第025話 回復魔法が使えない女僧侶 その4
ー/ー「くそっ!どうすればいい………」
シロウは舌打ちをしながら、山賊の目が届かないように距離を取り、木の影に隠れながらエリスとリリスが監禁されていると思しきテントを見つめた。
山賊の数は、ざっと50人。
二人がいると思しきテントには常に三人が交代で常駐していた。
シロウにしてみれば、三人を倒すのはそれほど苦ではないが、問題はそれ以外の山賊の数である。
「あんの御者……あいつも仲間だったか………」
シロウは再び舌打ちをする。
命からがら逃げかえったという御者の話では、山賊は数人しかいないはずであった。
しかし、実際は全く違っていた。
「今から町に帰って援軍を頼んでも、着くころにはもぬけの殻ってか………」
そんな事を呟きながら、シロウは手荷物を物色し始めた。
「えっと………松明二本に、火打石、手鉤に縄…ポーション一本にランプとランプオイルの瓶……か………」
「ちっ……松明がもっとあれば大勢来たようにも見せられるんだが………いや…たとえ松明が多くあっても人型の人形なんて作ってる余裕なんてない………いや、まてよ………」
何かを思いついたシロウは、早速、闇に紛れて行動を開始した。
一方、二人が監禁されているテントでは見張りの交代が行われ、小太りの男がテントを開けて中の二人を眺めていた。
「でゅふふふふ。エルフの女なんて初めて見るでゅふ」
エリスとリリスは手足を縛られ、口枷もはめられて声を上げることも出来ない状態で横たわっており、二人の服の切れ目からは色白の大腿部が露わになっている。
「おい、手を出すなよ。頭にどやされる」
「そうそう。見るだけにしておけよ」
なめるように見る小太りの男に、細身の二人の男は言う。
「ぶっかけるだけなら、いいんでないでゅふか?」
『んぐんぐんぐ!』
小太りの男の言葉に、エリスとリリスは鳥肌を立たせながら怯える。
『いいわけないだろ』
細身の二人の男はハモるようにツッコんだ。
「残念でゅふ………」
小太りの男はそう言って、テントを閉めた。
「あーあ、しかし、別の女が現れねぇかなぁ」
「バーカ。こんな辺鄙な場所に来る女なんて淫魔くらいなもんだろ」
「この際、淫魔でも何でもいいよ。スッキリ出来るなら」
そう言って細身の二人が談笑している時、小太りの男が声を上げた。
「でゅふ!?アレは何でゅふか!?」
「ん?どしたー?女でも現れたかぁ?」
「アレを見るでゅふ!」
小太りの男が指差す方向に、二人の細身の男は視線を向けた。
「なっ!!!何だあれは!?」
「まさか!あのエルフの仲間か!?」
三人の山賊が見たものは、無数の火の大群であった。
その数、百はゆうに超えている。
そして、次の瞬間、どこからともなく声が響き渡った。
「大軍がこっちにやって来るぞーっ!!!300はいる!!!」
その声に、山賊たちは大混乱し始めたのは言うまでもない。
だが、流石に数を率いている山賊の頭だけは違っていた。
「落ち着け馬鹿垂れ共がぁっ!!!アレをよく見ろ!!!まだ奴らは遥か遠くだ!!!」
その言葉に、山賊の子分たちは落ち着きを取り戻す。
「とにかく、荷物をまとめろ!直ぐに出立して闇に紛れながら馬を走らせろ!!!」
『おうっ!!!』
頭の言葉に、山賊たちはすぐさま荷物をまとめ始める。
「流石は50以上の人数を束ねる男だな。判断が早い」
影に隠れながら見ていたシロウは、感心するように眺める。
そして、荷物をまとめて出発となった時、声を上げる者がいた。
「頭ぁ!エルフの女たちはどうしますか!?」
「馬鹿野郎!!!置いていくに決まってんだろがっ!!!」
「奴らの目的は、その二人の女だ。連れてってみろ、地の果てまで追いかけて来るだろうがっ!!!」
頭は、大軍が現れたことで瞬時にエリスとリリスが一角のエルフではないと見抜いたようである。
「へい!すみません!!!」
「分かったらずらかるぞ!!!」
こうして、山賊たちはエリスとリリスを残して去って行ったのであった。
みんなのリアクション
