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私は裏山を登っていた。
さっき山のてっぺんに雷が落ちる凄まじい音が聞こえた。それはきっと、私が打たれた雷だ。
信じられない……本当に信じられないことなんだけれど、私は本当に雷に打たれていて。きっと、その衝撃で少しだけ過去にタイムスリップしていたんだ……!
裏山のてっぺんにたどり着くと……
「美咲!」
私は大好きな……高校に入ってからずっと好きだった人の声を聞いた。
「達也くん……」
「美咲……良かった。美咲~」
彼は私をギュッと抱きしめて。その体温が私の心にまで伝わってきた。
「でも、どうして……? 美咲が雷に打たれていなくなって……俺、必死で、死ぬほど必死になって探していたんだ。そしたらお前……来た山道を登ってきて……」
「うん……きっと私達、雷に打たれた夢でも見たんだよ」
「えっ……」
私は微笑みながら、狐につままれた顔をする彼の唇に自分の唇を重ねたのだった。