからな。
 この状況を予想してたら、工作員の類も用意しているさ」

 ラルフとギルバート組合長がさらに話を進める。
 俺は軽い冷や汗を感じながら、視線を逸らしていた。

「…………」
 人員に心当たりがあったのだ。

 青い小鳥が首を傾げて「ぴ」と鳴いた――気がした。



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 騎士団が到着した翌日に作戦会議が開かれた。
 騎士団からニナと俺。組合からギルバート組合長とラルフ。魔術師団からブラウン団長。
 そして、仇討ち組としてソフィアとユイ。
 これらのメンバーが参加していた。
 当然、ナタリーアリスは不参加である。
「では、会議を始めます。
 一応はレイン子爵の身柄確保が目的ですが……」
 ニナさんが一応は建前から話し始める。
「面倒だからやめろ。ここにいる連中は事情を知ってるだろうが」
 ギルバート組合長がひらひらと手を振った。
「とっとと伯爵を討ち取る話をするぞ」
 さらに配慮も何もない言葉を続ける。
 ソフィアの元従者であるユイだけは少し嫌そうな顔をする。
 しかし、相手は組合長。さらに、姉同然のニナもいるので黙っているようだ。
「では、続けます。
 標的はロズワルト伯爵領の交易大都市『ベックリン』です」
「うん、そうだね。この都市は連合との交易で栄える都市だ。
 この都市さえ制圧してしまえば、連合は王国内の拠点を失う」
 ニナの言葉にラルフが頷いた。
「ロズワルト伯爵がレイン子爵を匿ったことは確認しました。
 レイン子爵の身柄を引き渡すように要求しながら攻め入ります」
「ふむ。結果的にこの『スーレ』を押さえてあることはプラスだな。
 補給が随分と楽になっている」
 ニナの進行に、今度はブラウン団長が頷いた。
「問題となるのは……情報、だな」
 ギルバート組合長が舌打ちをしながら呟いた。
「はい。その通りです。
 伯爵領の現状……より正確に言えば、どの程度連合と関わっているのか。
 この点が不明なのが気になっています」
「情報収集用の部隊が欲しいところですね。
 冒険者組合で言えば『ミア・クラーク』辺りが得意なのですが」
「今回は呼んでねえよ。最初の予定とは大きく変わっているからな。
 この状況を予想してたら、工作員の類も用意しているさ」
 ラルフとギルバート組合長がさらに話を進める。
 俺は軽い冷や汗を感じながら、視線を逸らしていた。
「…………」
 人員に心当たりがあったのだ。
 青い小鳥が首を傾げて「ぴ」と鳴いた――気がした。