第二部 7話 お嬢様の両親
ー/ー 公爵夫妻がゆっくりと俺達の方へと歩いてきた。
真剣な表情を浮かべたまま、公爵夫妻が俺のすぐ手前で立っている。
二人は派手過ぎない服装ながら、高級感がすごかった。
公爵は二十代半ばくらい。夫人はもう少し若く見えるがハーフエルフのようだ。同じくらいだろうか。
ソフィアが両親へと近づいて行った。
「アッシュ・クレフ君かな?」
公爵がソフィアを撫でながら、声を掛けた。
俺は一度呆然と頷いてから我に返り、
「はい」
慌てて跪こうとする。
相手は王家に連なる公爵だ。この方は現国王の弟に当たる。
「いや、良い。どうかそのままで」
しかし、きっぱりと止められた。
「私はウィリアム・ターナー。こちらは妻のマリーだ」
俺はというと、緊張の汗が止まらなかった。
国王の弟は、自分の娘を転ばせた男をどうするのだろうか?
――今更だが国王の姪じゃねーか。
「実は、先程の訓練を見させてもらった」
――知ってます。
――俺も見させてもらいました。
「アッシュ君!」
公爵が声を張って、歩み寄る。
俺は反射的に動いていた。
「娘は随分と君を信頼しているようだ。これからも――? 片膝を突いて、どうした?」
「……いえ、少しだけ眩暈が」
咄嗟に出まかせを言った。
これはしかたない。土下座しかかったとは言えないだろう。
リックの溜息が聞こえた。
「いや、剣を習いたいと言い出した時はどうしたものかと思ったが……やらせて良かった」
「そうね。流石はおばあ様と魔術師団長の推薦ね」
公爵夫妻は楽しそうに話している。
まだ何もしていないと言っても良いくらいなのだが……。
「先生のことが気に入ったみたいですね」
いつの間にか近くに戻っていたソフィアが俺にだけ聞こえる声で囁いた。
「では、娘を頼んだよ」
最後は軽い感じで重い依頼をして、二人は屋敷の方へと戻っていった。
話してみた限り、公爵は随分と常識的な人だった。
ソフィアお嬢様が大切にされていることが、俺は嬉しかった。
真剣な表情を浮かべたまま、公爵夫妻が俺のすぐ手前で立っている。
二人は派手過ぎない服装ながら、高級感がすごかった。
公爵は二十代半ばくらい。夫人はもう少し若く見えるがハーフエルフのようだ。同じくらいだろうか。
ソフィアが両親へと近づいて行った。
「アッシュ・クレフ君かな?」
公爵がソフィアを撫でながら、声を掛けた。
俺は一度呆然と頷いてから我に返り、
「はい」
慌てて跪こうとする。
相手は王家に連なる公爵だ。この方は現国王の弟に当たる。
「いや、良い。どうかそのままで」
しかし、きっぱりと止められた。
「私はウィリアム・ターナー。こちらは妻のマリーだ」
俺はというと、緊張の汗が止まらなかった。
国王の弟は、自分の娘を転ばせた男をどうするのだろうか?
――今更だが国王の姪じゃねーか。
「実は、先程の訓練を見させてもらった」
――知ってます。
――俺も見させてもらいました。
「アッシュ君!」
公爵が声を張って、歩み寄る。
俺は反射的に動いていた。
「娘は随分と君を信頼しているようだ。これからも――? 片膝を突いて、どうした?」
「……いえ、少しだけ眩暈が」
咄嗟に出まかせを言った。
これはしかたない。土下座しかかったとは言えないだろう。
リックの溜息が聞こえた。
「いや、剣を習いたいと言い出した時はどうしたものかと思ったが……やらせて良かった」
「そうね。流石はおばあ様と魔術師団長の推薦ね」
公爵夫妻は楽しそうに話している。
まだ何もしていないと言っても良いくらいなのだが……。
「先生のことが気に入ったみたいですね」
いつの間にか近くに戻っていたソフィアが俺にだけ聞こえる声で囁いた。
「では、娘を頼んだよ」
最後は軽い感じで重い依頼をして、二人は屋敷の方へと戻っていった。
話してみた限り、公爵は随分と常識的な人だった。
ソフィアお嬢様が大切にされていることが、俺は嬉しかった。
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