崩壊
ー/ー ――その力を持って『語り手』の力を引き出し、いびつで歪んだ世界の壊変を進めることとなった。
【祈り】を受け、神の持つ力を『語り手』に力を注がざるを得なくなった神は力を無くし、残り僅かの時間を宛ての無い世界と世界の狭間を彷徨い、消え去ることとなる。
……。
「そうね、うん!祈りましょう!」
あぁ……なんと愚かなほまれちゃん。私の言葉は、ほまれちゃんには言葉として……声として伝わってしまっているんです。
えぇ。知っています。だからこそ、私もほまれちゃんを利用してしまいました。
「神よ……私の祈りを……」
優しくかわいいほまれちゃん。
強くてかわいいほまれちゃん。
愚かでかわいい、ほまれちゃん。
これこそが、私の、私の為の、私だけの
「きゃっ!なに?地震……?」
いやですね、ほまれちゃん。あなたが祈ったからですよ?
「え……?私はそんなこと祈ってなんか……」
確かに、ほまれちゃんが祈ったのはこの転生管理局を作った神を消して、皆が復讐を実行することなく、今までと変わりなく過ごせる世界。
ですが、すでにこの世界は動いてしまっていたのです。
「だ、だからあんたに神の力……を……っ?」
これはちょっと簡単に説明するわけにはいきませんので、ほまれちゃんがへたり込んで悩んでいる間にお話ししましょう。
まずこの世界、転生管理局は崩壊に向かっています。消え去ります。ですが、復讐に燃えていた彼、彼女らの努力は無駄にはなりません。
時刻は『0時』。
皆コウサカが組み上げたシステムに乗って元居た異世界へ転送されているはずです。
単純に異世界のどこか……もあるのですが、カナメは直接神の元に現れ、復讐を終えた各世界の神を再起不能にしているでしょう。もちろん自分の世界も忘れずに。
葵はおいしいおいしいお菓子を配り、局長はコウサカと再生してすべてを消滅させ、ウルメは勇者を変質させ、いずれの世界での己の無念を晴らしたことでしょう。
「ちがう、わたし、こんな……これじゃなにも……っ!」
そうでしょう、なにも変わらず、むしろ悪い方に向かっていますね。
「なにをのん気に!!あんた!わからないように【語り手】を……」
いや、私はほまれちゃんの言うとおりにしましたよ?結果がこれです。
「だって私……『みんなの復讐を無くして本当の願いを叶えて生きるように』って……」
だから、これが『本当の願い』だったんじゃないですか?私に人の心まで操る力はないですしね。
そんなことができるならとっくにほまれちゃんを操って、私のお嫁さんにしてますし。
「今は冗談なんて聞いてられないわよ!」
冗談ではないんですけど。
あらまぁ、こんなに絶望してしまうとは思いませんでした。どうしましょう、一応そのための保険としてあいつがいるわけなんですけど……。
「三日月!!!」
「……っ?!メ、ノウせんぱ……きゃっ」
タイミングがいいのはあいつの本質のせい。これで収まればいいんですけど。
「どうしよう、私のせいでみんなが……管理局が……うっうぅ……」
「大丈夫だ、お前のせいじゃない。真実を隠してる奴がいること、もうわかっているだろ」
真実。そうですね。その役には、お前が最適だって思ってたし。
終わりにしましょうか。
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