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「くそっ!どうすればいい………」
シロウは舌打ちをしながら、山賊の目が届かないように距離を取り、木の影に隠れながらエリスとリリスが監禁されていると思しきテントを見つめた。
山賊の数は、ざっと50人。
二人がいると思しきテントには常に三人が交代で常駐していた。
シロウにしてみれば、三人を倒すのはそれほど苦ではないが、問題はそれ以外の山賊の数である。
「あんの御者……あいつも仲間だったか………」
シロウは再び舌打ちをする。
命からがら逃げかえったという御者の話では、山賊は数人しかいないはずであった。
しかし、実際は全く違っていた。
「今から町に帰って援軍を頼んでも、着くころにはもぬけの殻ってか………」
そんな事を呟きながら、シロウは手荷物を物色し始めた。
「えっと………松明二本に、火打石、手鉤に縄…ポーション一本にランプとランプオイルの瓶……か………」
「ちっ……松明がもっとあれば大勢来たようにも見せられるんだが………いや…たとえ松明が多くあっても人型の人形なんて作ってる余裕なんてない………いや、まてよ………」
何かを思いついたシロウは、早速、闇に紛れて行動を開始した。
一方、二人が監禁されているテントでは見張りの交代が行われ、小太りの男がテントを開けて中の二人を眺めていた。
「でゅふふふふ。エルフの女なんて初めて見るでゅふ」
エリスとリリスは手足を縛られ、口枷もはめられて声を上げることも出来ない状態で横たわっており、二人の服の|切れ目《スリット》からは色白の大腿部が露わになっている。
「おい、手を出すなよ。|頭《かしら》にどやされる」
「そうそう。見るだけにしておけよ」
なめるように見る小太りの男に、細身の二人の男は言う。
「ぶっかけるだけなら、いいんでないでゅふか?」
『んぐんぐんぐ!』
小太りの男の言葉に、エリスとリリスは鳥肌を立たせながら怯える。
『いいわけないだろ』
細身の二人の男はハモるようにツッコんだ。
「残念でゅふ………」
小太りの男はそう言って、テントを閉めた。
「あーあ、しかし、別の女が現れねぇかなぁ」
「バーカ。こんな辺鄙な場所に来る女なんて淫魔くらいなもんだろ」
「この際、淫魔でも何でもいいよ。スッキリ出来るなら」
そう言って細身の二人が談笑している時、小太りの男が声を上げた。
「でゅふ!?アレは|何《なん》でゅふか!?」
「ん?どしたー?女でも現れたかぁ?」
「アレを見るでゅふ!」
小太りの男が指差す方向に、二人の細身の男は視線を向けた。
「なっ!!!何だあれは!?」
「まさか!あのエルフの仲間か!?」
三人の山賊が見たものは、無数の火の大群であった。
その数、百はゆうに超えている。
そして、次の瞬間、どこからともなく声が響き渡った。
「大軍がこっちにやって来るぞーっ!!!300はいる!!!」
その声に、山賊たちは大混乱し始めたのは言うまでもない。
だが、流石に数を率いている山賊の頭だけは違っていた。
「落ち着け馬鹿垂れ共がぁっ!!!アレをよく見ろ!!!まだ奴らは遥か遠くだ!!!」
その言葉に、山賊の子分たちは落ち着きを取り戻す。
「とにかく、荷物をまとめろ!直ぐに出立して闇に紛れながら馬を走らせろ!!!」
『おうっ!!!』
頭の言葉に、山賊たちはすぐさま荷物をまとめ始める。
「流石は50以上の人数を束ねる男だな。判断が早い」
影に隠れながら見ていたシロウは、感心するように眺める。
そして、荷物をまとめて出発となった時、声を上げる者がいた。
「頭ぁ!エルフの女たちはどうしますか!?」
「馬鹿野郎!!!置いていくに決まってんだろがっ!!!」
「奴らの目的は、その二人の女だ。連れてってみろ、地の果てまで追いかけて来るだろうがっ!!!」
頭は、大軍が現れたことで瞬時にエリスとリリスが|一角《ひとかど》のエルフではないと見抜いたようである。
「へい!すみません!!!」
「分かったらずらかるぞ!!!」
こうして、山賊たちはエリスとリリスを残して去って行ったのであった。