第二部 2話 殺人鬼の魂
ー/ー 騎士団の業務が終わると、そのままバケット邸へと向かう。
すっかり会議室として定着した一室へと俺達は集まった。
会議自体は数年ぶりであるが。
俺と加奈、ブラウン団長。
加奈はアリス同様、すくすくと育っていた。
ここだけの話、加奈に変わると急に大人びた表情になって面白い。
ブラウン団長は……前と変わらなかった。恐ろしい。
それぞれが定位置に着くと、俺は今日の顔合わせについて軽く報告した。
「では、ターナー公爵家の令嬢が『レン・クーガー』の生まれ変わりだと?」
「はい。それは間違いないと思います」
「魂が赤いっていうのは、見間違いはないの?」
「絶対とは言えないけど……今までそう見えたのは『レン・クーガー』と『ソフィア・ターナー』の二人だけだ」
ブラウン団長と加奈の質問にそれぞれ答える。
「それに、計算も合ってる」
「なるほど。令嬢は六歳だったな?」
ブラウン団長の言葉に頷いた。
そのまま、気になっていたことを訊き返す。
「ブラウン団長はどうして俺を推薦したんですか?
レンとの関係性に何か気付いたのかと思ったんですが……」
「いや、そうではない。
単純にシェリーが孫の教育係を探していたのだ。
本人が剣に興味を持っているようだったので、騎士団員から選んだ」
「なるほど……で、どうして俺を?」
ブラウン団長が軽く笑みを零す。
「ああ。それは簡単だ。
『ソフィア・ターナー』はスキル『錬金術』を持っている」
俺は納得して呻いた。
「じゃあ、仮にソフィアちゃん? がレンの生まれ変わりだったとして、どうなるのかな?」
加奈が首を傾げて話を戻す。
そう。ここからが本題なのだ。
「まず気になるのは『ソフィア・ターナー』が運命の影響を受けるかどうかだな」
「そうですね。生まれ変わったら運命に組み込まれた可能性もある、ということですね」
「ああ、なるほど。
レンの性質をどこまで引き継いでいるか、だね」
三人がそれぞれに意見を言う。
「しかし、結局は引き継いでいると考える他ないだろうな」
「……そうですね。
運命に組み込まれたのなら、警戒する理由がないですね」
結局はブラウン団長の言葉が結論になるのだろう。
『レン・クーガー』ができたことは『ソフィア・ターナー』もできるのだと。
「……ひょっとして」
「?」
しばらく考え込んでいた加奈が顔を上げた。
「これって、すごい幸運なんじゃない?」
言われて初めて気が付いた。
王都以外に生まれていたら?
鬼が先に接触していたら?
鬼の仲間になっていたら?
「その、通りだ」
「ふむ」
俺とブラウン団長が思わず考え込む。
鬼にしてみれば、喉から手が出るほど欲しかったカードだろう。
そして、黒幕にとっても。
「じゃあ、方針だけど……」
「それは決まっている。
要は『ソフィア・ターナー』が人を殺さなければ良い」
「うん。『鍵』さえ殺さなければ問題はないはずだからね」
二人の言いように少し雲行きが怪しく思えた。
「……つまり?」
二人はにっこりと微笑った。
「教育係を頑張りなさい」
「人を殺すような娘にしちゃ駄目だよ?」
すっかり会議室として定着した一室へと俺達は集まった。
会議自体は数年ぶりであるが。
俺と加奈、ブラウン団長。
加奈はアリス同様、すくすくと育っていた。
ここだけの話、加奈に変わると急に大人びた表情になって面白い。
ブラウン団長は……前と変わらなかった。恐ろしい。
それぞれが定位置に着くと、俺は今日の顔合わせについて軽く報告した。
「では、ターナー公爵家の令嬢が『レン・クーガー』の生まれ変わりだと?」
「はい。それは間違いないと思います」
「魂が赤いっていうのは、見間違いはないの?」
「絶対とは言えないけど……今までそう見えたのは『レン・クーガー』と『ソフィア・ターナー』の二人だけだ」
ブラウン団長と加奈の質問にそれぞれ答える。
「それに、計算も合ってる」
「なるほど。令嬢は六歳だったな?」
ブラウン団長の言葉に頷いた。
そのまま、気になっていたことを訊き返す。
「ブラウン団長はどうして俺を推薦したんですか?
レンとの関係性に何か気付いたのかと思ったんですが……」
「いや、そうではない。
単純にシェリーが孫の教育係を探していたのだ。
本人が剣に興味を持っているようだったので、騎士団員から選んだ」
「なるほど……で、どうして俺を?」
ブラウン団長が軽く笑みを零す。
「ああ。それは簡単だ。
『ソフィア・ターナー』はスキル『錬金術』を持っている」
俺は納得して呻いた。
「じゃあ、仮にソフィアちゃん? がレンの生まれ変わりだったとして、どうなるのかな?」
加奈が首を傾げて話を戻す。
そう。ここからが本題なのだ。
「まず気になるのは『ソフィア・ターナー』が運命の影響を受けるかどうかだな」
「そうですね。生まれ変わったら運命に組み込まれた可能性もある、ということですね」
「ああ、なるほど。
レンの性質をどこまで引き継いでいるか、だね」
三人がそれぞれに意見を言う。
「しかし、結局は引き継いでいると考える他ないだろうな」
「……そうですね。
運命に組み込まれたのなら、警戒する理由がないですね」
結局はブラウン団長の言葉が結論になるのだろう。
『レン・クーガー』ができたことは『ソフィア・ターナー』もできるのだと。
「……ひょっとして」
「?」
しばらく考え込んでいた加奈が顔を上げた。
「これって、すごい幸運なんじゃない?」
言われて初めて気が付いた。
王都以外に生まれていたら?
鬼が先に接触していたら?
鬼の仲間になっていたら?
「その、通りだ」
「ふむ」
俺とブラウン団長が思わず考え込む。
鬼にしてみれば、喉から手が出るほど欲しかったカードだろう。
そして、黒幕にとっても。
「じゃあ、方針だけど……」
「それは決まっている。
要は『ソフィア・ターナー』が人を殺さなければ良い」
「うん。『鍵』さえ殺さなければ問題はないはずだからね」
二人の言いように少し雲行きが怪しく思えた。
「……つまり?」
二人はにっこりと微笑った。
「教育係を頑張りなさい」
「人を殺すような娘にしちゃ駄目だよ?」
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