真実
ー/ー この世界に『神』はいません。
なんと言えばいいんですかね?『神』と、呼ばれるものではない、が正しいでしょう。
あぁ、唯一いるとすれば、ほまれちゃんの【祈り】の力によって永久的な力を得た【語り手】はいますけどね。
「それは……さっきあんたが【語り手】の力で変えたから……」
違いますよ。最初から。
「俺たちは利用されてただけ」
「メノウ先輩にも、聞こえるの?」
聞こえるようにしましたよ、いちいち面倒くさかったので。私はこいつが嫌いですが、あえてほまれちゃんの希望にすることにしました。
今回何度目かわからないですが、人選も演出も、うまくいって、やっと。今回試みた【語り手】という形で世界に干渉したのもよかったのでしょう、完璧に。
「なん、で……わたし、なにも……」
『なにもしていない』なんて言わないでほしいですね。私はずっとみていましたから。ずっと、その【祈り】の力をどうにかできないものかと、ずっとずっと。
そうしたらどうでしょう?何故だかどうして、そんなあなたをずっと見ていたら、私の心が乱されて、愛しくて、かわいくて仕方がなくなっていきました。本当は私があなたの隣に、あなたが私の隣にいられるようにできればよかったのですがそうはいきません。
ので、最後の希望としてあなた好みのパートナーを残しておきましたよ。
「全然わからない、そんなことの為にみんなあんな……」
元々平和な世界で、平和に寿命を迎えた魂は選んでいませんからハッピーエンドのやり方なんて彼らはわからないでしょう。でも、ある意味ハッピーエンドかもしれませんよ?
「変なお願いだと思ってたんだよ。俺のいた世界もろくなことは無かったけど、ここも最高に胸糞わりぃ場所だったわけだ」
メノウ、断罪された王子のくせによく言えますね?せっかく生き残れるようにしてあげているというのに。
「そうよ!また【祈り】を捧げれば……!」
「それは無駄になる、三日月」
そうですね。カナメがなにをしたかがわかっていれば、そんな無駄なことしませんね。まぁ、例え【祈り】を捧げたとしても私が強くなっちゃうだけですからね。
「そんな……どうしよう、わたし、とんでもない事しちゃった……メノウ先輩、どうしよう」
「……俺にもどうしようもない、が……ひとつできるとすれば……」
抱きついちゃって。妬けますね。
今更、妬くだのなんだのは、ここまでした私にはもう関係ないことでしたね。
この世界の崩壊も進んできました。
さ、唯一残されたあなたたちに相応しい場所を、世界を作ってあげましょう。そしていつまでも、私の力となって……。
「その必要はないし、あんたに見られて生きるくらいなら、こんな命はいらない」
「って、わけだ、残念だったな?」
自死するつもりですか?無駄ですよ、また転生させますから。
「なぁ【語り手】?俺の持ってる力じゃ打開できないが、俺がここに来た時に持ち込んだもん、覚えてるか?」
メノウが持ち込んだも……の……?
「さよなら。さいっていだったけど、あんたと話してる時間のおかげで……寂しくなかったわ」
あぁ、ここまできたのに……どうしていつも。
みんなのリアクション
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
おすすめ作品を読み込み中です…
作者の他の作品
この作者の他作品はありません。
この作品と似た作品
似た傾向の作品は見つかりませんでした。
この作品を読んだ人が読んでいる作品
読者の傾向からおすすめできる作品がありませんでした。
おすすめ作品は現在準備中です。
おすすめ作品の取得に失敗しました。時間をおいて再度お試しください。