『ピピピピッ、ピピピピッ』
メールの受信音に目が覚めてケータイを見ると、12月25日17:38。
長い間、眠っていたみたいだ。
メールの送り主は、昨日の倉田というオヤジ。
『霞ちゃん、メリークリスマス! 僕、クリスマスプレゼントを用意したんだ。今日も、会えないかなぁ?』
あのオヤジ、また性懲りもなく……
でも、私にとってはいい金ヅルだ。
私は、ほくそ笑む。
『まぁ、ありがとう! 嬉しい! 今すぐ、会いましょう』
メールをうち、日めくりカレンダーを一つめくってマンションを出る。
昨日のことなんて、嘘のよう。
きっと、疲れすぎて悪い夢を見たんだ。
私は、ルンルンと待ち合わせ場所へ向かった。
「プレゼントって、これ……」
私は、一瞬強張った。
白いワンピース。
それも、私の記憶が正しければ、昨日の女……『私』が着ていた……
「そ、そうなんだ。こ、このワンピース、絶対に霞ちゃんに似合うと思って……」
私は、無言でそれを見る。
「も、もしかして……お気に召さなかった?」
オヤジの顔に不安の色が映る。
「い、いいえ、ありがとう」
「も、もし、気に入らないのなら……他にもプレゼント買いに行こう」
「ホント!? そこのデパートに新しくできた宝石店があるの」
ワンピースをトートバッグにしまった。
「あぁもう、今日もキモかった」
ダイヤ、ルビー……煌びやかな宝石を手に入れながらも私は呟く。
今日もあのオヤジ、私の体を求めてきた。
勿論、指一本触れさせるワケもないのだが。
しかも、このワンピース……
気味が悪いこと、この上ない。
私は、帰り道の公園に差し掛かった。
公園には、入り口付近にゴミ箱がある。
捨てようと、公園に入ったその瞬間!
「んー!」
私は、背後から口を塞がれた。
えっ? 何?
「うひょー、可愛い!」
「上物だな、上物」
男……五人はいる。
そいつらが、もがく私を抑え込み、強引にトイレへ連れ込んだ。
「あー、気持ちよかった」
「姉ちゃん、ありがとよ!」
トイレの中で、放心状態で仰向けになっている私を置いて、男達は去っていく。
何が起きたの?
服も、スカートもビリビリ。
コートも、無残にボタンが引きちぎられている。
私……レイプ、されたの?
まず、服をどうにかしなきゃ。
このままじゃ、帰れない。
そうだ、ワンピース。
トートバッグの中に、白いワンピース……
目から止めどなく涙が溢れ出る。
こんなことになるなら、今日、家を出なければよかった……
出来るなら、もし出来るなら……昨日に戻りたい。
昨日に……
白いワンピースでトイレから出た。
その瞬間、目の前が真っ白になったような気がした。