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やっぱり魔王。

ー/ー



こんな魔王じゃ倒せない。というか、俺たち人間にそもそも害をなしていたのは魔王という存在ではないんじゃないかなと思う。動物達に対する態度や人に対する対応も。聞かされてきた魔王とは、レイは別人だったから。

千里眼で覗いた俺に一目惚れしたレイは、人と寄り添うとは何かを執事さんと勉強して俺の前に現れ、行動をともにすることを。一緒に生きることを選んだ。
まぁ…今は俺の発言のせいで、レイの魔王としての振る舞いを俺にしているわけだが。

「つまり…魔王はもう居ない?」

「そのうちまた生まれるかもしれないけど、それは僕が消えてからの話になるんじゃないかな。」

サワサワと木々が擦れ合う心地よい音と風を聞きながら落ち着いて、話し合うことにした。もちろん腕枕されたままの体勢でだが。

「でも、リロスの魔王はここにいるから安心して?」

「どこをどう安心しろと言ってるんだよ…。」

「リロスは魔王を求めてるんでしょ?それに応えてあげられるのは僕だけ。」

「っ?!だ、だから触るなっての!」

「…嫌い?好きでしょ?ほら…?」

再び熱を帯びる頬。
魔王という存在の確認と、レイを倒す必要がないことの安心感からか。口では抵抗するものの体は反応してしまう。

レイの指が俺の頬を撫で、優しく髪を掻き上げる。優しいその視線に抗えなくなる。ポスンッと。レイの首元に顔を埋める。

「リロス?どうしたの?もっと撫でようか?」

「はぁ…。」

もう認めるしかないんだろうなと、諦めのため息。
レイの長い髪の毛をひと束。自分の唇に引き寄せてキスをする。

「お前の勝ち。俺は魔王に倒されました、おっけ?」

「リロス…っ!」

レイも恋に落ちたその時は一瞬だった。俺もきっと、旅立つあの日からレイに落ちていたのだと思う。

「どうせなら、ここにキスしてくれてもいいんだけど?」

「俺が負けてもまだ魔王やるつもり?」

「だって、魔王が好きなんでしょう?」

まーた見当違いなことを言ってるな。ぼーっと加減は変わらないな。

「ばーか、ちげーよ。レイが好きなんだよ。」

「んっ…!」

お望み通りに。

「やっぱり魔王辞められないかも…。」

珍しく赤くなるレイの顔。何だか少しいい気分だな。キスしたかいがあるってもんだ。

「お返ししてあげる。」

「はぁっ?!ば、ばかっ!やめ…!!ひゃっ!」

「その顔可愛いから…もっと見せてほしいな。」

「っ!やっぱりお前は魔王…っ!」

「リロスだけの、ね?」

魔王として…に味をしめたレイにしばらくは…いや、一生振り回される予感がしてならない。


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こんな魔王じゃ倒せない。というか、俺たち人間にそもそも害をなしていたのは魔王という存在ではないんじゃないかなと思う。動物達に対する態度や人に対する対応も。聞かされてきた魔王とは、レイは別人だったから。
千里眼で覗いた俺に一目惚れしたレイは、人と寄り添うとは何かを執事さんと勉強して俺の前に現れ、行動をともにすることを。一緒に生きることを選んだ。
まぁ…今は俺の発言のせいで、レイの魔王としての振る舞いを俺にしているわけだが。
「つまり…魔王はもう居ない?」
「そのうちまた生まれるかもしれないけど、それは僕が消えてからの話になるんじゃないかな。」
サワサワと木々が擦れ合う心地よい音と風を聞きながら落ち着いて、話し合うことにした。もちろん腕枕されたままの体勢でだが。
「でも、リロスの魔王はここにいるから安心して?」
「どこをどう安心しろと言ってるんだよ…。」
「リロスは魔王を求めてるんでしょ?それに応えてあげられるのは僕だけ。」
「っ?!だ、だから触るなっての!」
「…嫌い?好きでしょ?ほら…?」
再び熱を帯びる頬。
魔王という存在の確認と、レイを倒す必要がないことの安心感からか。口では抵抗するものの体は反応してしまう。
レイの指が俺の頬を撫で、優しく髪を掻き上げる。優しいその視線に抗えなくなる。ポスンッと。レイの首元に顔を埋める。
「リロス?どうしたの?もっと撫でようか?」
「はぁ…。」
もう認めるしかないんだろうなと、諦めのため息。
レイの長い髪の毛をひと束。自分の唇に引き寄せてキスをする。
「お前の勝ち。俺は魔王に倒されました、おっけ?」
「リロス…っ!」
レイも恋に落ちたその時は一瞬だった。俺もきっと、旅立つあの日からレイに落ちていたのだと思う。
「どうせなら、ここにキスしてくれてもいいんだけど?」
「俺が負けてもまだ魔王やるつもり?」
「だって、魔王が好きなんでしょう?」
まーた見当違いなことを言ってるな。ぼーっと加減は変わらないな。
「ばーか、ちげーよ。レイが好きなんだよ。」
「んっ…!」
お望み通りに。
「やっぱり魔王辞められないかも…。」
珍しく赤くなるレイの顔。何だか少しいい気分だな。キスしたかいがあるってもんだ。
「お返ししてあげる。」
「はぁっ?!ば、ばかっ!やめ…!!ひゃっ!」
「その顔可愛いから…もっと見せてほしいな。」
「っ!やっぱりお前は魔王…っ!」
「リロスだけの、ね?」
魔王として…に味をしめたレイにしばらくは…いや、一生振り回される予感がしてならない。