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キエーウ最終決戦 4

ー/ー



「ムツヤ殿!!」

「ムツヤ!!」

「ムツヤっち!!!」

「ムツヤさん!!」

 皆が名前を呼んで駆け寄った。ムツヤは傷を負って倒れたのではなく、力を出し切って倒れたらしい。

 ダクフはと言うと死んでいた。暴走した力を使った上に、ムツヤの一撃がトドメとなったのだろう。

「モモ、ムツヤとヨーリィを頼む。私達はあの小屋を調べる」

「はい」

 アシノ、ルー、ユモトは、小屋を調べるために近寄る。敵の気配は無い。

 小屋の中はもぬけの殻で、地下へと続く階段があった。ユモトが照明弾を中に打ち上げ、皆で降りていく。

 そこには見間違えようもない、災厄の壺があった。

「見付けたわね……」

「ルー、あれは本物か」

 アシノは念の為疑ってかかった。ルーは探知盤を取り出して反応を見る。

「間違いなく本物ね、他に裏の道具も無いようだし」

「それじゃ、コイツを壊せば終わりってわけか」

 アシノはワインボトルを片手に災厄の壺まで歩き出し、手に持ったそれを振り下ろした。

 パリィンと良い音がして壺は壊れる。探知盤からは赤い点が消えた。

 アシノ達が小屋の外へと出るとムツヤはすっかり気を取り戻して、ヨーリィの手を握って魔力を送っていた。

「アシノ殿、終わったのですか?」

「あぁ、終わったよ」

 モモは安堵してため息を漏らした。ムツヤも同じくホッとし、モモと目が合うと、何だかおかしくなって笑い合ってしまった。

「だがな、束縛したキエーウのメンバーはどうするか」

 アシノはまだ頭を悩ませる。ルーもその事について考えていた。

「治安維持部隊に引き渡すんじゃダメなんですか?」

 ユモトが言うとアシノは首を横に振る。

「そうしたら尋問が始まるだろ? こんなに多くのキエーウのメンバーが裏の道具について話したら流石に怪しまれる」

 ハッとしユモトは杖を強く握った。裏の道具の存在が国に知られたら戦争が起きてしまう可能性があるのだ。

「最悪…… 口封じするしかないかもしれないわね」

「口封じって、その、殺すってことですか?」

 言いにくいことをユモトは言った。それにアシノは頷く。

 そんな時、ムツヤのペンダントが紫色の光を放って声が響いた。

「ムツヤ、それに皆。災厄の壺を止めてくれてありがとう。魔力が少ないから声だけで勘弁してね」

 裏ダンジョンの主、邪神サズァンの声だ。

「サズァン様!?」

「ムツヤ、あなたは人の記憶を消すことが出来る魔法を習得しているわ」

「そうだったんでずか!?」

「そうだったんですかって、それはこっちのセリフだ!!」

 アシノは思わずムツヤにツッコミを入れた。

「人の額に手を当てて、消したい記憶を思い浮かべるの」

 近くに倒れているキエーウのメンバーを捕まえてムツヤはサズァンの言われた通りにやってみる。

「そして『記憶よ離散しろ』と唱える」

「記憶よ離散しろ」

 ムツヤは裏の道具のことを思い浮かべながら言った。すると光が現れて消える。

「そう、それで大丈夫よ」

「こんな便利なものがあるならもっと早く言って欲しかったんですがねぇ」

 アシノがサズァンに言うと、少し困った顔をして返す。

「これ、失敗すると頭パーになっちゃうのよ。だから最終手段。それに、ムツヤに教えるにはまだ時じゃなかったの」

 いったいこの邪神は何を考えているのかと、アシノはモヤモヤした。

「じゃあ、私はここまでね。またねムツヤ、みんな」

 ムツヤはサズァンの声があまり元気で無かったことが少し心配だったが、急いでキエーウのメンバーの記憶を消さなければならない。


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「ムツヤ殿!!」
「ムツヤ!!」
「ムツヤっち!!!」
「ムツヤさん!!」
 皆が名前を呼んで駆け寄った。ムツヤは傷を負って倒れたのではなく、力を出し切って倒れたらしい。
 ダクフはと言うと死んでいた。暴走した力を使った上に、ムツヤの一撃がトドメとなったのだろう。
「モモ、ムツヤとヨーリィを頼む。私達はあの小屋を調べる」
「はい」
 アシノ、ルー、ユモトは、小屋を調べるために近寄る。敵の気配は無い。
 小屋の中はもぬけの殻で、地下へと続く階段があった。ユモトが照明弾を中に打ち上げ、皆で降りていく。
 そこには見間違えようもない、災厄の壺があった。
「見付けたわね……」
「ルー、あれは本物か」
 アシノは念の為疑ってかかった。ルーは探知盤を取り出して反応を見る。
「間違いなく本物ね、他に裏の道具も無いようだし」
「それじゃ、コイツを壊せば終わりってわけか」
 アシノはワインボトルを片手に災厄の壺まで歩き出し、手に持ったそれを振り下ろした。
 パリィンと良い音がして壺は壊れる。探知盤からは赤い点が消えた。
 アシノ達が小屋の外へと出るとムツヤはすっかり気を取り戻して、ヨーリィの手を握って魔力を送っていた。
「アシノ殿、終わったのですか?」
「あぁ、終わったよ」
 モモは安堵してため息を漏らした。ムツヤも同じくホッとし、モモと目が合うと、何だかおかしくなって笑い合ってしまった。
「だがな、束縛したキエーウのメンバーはどうするか」
 アシノはまだ頭を悩ませる。ルーもその事について考えていた。
「治安維持部隊に引き渡すんじゃダメなんですか?」
 ユモトが言うとアシノは首を横に振る。
「そうしたら尋問が始まるだろ? こんなに多くのキエーウのメンバーが裏の道具について話したら流石に怪しまれる」
 ハッとしユモトは杖を強く握った。裏の道具の存在が国に知られたら戦争が起きてしまう可能性があるのだ。
「最悪…… 口封じするしかないかもしれないわね」
「口封じって、その、殺すってことですか?」
 言いにくいことをユモトは言った。それにアシノは頷く。
 そんな時、ムツヤのペンダントが紫色の光を放って声が響いた。
「ムツヤ、それに皆。災厄の壺を止めてくれてありがとう。魔力が少ないから声だけで勘弁してね」
 裏ダンジョンの主、邪神サズァンの声だ。
「サズァン様!?」
「ムツヤ、あなたは人の記憶を消すことが出来る魔法を習得しているわ」
「そうだったんでずか!?」
「そうだったんですかって、それはこっちのセリフだ!!」
 アシノは思わずムツヤにツッコミを入れた。
「人の額に手を当てて、消したい記憶を思い浮かべるの」
 近くに倒れているキエーウのメンバーを捕まえてムツヤはサズァンの言われた通りにやってみる。
「そして『記憶よ離散しろ』と唱える」
「記憶よ離散しろ」
 ムツヤは裏の道具のことを思い浮かべながら言った。すると光が現れて消える。
「そう、それで大丈夫よ」
「こんな便利なものがあるならもっと早く言って欲しかったんですがねぇ」
 アシノがサズァンに言うと、少し困った顔をして返す。
「これ、失敗すると頭パーになっちゃうのよ。だから最終手段。それに、ムツヤに教えるにはまだ時じゃなかったの」
 いったいこの邪神は何を考えているのかと、アシノはモヤモヤした。
「じゃあ、私はここまでね。またねムツヤ、みんな」
 ムツヤはサズァンの声があまり元気で無かったことが少し心配だったが、急いでキエーウのメンバーの記憶を消さなければならない。