第一部 38話 討伐隊
ー/ー「正直、噂の鬼とタイマン張っている人はどんな恐ろしい化物かと思ってたっす」
「なんてこと言うんだ。
何故か鬼に襲われて何故か生きているだけの被害者だぞ?」
「それは確かに……あれ? それってやっぱり恐くないっすか?」
「……あれ?」
俺とミアは二番街の門から外へ出て、王都の外を歩いていた。
「……結局さ、ミアのスキルってなんなのさ」
「ははは、どうせすぐに分かるっすよ」
「む、そうか……」
俺は残念に思いながらも諦めることした。
無理に訊くものではない。
しばらく歩くと、騎士団が保有する演習場までやってきた。
王都に来た時も見かけたものだ。
今日は鬼の討伐隊が組まれる日だ。
演習場には多くの人が集まっていた。
大半は騎士のようだが、傭兵の姿も多い。
皆、屈強な戦士という感じだ。
正直、自分を場違いに感じてしまう。
「う……」
俺が演習場に入るなり、視線が集まって痛い。
「アッシュ殿、お久しぶりです」
掛けられた声に目を向けると、懐かしい顔があった。
「ニナさん!」
「お元気そうで何より。王都に来ていたのですね。
まあ、お噂は聞いているのですが」
「お知り合いっすか?」
「うん。昔、ちょっとね」
「へえ、ミア・クラークっす。
今日はアッシュさんと一緒に討伐隊に参加させてください」
ミアが人当たりの良い笑みで名乗った。
「ミア・クラークですか……私はニナ・ローズと言います」
「……あー、ニナ・ローズさんっすかぁ。なるほどぉ」
二人とも微妙な表情を浮かべている。
「? 二人とも、知り合いなの?」
「いえ、知り合いではないですね」
「ただ、名前は知っている感じっす」
なるほど。二人ともそれなりに名前が売れている、と。
で、しがらみのせいで絡みづらい?
「ひょっとして……俺って王都のパワーバランス的なものに関わっちゃってる?」
「……アッシュ殿は賢いですね。
本音を言えば、そこを理解してくれているだけマシです」
「ニナさんの言う通りっすね。
アッシュさんが悪いわけではないのは分かってるんで難しいというか」
二人は苦労人っぽく息を吐いた。
しばらく待っていると、ヒルダ騎士団長が演習場の前に立って説明を始めた。
内容としては『ハーフエルフの小国』が鬼の襲撃で大打撃を受けたこと。
友好国として見過ごせないこと。
王都の守護も兼ねて鬼の集落を襲撃すること。
この三点が主だった。
説明が終わると報奨金の話もあり、士気は一気に高まった。
その勢いを失う前に討伐隊は早々と出発した。
「数日とは言え、ナタリーを置いていくのは気になるね」
リックの心配そうな言葉でちらりと王都へ目を向ける。
だが、心配はいらないだろう。
「王都にいれば大丈夫だ。それにブラウン団長の家に預けてるんだぞ?
俺と宿屋にいるよりもよっぽど安全だよ」
「ああ、違うよ。
迷惑を掛けそうだなって」
――やめろよ。
――心配になってきたじゃないか。
「なんてこと言うんだ。
何故か鬼に襲われて何故か生きているだけの被害者だぞ?」
「それは確かに……あれ? それってやっぱり恐くないっすか?」
「……あれ?」
俺とミアは二番街の門から外へ出て、王都の外を歩いていた。
「……結局さ、ミアのスキルってなんなのさ」
「ははは、どうせすぐに分かるっすよ」
「む、そうか……」
俺は残念に思いながらも諦めることした。
無理に訊くものではない。
しばらく歩くと、騎士団が保有する演習場までやってきた。
王都に来た時も見かけたものだ。
今日は鬼の討伐隊が組まれる日だ。
演習場には多くの人が集まっていた。
大半は騎士のようだが、傭兵の姿も多い。
皆、屈強な戦士という感じだ。
正直、自分を場違いに感じてしまう。
「う……」
俺が演習場に入るなり、視線が集まって痛い。
「アッシュ殿、お久しぶりです」
掛けられた声に目を向けると、懐かしい顔があった。
「ニナさん!」
「お元気そうで何より。王都に来ていたのですね。
まあ、お噂は聞いているのですが」
「お知り合いっすか?」
「うん。昔、ちょっとね」
「へえ、ミア・クラークっす。
今日はアッシュさんと一緒に討伐隊に参加させてください」
ミアが人当たりの良い笑みで名乗った。
「ミア・クラークですか……私はニナ・ローズと言います」
「……あー、ニナ・ローズさんっすかぁ。なるほどぉ」
二人とも微妙な表情を浮かべている。
「? 二人とも、知り合いなの?」
「いえ、知り合いではないですね」
「ただ、名前は知っている感じっす」
なるほど。二人ともそれなりに名前が売れている、と。
で、しがらみのせいで絡みづらい?
「ひょっとして……俺って王都のパワーバランス的なものに関わっちゃってる?」
「……アッシュ殿は賢いですね。
本音を言えば、そこを理解してくれているだけマシです」
「ニナさんの言う通りっすね。
アッシュさんが悪いわけではないのは分かってるんで難しいというか」
二人は苦労人っぽく息を吐いた。
しばらく待っていると、ヒルダ騎士団長が演習場の前に立って説明を始めた。
内容としては『ハーフエルフの小国』が鬼の襲撃で大打撃を受けたこと。
友好国として見過ごせないこと。
王都の守護も兼ねて鬼の集落を襲撃すること。
この三点が主だった。
説明が終わると報奨金の話もあり、士気は一気に高まった。
その勢いを失う前に討伐隊は早々と出発した。
「数日とは言え、ナタリーを置いていくのは気になるね」
リックの心配そうな言葉でちらりと王都へ目を向ける。
だが、心配はいらないだろう。
「王都にいれば大丈夫だ。それにブラウン団長の家に預けてるんだぞ?
俺と宿屋にいるよりもよっぽど安全だよ」
「ああ、違うよ。
迷惑を掛けそうだなって」
――やめろよ。
――心配になってきたじゃないか。
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